映画
『サラエヴォの銃声』というから、私はてっきりサラエボ事件の映画だと思っていた。第一次世界大戦から100年ということで様々なイヴェントや書籍が刊行されたのはわりと最近のことである。年をとると時間のたつのが早いというが、アタマのなかh2,3年…
評価のわれる『ラ・ラ・ランド』見てきた。最近、花粉症もあって映画館行っても寝てばかりなのだが、これなら寝ないだろうと。音楽にかかわる点を保留したうえでかなりよい映画だと思った。『セッション』と同じ監督なんですね。また、あのオヤジもでてきた…
きっとボクと同じ頃のそこそこそこの映画好きはきっとこんなことをしていたんじゃないかと思う。高いな高いなと思いつつ、『ヒッチコック/トリュフォー映画術』を購入して、いったん通読して、それからはテレビでヒッチコックがかかるたびに映画を見ては、…
イーストウッドの新作といえば、必ず公開週には駆けつけていたのに最終日に駆けつける体たらくである。この間見落とした作品も多い。いや、そんなこともなくイーストウッドである。いつもながら自然な感じでゆったりと話は進んでいくのが心地よい。これも、…
まさに、原題にあるようにThe Rise of James Brown。関係者へのインタビューはもちろん、使われている映像がスゴイ。初期の「プリーズ・プリーズ・プリーズ」や「エド・サリヴァン・ショー」の映像。とにかく、ライヴすげぇー。「選挙権を求める大行進」の到…
相変わらず予習をしていかないので、これが是枝さんによる広島を扱った作品だと言うことしか知らない。ヒロシマを扱う作品というのは難しい。どうすれば、ヒロシマを扱ったことになるのかよくわからないからだ。この映画、基本的には綾瀬はるかの朗読で始ま…
さて、前回見たのはいつだか思い出せないけれど、追加映像を含んだ完全版とかいうもの。今回は、劇場公開版のデジタルリマスターということなのだが、私が知っている最後のあのシーンはなかった。二つのヴァージョンがあったのですね。こっちならエンドクレ…
『サンセット大通り』からトロカデロ(the Trocadero)といった有名なナイトクラヴ。マフィア。サミー・デイヴィスjr. さらに、ウィスキーアゴーゴー(The Whisky a Go Go)、ロキシー、レインボーといった有名なライヴ・ハウス。ゼッペリンの悪ふざけしたおと…
どちらかと言えばストリー・テラーだと思っていた園子温が、もっぱらモノクロでカメラを固定して、こんなに洗練されて映像を見せてくれるなんて想像で来たるだろうか?というのは、いささか大げさで、前作にもそうして要素は垣間見られたようにも思えるし、…
信仰、良心、正義と罪というのが背中合わせになっているのだな。わりと直後にボストンに行っているのにこの話ぜんぜん知らなかった。こういう映画がまだ米国で作られて高い評価をえるのはいいな。
80年代はしばしばスタジアム・ロックの時代と位置づけられる。で、ときどきお世話になるけど、本来、ドームのコンサートは好きじゃない。たいてい音が悪いし、ミュージシャンも豆粒のようで、その代わりにいろいろショーアップしたセットを楽しむことにな…
ビートルズが出てくるまでの60年代アメリカン・ポップスは完全な分業体制ができあがっていて、シンガー、ソングライター、セッション・ミュージシャンに分かれていた。ロックン・ロールの登場で、それまでジャズのバックをやっていたセッション・ミュージシ…
この三部作のオリジナルタイトルは、The Decline of Western Civilizationである。一作目は、米国のパンクと言えば、ニューヨークしかアタマになかった私に、LAのパンクシーンがどんなものかを教えてくれるドキュメンタリーだった。ぐっとアート性は低くなる…
東日本大震災とときをあわせて新潟から長野にかけて地震が起きたのだが、あまり、話題にならなかった。この映画の舞台とはいささかずれているがお隣ではある十日町にわたしはちょっとばかり縁があり、原発のこととあわせて、ほとんど流れて来ないこっちはど…
80年代に後半に化粧をした美形をならべてバカ売れしたLAメタルというのがあったけど、メタルにしてはポップな音楽性もセックスばかり扱った歌詞にもまったく興味を持てなかった。ま、もともとメタルって基本的にはあまり聞かないのでよく知らないのです。…
