2011-01-01から1年間の記事一覧
第1部だけはちらほらと興味深く読ませてもらったのだが気になるところもある。たまたま私もルーマンの該当箇所を読み返す機会があったのでちょっと書いてみる。 まず、ルーマンとは関係ないが、かなりゆるいと思うJ・バトラーのパフォーマティヴィティの概…
いや映像迫力ある。一気に魅せられてしまい、思わず息苦しくなる。主人公はまったくしゃべらずそういう意味ではサイレント映画みたいなのだが、それが聾唖の妻に救われて砂漠ではなく雪原でというのはありそうもない美事な終わり方、その分だけ自然音が耳に…
出先用読書本。ここまで手を出すかと思ったが、もう完全な京二マニーということで。渡辺京二氏の思索の切れ味は相変わらずなのだが、神風連というのが説明されれば説明されるほどそもそも分けがわからないものだということが明らかになっていき、そのわから…
荒涼とした浜辺とか、がらんとした別荘とか、絵がキレイだなと思う一方、展開としてはわりとふつうかな。しかし、イギリスの元首相が国際司法裁判所の訴追を受けてアメリカから動けなくなるというのは、ポランスキーご本人の置かれた状況の裏返しになってい…
最近、ぐっとくるようなラヴ・ソングはなかなかあるものではないと。 Heart to Heartアーティスト: 槇原敬之出版社/メーカー: SMD itaku (music)発売日: 2011/07/27メディア: CD購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (11件) を見る
今回は抽選はずれてなんとかチケット確保したよ。新作と古典それぞれ一席ずつ。「花子」はオチがうまくひっくり返ったなという感じだったけど、あれをしつこく繰り返して話を引っ張られるのは私的にはちょっとという感じだった。でも、志の輔という人は誰も…
いまやあまり言及されることもなくなってしまった観のあるレイン。彼の扱っていた症例は、いまでは「精神分裂病」ではなく境界例だったとのことだが、改めて読んで確かにという感じはあった。たとえば、こんな記述。「他者が空想の体現物として関係されると…
この本の頁をあらためてめくって思う。食わず嫌いのテイラーだが、やはり『自我の源泉』は読まねばならんのだろうな。随分前に買った原書をはそのままになっており、そうするうちに出てしまった訳書も買ったままになっている。しかし、目次をながめて、ペー…
いや、出ましたな。私ごときにまで送っていただいてありがとうございます。博論からかなり書き直した部分もあるようですね。自分の議論とどこがぶつかるか楽しみに、あるいは戦々恐々としながら読ませていただくつもりでおります。実践の中のジェンダー?法シ…
とりあえず気になったところを拾い読み、久々に読み返してみてあらためてこの本って重要な本だと思った。こんな記述があったなんてまったく記憶になかった。どこかで丁寧に読み返す機会を作らなくては。 こうして、人格として振る舞い、自分が感情を害しやす…
出たみたいですな。目次は以下。序言第一章 社会構造とゼマンティクの伝統第二章 上流諸階層における相互行為 ──十七世紀と十八世紀におけるそのゼマンティクの 転換について第三章 初期近代の人間学 ──社会の進化問題の理論技術上の解決第四章 複雑性の時間…
人におそわって佐藤裕さんの本が出ていたことを知る*1。『ソシオロゴス』時代の論文で、彼のアイデアを分かったつもりになっていたのは大変まずかった。同意できない点もあったけど大変好感を持って読むことができた。よい本だと思う。そして、私は原稿を書…
ここまでのまとめ「問題の一般的な理論的解決はつぎの事実にある。話し手が指示をなすには、彼自身の直接的環境が共通の準拠枠を与えるもので、これとの関係で、彼自身が位置していた単一な時空的枠組に属する任意の他の品目への指示の一意性も確保できるの…
今日は『個体と主語』から外れてみる。これも面白い。決定論を論じるために怒りを手始めに考えてみるなんて、いったい誰が思いつくだろうか?ストローソンは人間社会の根源的なあり方に立ち戻って、われわれが誰かに怒りを覚えるということ、あるいは、他人…
われわれは自分の状態とそうでないものの状態とを区別する。それはいかにして可能か?ここではデカルトが引き合いにされる。 人物の概念はpirimitiveなものである。「そもそも意識諸状態が帰属せしめられるための一つの必要条件は、それらがある一定の身体的…
