2015-01-01から1年間の記事一覧

大統領と孫

一時期、やたらとマフマルバフ・ファミリーの作品が公開され、マフマルバフ自身の作品はなかなか公開されずと思っていたら、亡命してたんですね。ただ、子どもを使う手法はイラン時代と変わらないな。それはともかく、映像ははっとさせられるし、重ねられる…

立川談春独演会「芝浜」

年末にフェスティバルホールで「芝浜」というのも悪くないか。志らくは年末に「芝浜」かけないみたいだしと思っていたら、行けなかったけど鎌倉でかけて、名古屋でもかけて二つを比較することになった。談春は、テレビで活躍していることもあってマクラでも…

最後のギエム

東京公演の保険に買った名古屋公演。ここでは、毎度の地方公演にありがちな、東京バレエ団の二つの作品と挟むかたちで、ギエムの「two」と「ボレロ」が用意されており、プログラム的には「ライフ・イン・プログレス」とは格段の差。とはいえ、東京バレエ団の…

今年最後の立川志らく独演会

志らくのこの会に来るのは、3度目で、最初の3年間は「芝浜」を演るという約束で始めたけれど、去年はその縛りがとけたからリクエストを募って演ることにしたら、また「芝浜」になったという翌5年目である。「芝浜」をやらないせいか当日券も出ていた。私の悪…

キング・クリムゾン

仕事にのめりこんで行きそびれるところをぎりぎりすべりこみセーフ。前回は、開演前にロバート・フリップがフリッパートロニクスをやっていたが、今回はそんなこともなく普通に始まる。とはいえ、メンバーは3ドラムにメル・コリンズ。メル・コリンズが入って…

東京都現代美術館

オノ・ヨーコのもっぱら日本での活動を中心とした回顧展。過去の作品については、日本にこだわる必要はなく、以前のそれと同じようなものだったと思う。一方で、最近の作品も。これは前回のそれよりも面白かった。また、いくつかの作品が鑑賞者も参加できる…

首相官邸の前で

やっとみることができました。デモやデモを仕掛けた人の様子がよく分かります。 原発を止める人々 3・11から官邸前まで作者: 小熊英二出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/09/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見るこの国はどこで間違えた…

矢野顕子+TIN PAN

12月は毎年恒例「さとがえるコンサート」。で、去年と同じくTIN PANと一緒になるとやはり客は増えるな。しかし、2階に若干空席が。もちろん、このメンバーでなければ聞けない歌もあるし、鈴木茂も細野さんも歌うわけで、そのうえ「行け柳田」なんてやりまし…

ザ・ポップ・グループ

いまさら、再結成して二度も来日して、ニューアルバムまで出すとは思わないよな。でも、エコーかけるから、マーク・スチュアートの声が衰えているという感じはしない。やっと「ハウ・マッチ・ロンガー」が再発に。 ハウ・マッチ・ロンガ― 【2016年リマスター…

民を殺す国・日本 ─足尾鉱毒事件からフクシマへ

最初に原発事故の経緯が確認され、話が足尾銅山鉱毒事件に移る。正直なところ、足尾銅山の件、ここまで詳細に知らなかった。そして、あまりに水俣で同じ構図が繰り返されていることに驚く。「永久示談」なんて熊本地裁第一次訴訟判決において「公序良俗に反…

ハイエクの経済思想

きれいに整理された読みやすい好著。ただ、「ハイエクの経済思想」と銘打つわりには、ご本人がはじめにで書いているとおり、社会主義経済論争も、体制選択の問題も論じられないという意味では、あんまり経済思想っぽくない。しかも、最後の2章は情報社会論と…

ニューカマーの子どもと移民コミュニティ

これもとてもきれいに整理した分かりやすい本だった。この手の議論をする際には参照されるべき本になるのだろうと思う。ただ、とりあげているサンプルが何を代表しているのかということについては大いに議論の余地があるのではないかと思う。おおざっぱに言…

名もなき塀の中の王

イギリス的と言っていいのかな、この手の不良少年を収監するストーリーというのは。でも、ここでは、それ以前に父親が終身刑で収監されており、しかも、同性愛者と来ている。刑務所のなかで、反逆する息子と、その息子にどう向き合うかに困惑する父親が和解…

福祉のアジア

福祉のアジア―国際比較から政策構想へ―作者: 上村泰裕出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2015/09/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

SEALDs民主主義ってこれだ

SEALDsについて簡単に知るにはよい本ですね。ただ、『高橋源一郎×SEALDs 民主主義ってなんだ?』の方が面白かった。SEALDs 民主主義ってこれだ!作者: SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2015/10/21メディア: 単行…