筋書きはほとんどわかってるのに面白くみることができてしまう。もうじき45年を迎えようとする老夫婦。記念のパーティが間近なのだが、その直前に、二人が出会う前の旦那の恋人で、スイスの山で遭難死した女性の死体が氷河のなかから見つかったという知ら…
オフィス北野とクレジットされていきなり踊り始めるから、これは『座頭市』をなぞってるのかと思いきや、われわれにとっちゃどうってことはないこにペット・ショップ・ボーイズの楽曲で最後に泣かされてしまうのだからこのシーンはバカにできない。 最初は、…
アイヒマン裁判の映像が「完全」に残っているわけだけど、そういえば、それはどうしてかと言えば、まさに「アイヒマン・ショー」が行われたからですね。だから、もちろん、そこには金も絡んでいる。もちろん、だから、映像がどうということではなく、撮るま…
もちろん、原作はカフカで「掟の門」や「審判」からの引用もありますが、ここでは断食芸人は空虚な中心として、天皇に類比されてしまいますな。くだらないな話だなと思いながら見つつ、そうこれはくだらない話なのですよ。燐光群の役者さん他がでていました…
船に出るのは男ですが、牡蠣の殻向きは昔六つやって嫌になったことがある。これはもっぱら女性の仕事なんですね。そして、牡蠣工場の後つぎはというと、息子ではなく、三陸から同じ仕事を求めてきた人だったり、中国から出稼ぎにやってきたり、その他ちらちら…
「スーパー・サイズ・ミー」に続くお馬鹿な映画。でも、広く見られるためならこういうのも仕方がないかな。脂質だって、炭水化物だって、糖質だって腹の中に入れば似たようなもんじゃないかという思いきやそうじゃないという話なんだな。やはり、糖分の過剰…
二本続けてみると、まず、気づくのは女性のきれいなおみ足ですな。あるいは大仏。それはともかく、で、それがナット・キング・コールの足につながる?それから、これもある種のトラウマものである。作戦に参加する外人部隊の兵士はいわば反共連合軍になって…
精神病院で起きた殺人事件の犯人をつきとめるために記者が「狂人」を装って入院して、自分が「狂人」になってしまうという筋立て(しかし、最近は「きょうじん」と売っても「狂人」と変換してくれないのね)。を、明かしてしまったところでちっともこの映画…
こちらは京マチ子。一方で、モダンな女性を描くのもうまいというか、この映画はそういう意味でも先進的なんじゃないかな。他の作品でもそう感じさせるものがあるけど、特にこれはそう思う。女性ジャーナリストが自分の企画を利用した犯罪に巻き込まれて、真…
映像はもちろんだが、淡島千景が最高。最初の酔ってあるく姿からや着物をちょっと着崩して見せる姿、とにかく立ち振る舞いのすべてが決まっていて見とれてしまう。山本富士子も若尾文子も食ってる。一方、カットもキレイだけど、色使いもいいな。橋の上の背…
監督がアンジェエリーナ・ジョリーで、日本軍の描写で話題にされなければ、多分、見なかっただろう作品。そんなに日本軍の描写、おかしいですかね。気になるとすれば、捕虜を移動するときの風景が、これ日本じゃないだろとか、収容施設や工場が、まあ、美的…
「戦後、女と靴下が強くなったと言うけれどーーー」。その新婦人をおちょくっているようで、おちょくっていないコメディ。奥さんも働きに出て、どうにも亭主の方が立場が弱い夫婦。姪のアコちゃんがこれに介入してなんとかしようとするわけだが、そのうちこ…
この本、まだ私が学生の時分にはそれなりに知られた育児書でした。こんな作品もとってたんですね。アップ多めで、コメディ、あるいはドキュメンタリー・タッチなところもある。昭和30年代を思わせる映像はちょっと『東京オリンピック』も思わせますな。し…
私がクラッシック・バレエにも興味を持つようになったきっかけは、マリインスキー劇場の「白鳥の湖」をたまたまテレビで見たからだった。ロパートキナに圧倒されてしまった。美しく、でも迫力があり、優雅。彼女が「最高のプリマ」と呼ばれることを後に知っ…
実は、塚本版の前に市川崑が作品化していると聞いて、是非とも見たいと思っていた作品。塚本作品はわりと忠実に市川版をなぞっているという話を聞いていたのだが、たしかにそういう面はある。しかし、塚本作品は、かなり主人公の主観に依拠した作りになって…