2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

泥棒成金

多分、米国に渡ってからのヒッチコックは全作見てるんじゃないかと思うのだが、実は、ヒッチコックをスクリーンで見るのは初めてである。多分。『泥棒成金』(To Catch A Thief)邦題うまくつけたと思うけど、この作品、あらためてみるとあんまりヒッチコッ…

中国思想史

和辻言うところの武内博士の本で中国思想史のおさらいをば。人間の祖先は天にあり天と帝とは語源が同じと。孔子の時代は詩書、孟子で春秋、荀子で礼楽が儒教の経典になる。易が経典化するのが秦代。というわけで、すべて紀元前。中国思想史 (岩波全書セレク…

小沢昭一がめぐる寄席の世界

今日はちとくたびれているので昨日買い込んできた小沢昭一のなかからこの本を。冒頭は同じく正岡容門下の米朝との対談から。それからいろんな方と。小沢昭一は四代目の小さんも聞いているんだな。この先々代の小さんや大圓朝よりうまいと言われた4代目橘家…

日本古代文学史

和辻の議論とつきあわせてみるために、この本をひっぱりだしてみる。いや、この本面白い。古代文学前史として、土偶に仮面を見て取り、当然、これは祭式つまりは儀礼に結びつけられ、のちのち能にもつながるとされる。すると、和辻の議論とは違って埴輪の人…

人間

百科全書的、博覧強記とも言えるし、肝心なことをもっと切れ味よくめとめてくれよとも言いたくなるカッシーラーの本。もし『シンボル形式の哲学』に挑んだらどんなことになるのであろう。まあ、同時代的にはこういうタイプの本が多いよなと思う。カッシーラ…

なぜかシーガー・セッションズ

We Shall Overcome: The Seeger Sessions [American Land Edition]アーティスト: Bruce Springsteen出版社/メーカー: Sony発売日: 2006/10/03メディア: CD購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る

なぜかダフト・パンク

和辻哲郎随筆集

坂部恵編ということなので、で、坂部さんの解説以上のことは書けません。あ、「ねばならない」ではなくて「なくてはならない」だったのね。和辻哲郎随筆集 (岩波文庫)作者: 和辻哲郎,坂部恵出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/09/18メディア: 文庫 クリ…

和辻哲郎日本古代文化論集成

最後の部分では「祭られる神」(自然神)、「神を祭る神」(英雄神)、造化神という区別と神が自然児であるという話でまだ後の議論は出ていない。むしろ、「神代史」に顕著なのは「服従するもの」と「服従せざるもの」の対立であり、「これは他の語で言えば…

和辻哲郎日本古代文化論集成

古本でお手頃なのがあったのでこっちにしてみた。関連文献もあわせて便利と思ったのもつかの間、読み始めて分かったことには、和辻にしては毎度のことながら、版をあらためるごとに改訂がなされている(1920→1926→1939→1951)。しかし、いったいどこがいじら…

人間と空間

だんだんつきあうのがつらくなってきたが、ここも気になったところだけメモ。後半はクルト・レヴィンのホドロジーやサルトルを引いて話が始まり、それがハイデガーやディルタイにつなげられるのだが最後はこうある。「なぜなら、これらのことをするために私…

キル・ビル

一山いくらのCDの中から見つかったので梶芽衣子一曲聞きたさに購入。いやー、この歌スゴいよ。キル・ビル Vol.1アーティスト: サントラ,The 5.6.7.8’s,THE RZA,梶芽衣子,クインシー・ジョーンズ,ノイ!,ナンシー・シナトラ,チャーリー・フェザース,サンタ・エ…

人間と空間

読みこぼしたボルノーのこの本、退屈そうだと思っていたけれど、それほどでもなかった。ちょっと気になるフレーズを。 「人間が自分のはるか外部に、遠方の土地にさがし求めるものは、人間そのものの内的な本質なのである(90頁)。たしかに、桃源郷とか天国…

ヤードバーズ

さして聞く気もなかったのだが、ライノの二枚組を見つけて値段も手頃だったし、選曲が面白いのでついつい買ってしまった。ライノはvol2のないvol1しか出してないのかと思ったらこんなのも出していたのね。ヤードバーズは権利関係からなのかな、BOX Setもジョ…

人と思想 和辻哲郎

読了。やはりこの本は必読だな。金子武蔵の論文なんか、岩波文庫版『倫理学』の解説に使ってもよかったのではと思うくらい*1。象徴天皇制の位置づけをめぐる佐々木・和辻論争も簡単に紹介されている。和辻の議論を知るうえで有益な和辻論が一冊にコンパクト…

ゴダールの映画史(複数)