ヒトラー暗殺、13分の誤算

どこまで調べても、勤勉で理想的なドイツ人がそこにいる。どうみたって、単独犯。別に共産党員じゃなくったっておかした体制には違和感を覚えるんだよ。しかし、上層部の妄想はそれを受け入れられない。これを前にして軍人とSSの運命が分かれることになる。…

サルトル 実存主義とは何か

ふと手にとってみたのだが、これ読むなら『実存主義とは何か』を読めばよいんじゃないかと思った。あるいは、この辺の新書とか。カミュのことも出てこない。でも、とっかかりとしてはよいのかな。少なくとも、私がガキの時分はサルトルとボーボワール、そし…

悪党諸君

「悪党諸君」というのは先代の鈴々舎馬風が刑務所の慰問へ行って語ったと言われる言葉である。さすがの永さんもそこまでは言えなかったらしい。「僕らの世代には、沖縄になんあ借りがあるっていう考え方があるんですね」(117頁)。こちらは海渡さんの発言。…

民主主義ってなんだ?

これは面白い本ですね。前半はシールズができるまでの経緯、後半は民主主義って何だって言いながら、立憲主義とのバランスも考えてます。実践しながらが考えてきた学生のことばっていうのは大事にしないとね。 民主主義ってなんだ?作者: 高橋源一郎,SEALDs出…

成長なき時代の「国家」を構想する

以降は、どれも紙幅の制限か単純なことして言えていないのでちょっと不満。ただ、ケインズの社会的安定性にかかわる指摘。要するに美人投票の話ですね。「人々は行動に際して、つねに社会全体の意見や慣行を気にかけている」という話は大事だなと。それから…

ブルース&ソウル・レコーズ 126

ロックンロールとは何だったのか/R&Bの歴史の中で すごい選曲。Sister Rosetta Tharpeすら外されてる。全然知らないよ。 1. LONG TALL MARVIN: Have Mercy Miss Percy 2. MERCY DEE: Come Back, Maybellene 3. RICHARD BERRY: Mad About You 4. EDDY LANG: …

カンパニー マリー・シュイナール

春の祭典、この舞台を見ながらまずなによりも感じたのは気持ち悪さだ。舞台を見て気持ち悪いと思ったのは、ベジャールの「ボレロ」ぐらいだろうか。はじめから女性のダンサーの胸はゆれ、尻をつきだすポーズをする。でも、ちっともそそられない。ここに現れ…

渋さ知らず

ジャム・バンド・ブームは去ったのか?こないだの吾妻さんのときもそうだったけど、あまりお行儀のよくない、一連の騒ぎにきてる集団をぜんぜん見かけなくなったな。というわけで、以前のように小屋が人であふれそうって感じではなかったし、メンバーも変わ…

サム・ペキンパー

なぜかとても長く感じた。リズミカルではないのに、同じ調子が続くだろうか。だが、ペキンパーという監督の人となりは十分に伝わってくる。そして、自分があまりにペキンパーに接する機会が少なかったことも。見ている作品は数えるほど、まともにその筋立て…

成長なき時代の「国家」を構想する

第一論文は常に選択の可能性があるところで、自分の立場にあわせた立論がなされていると思った。面白かったのは、第二論文の以下の指摘。それから、やはり安藤馨はすごいな〜。 「低成長経済下では、経済財における再分配のにおける困難だけでなく、あらゆる…

民法改正

今頃になってお勉強する民法改正話だが、民法は1898年に施行されて以来の古い法律だってことは知っていたけれど、たとえば、不平等条約の改正には民法や刑法の整備が必要だったわけですね。それから、外国人を判事にという話が出て来るのも、法に知悉した者…

セレスティアム

ゲイリー・アッシャーということで近所のセコハン屋で買ったのだが、私的にはこの80年代感からして期待はずれ、というのはひどいかな。聞き込んでいけばそれらしさは出てくるのですがーーー。やっぱりねぇ。しかし、こういうのが好きだという人もいるんで…

チャルラータ

サタジット・レイの1964年の未見作品。ひたすら素晴らしいと言うしかない。お話としては、一種、「近代の悲劇」ということになるだろう。二つの宝を持つ男が、それぞれを自分が信頼する身内に託し、その二つともが裏切られる。きわめてリベラルでありながら…

螺旋銀河

まあ、女性に好かれない女性という類型があるように思えるけれど、そうした二つのタイプがからみあうという設定なので、これには笑えた。コインランドリーを選ぶというのも悪くないけど、映画全体としてはどうかな。

顔のないヒトラー

西ドイツでもニュールンベルク裁判のあとはアウシュヴィッツのことは忘れられていたんですね。それが、こんなこんなかたちで、検事たちの結果としてはささいな努力から変わっていくわけですね