「物体」の次に取り上げられる特殊者は「音」であり、つまりは非空間的な聴覚世界での同定と再同定の可能性であり、さらには、それが非独我論的意識の条件を満たすかどうかである。そのために、不在と現在に相当するような空間的広がりの類比物として、音の…
原稿をいじりながら、P・F・ストローソンのこの本まで読み返したものかどうか迷っていたのだが(というのも、この本、面白いのだが読むのに手間が掛かる)、とあることをきっかけに少しでもいいから読み返してみることにした。読み返し始めてみて思うに、…
今日で8月も終わるというわけで、夏の終わりにはなんとなくこの歌が聴きたくなる。『アメリカン・グラフィティ』のラストでもある。そして、私の仕事の進捗状況とはなんの関係もないのであるが。 Little Deuce Coupe / All Summer Longアーティスト: The Be…
なんとかグラウベル・ローシャを見に行く時間が作れた。というわけで、初ローシャ。一本目、『狂乱の大地』はどうみればいいのかよくわからずちょっとついていけなかったけど、二本目『アントニオ・ダス・モルテス』は強烈だった。二本とも同じ臭いがする。 …
前著と続けて読むと、記述のスタイルが結構似ているように思えてしまう。もちろん、前著には科学社会学的色彩はありませんが。こういうやり方でEMがありなのねと思う一方、とりわけいくつかの論文はここまで書けるところまでもっていくのは大変だろうな。し…
一応、この本を読めるぐらいには復調。実は、翻訳で読むのは初めてなのだ。読んでみると、原書と英訳をつきあわせながら読んだ当時、よく分からなかったところが、やはりよく分かっていなかったということを改めて確認することに。 「社会の理論」シリーズの…
『小さな哲学者たち』。幼稚園で「哲学」の授業をするというとちょっと大げさだが、みんなで議論をしていく時間が教育プログラムに組み込まれていて、それを追いかけていくドキュメンタリー。幼稚園の人種的多様性から、もしかしてと思ったらやっぱり特別教…
当然、セカンド・セットへ行く。行ってみればなんと、あの菊地成孔が一言もしゃべらずに吹きまくり、DUBの使い方も以前よりも大胆で、終わってみれば10時半をとうにすぎている。それで、さらにアンコール。はじめてブルーノートで見たときも、思いきり、時間…
夕食代わりに。この映画、どこまでマジなんだろう。最初は、ストリート・アートのドキュメンタリーだと思っていたのに、バンクシーが出てきてから、だんだん話が変わっていって、最後は、ストリート・アートを追いかけて映像をとっていた主人公MBWがストリー…
出先で読む本シリーズ。とはいえ、渡辺京二おそるべし。ここまでも折々日本近世のお勉強をしてきたのだが、ちょっと知識が蓄積してくるといくつかこの辺もっと知りたいんですけどってところが出てくる。たとえば、自力救済の世界や国人衆についてもう少し具…
気になったのでちょっと読み返してみる。当時は、共感的に読める部分が多かったのと、それなりに難しいのとで、コミュニケーションに対する理解をのぞけば、あまり気になるところがなかったのだが、いま読むと結構つまづくところも多い。 ここで「強い責任」…
今夜は、ブラッド・ピットとショーン・ペンという名前につられてこれにしてみた。ブラッド・ピットの役作りはスゴイ。あのケツが印象的。それはともかく、弟が死んだ(個人的にヴェトナム戦争でではないかと思うのだが)という話から、いくら信仰の問題があ…
今夜はドキュメンタリー。想田監督って一作ごとになんか一線を越えていく感じがするな−。今回は、岡山で要介護者の送迎サービス事業をやっている夫と介護ヘルパーをやっている妻の老夫婦を中心にした作品なのだが、まず、出てくるエピソードがそれぞれ素朴に…
作業がはかどならいので、結局、今夜も映画館に足を運んでいる。ロックフェスの時期にあわせてということなのだろうか(でも、客は年長者ばかり、フェスに行かないような人が来るのでしょうか)、『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』、これ、でか…
なんか参考にあることが書いてないかと思って読んでみた。もちろん、よくわかる部分や既知の話もあったけど、全体的にはよく分からない本だった。といって、読みにくいわけではない。 でも、なぜ、「コミュニケーションの閉じ」と「情報の開け」みたいなかた…