2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

個体的所有と人格崇拝

このところ、講義の準備のためにデュルケムがらみのものをいろいろ読んできたのだけれど、たまたま、この平田清明の引用を読み返して思うに*1、平田が個体的所有というときの「個人」って、デュルケムのいう人格崇拝の実現された個人主義の世界のそれと意外…

小中学生にケータイをもたせない

石川県で小中学生にケータイを持たせないという条例ができたという話。いろんな意見が出てきそうですが、素朴に思うに、ケータイをどこまで使わせるかってもともと親(場合によっては学校)のしつけの問題なわけで、多分に限界があるだろうとは思うけれど、…

『カンパニー』

トニー賞にあわせて、数年前に再演されてなんだか部門で賞を受けた作品がテレビで放送されていた。でも、これ、前に同じものが放映されていたような気がするんだけど(なんだかこの放送局、最近使い回しが多い)。もちろん、再映だってかまわないけれど、映…

吾妻光良&The Swinging Boppers

念願かなって、吾妻光良&The Swinging Boppers。血圧「150〜300」じゃないけど、調子サイテーで行って、ライヴが始まったら気分サイコー。くたびれたけれど、楽しかった。この間のギグが悪かったっていうわけじゃないんだけど、やっぱりバックがスウィンギ…

ウルトラミラクルラブストーリー

多分、商業映画第一作目ということになるんだろうけど、前作に続いて横浜聡子ぶっとんでるなー。たしかに、これはウルトラミラクルだ。もっとも、ぶっ飛んでる演技ということでは、松山ケンイチを言上げするべきなのだろうけれど、個人的な思い入れとしては…

小泉恭子『音楽をまとう若者』

さて、今度はポピュラー音楽研究関連文献読書月間ということでいくつか読んでみたけれど(お仕事、お仕事)、ボクには、この本が典型的にそう読めるような、ポピュラー音楽研究というよりもイマドキノ若者の友人関係を考察したものが面白かった。もちろん、…

『日本との出会い』

こんなものを読んでいるばやいではないのだが、そうはいっても心惹かれるし、また面白いのだから仕方がない。それに、最近ガス欠気味だし---。まさにタイトル通り、日本との出会いをドナルド・キーンが綴った本。著名な研究者や知識人の遍歴を振り返った自伝…

「道徳の最高の形態は、自分の家でくつろがないことである」。

もともとわたしのあずかり知らぬ領域の話(についても、これまでずいぶんあれこれ書いておりますが、というかそれしかないわけ)なので外してるかもしれませんが、この先、イランがどうなるかというのはいろんなところでとても大きな意味を持ってくるんじゃ…

やったことは許せないが---

必要が生じてアキバ事件がらみのものを今ごろいくつか読んでいる。これは、「あ、こんなの出てたんだ」という感じで見つけて読んだ一冊。中身についてはあまり言うことがない。もともと、この手の事件を社会問題から説明しても事件そのもにについて語りきる…

忌野清志郎1951-2009

やっぱ、チャボのインタビューが、微笑ましいというか泣ける。これができるのはやはり渋谷陽一だけだったんだろうな。なにせ随分と、清志郎やチャボと渋谷陽一とのやりとりを読んだり、聞いたりしてきたような気がするし。そういえば、たしかチャボに「ギタ…

『ポピュラー音楽へのまなざし』

http://d.hatena.ne.jp/Talpidae/20090623/p1 の続き。この本に収められているアイドル・ファンの分析が面白い。 この点では、辻泉「ファンの快楽」の指摘が興味深い。辻によれば、ジャニーズ系のアイドル・ファンは、まず誰を好きになるかということについ…

マンシェット『愚者が出てくる、城寨が見える』

たまたまブックオフで見かけ、タイトルが気になったので購入。タイトルの出所はランボーの一節をもじったものだそうな。この週末、学術書の類を読む気力がまったく失せてしまっているので、すっごく久々に小説なるもの読んでみたら、これ、かなりスゴイ。 誰…

『リア王』(1971)

先週から近所で、旧ソ連時代のロシア映画特集をやっている。2週で何本もやってしまうので、とうてい全部、いや半分も見ていらいれないのだが、この時期のロシア映画って見応えあるなー。で、今日は『リア王』を見てきたのだが(音楽はショスタコーヴィッチだ…

『ビジネス倫理の論じ方』

今年度の若年労働者問題関連書籍読書月間がそろそろ終了するので(かなり読み残しがでてしまったが)、その最後に、きっとまったく関係のない話ではないに違いないということで、献本していただいたこの本を読んでみることにした(ありがとうございました)…

『ルポ 最底辺』

先日の感想に同じ。『「野宿者襲撃」論』を読んだとき、この人ってどんな道筋をたどってきた人なんだろうと思ったのだけれど、この本を読むとそれも分かる。 それから、ちょっと話が少しずれるが、ボクは社会のなかにある程度の不平等が生じてしまうことは、…

「視覚の魔術 だまし絵」展

行こう行こうと思っていたのだが、といってもだまし絵という発想にあまり心ひかれるわけではなっかたのだけど、この間いろいろあって絵を見に行く余裕などなく、結局終了間際に行くことになってしまった。主題のせいか、あるいは、しばらく前に日曜美術館で…

いくつかの本を続けて読むと

大庭さんのこの本を読みながら、複雑な思いを禁じえずいま、働くということ (ちくま新書)作者: 大庭健出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/05/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (28件) を見る それに比べるとあまりにあっけ…