ゴダールの映画史のサントラをお安く購入。しばらくお休み用CDに使います。Histoires Du Cinema (Mini Lp Sleeve)アーティスト: Jean-Luc Godard出版社/メーカー: Ecm Import発売日: 2000/09/26メディア: CDこの商品を含むブログを見るいつの間にかゴダー…

オギュスタン・ベルク

お高い買い物だったけど、一応、原書も購入して気になるところをつきあわせてみた。もうこっちしか入手できないんだね。Le sauvage et l'artifice作者: Augustin Berque出版社/メーカー: Gallimard発売日: 1986/09/11メディア: ハードカバーこの商品を含むブ…

キャプテン・ビーフハート

これはビーフハートにしてはかなりふつうな感じがする2in1。Spotlight Kid & Clear Spotアーティスト: Captain Beefheart出版社/メーカー: Reprise / Ada発売日: 1994/12/26メディア: CD クリック: 11回この商品を含むブログ (3件) を見る

モーリス・ピアラ

ヴァン・ゴッホ Blu-ray出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2014/02/22メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (1件) を見る悪魔の陽の下に [DVD]出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2014/02/22メディア: DVDこの商品を含むブログを見る悪魔の陽の下に…

人と思想 和辻哲郎

いろんな文献で挙げられているこの本をやっと入手。しかし、冒頭の鼎談の内容をもっとふかめるようなかたちでそれぞれが和辻論を書いて下されればよかったと思うのだが。それから、やっと和辻=家永論争の概要が分かった。和辻哲郎 (1973年) (人と思想)作者:…

天皇の祭祀

今日はこれまでなんとかく読まずにきたこの本を。これを読めば「創られた伝統」とか言わなくても、明治以降にどうやって天皇の祭祀が「作られていった」のかは分かるわな。三種の神器と騒がれるようになるのは鎌倉期あたりから。伊勢神宮を天皇の政治的権威…

少女は自転車にのって

サウジアラビアの映画ははじめて。この年ぐらいだと女の子も男の子もどこでも同じだなと思うのだが、女の子にはやってはいけないことが一杯。イスラムの女性の内側と外側が垣間見える。母の努力と娘の努力、それがどう報われるかが---。

家屋(いえ)と日本文化

一読してみたかぎりでは、エッセイ風で本全体の構成がよく見えない。参考文献一覧もないし、訳者解説もないので著者がどんな人物かもよく分からない。ちなみに、ベルクの引用はない。しかし、この指摘はお勉強になった。「贅沢取締令は、伝統的な工法に対応…

モーリス・ピアラ

今週は、監督としてはあまり意識したことのなかったモーリス・ピアラの”お勉強”も並行します。 http://www.outsideintokyo.jp/j/news/mauricepialat_talk.html サンドリーヌ・ボネールがお気にいりなのかしら。 http://green.ap.teacup.com/ledoyen/3268.htm…

日本イデオロギー

基本的な理屈が同じなので全部読み通すのにはいささか退屈したよ。基本はこのラインにあるのだな「だが日本の文化的自由主義は、文化的ではあるが決して自由主義としては貫徹していないと云わねばならぬ。と云うのは、夫と政治的自由主義との間に現在何も関…

戴震と中国近代哲学

私が中国近代思想をかじってみたのははるか昔のことで戴震という名前も聞いたことがあるようなないような。序章の問題提起も、失礼ながら、これだとその筋の人にしかこの問題提起は理解できないであろうという高度なものである。ただ、戴震という人は言って…

社会的世界の時間構成

時間論ほど難しいわりには実入りが少ないと思っているものはないのだが、その時間論で分厚い博論を一冊の本にしてしまった。というわけで、宿題一個発生。とりあえず、文献一覧を見て、知らない文献を見つけている。まだ、アマソンでヒットしないよ。社会的…

日本イデオロギー

和辻批判のところしか読んでなかったのだがアタマから読んでみることにした。文章は明晰かつ強引。切れ味鋭いけど穴もまた大きい。ま、私はこれが戸坂の議論の時代性をよく示していると思う。序論で自由主義がとりあげられ、「処で実際問題として、この文学…

ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス

以前にスチュアート・コープランドのプライヴェイト・フィルムを使ったドキュメンタリーがあったけど、これはアンディ・サマーズの自伝をベースにしたドキュメンタリーで、言ってみればアンディ・サマーズの自分語りだ。自分語りにつきあわされるのはしばし…

昭和期日本の構造

維新つながりでこれを読んでみたが、これを読んでも「昭和期日本の構造」が何なのかは分からない。が、日本陸軍の変遷を追ううえでは、226事件(1936)以前以後、そして226事件そのものについても不勉強な私には役だった。最初に、丸山のファシズム論…