2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

グローリー 明日への行進

米南部サウスカロライナ州チャールストンで上院議員を含む9人が殺された黒人教会銃撃事件の葬儀でのオバマ大統領のスピーチというか「アメイジング・グレイス」を聞いてこの映画を見たくなった。映画としても悪くないし、内容的にも見る価値があると思う。こ…

新しい産業社会

いや、とても勉強になり、面白い本です。日本型雇用システムにおいては、メンバーシップの維持に最重要点が置かれている。女性についてはフルメンバーシップが与えられず、非正規雇用は外部労働市場にさらされている。三六協定による男性社員の過重労働。そ…

桂米朝

後半の豊田善敬、戸田学、和田尚久といった方々の論考も読み応えがあります。山内志郎先生まで書いてる。私にとって、米朝師匠というのはまず上方落語のとっかかりになる人でした。そういう意味では次に枝雀さんが来ますが、とにかく、その端正な語り口がと…

桂米朝

やはり芸人さんの思いで話は面白いですね。ユリイカ 2015年6月号 特集=桂 米朝作者: 月亭可朝,上岡龍太郎,桂ざこば,桂米團治出版社/メーカー: 青土社発売日: 2015/05/27メディア: ムックこの商品を含むブログ (3件) を見る落語と私 (文春文庫)作者: 桂米朝出…

志の輔らくご

前座が「つる」、二つ目がはしょった「錦明竹」。二つ続けると前座と二つ目で語り口のリズムが違うのがはっきりするな。でも、この二つ目の志のぽんさん、声の通りが悪いから、ホールでやるにはもうちょっと工夫が必要かなと。 で、志の輔は「猿後家」と「徂…

スライ・ストーン

必須だと思って見てきた。この手のドキュメンタリーって大抵つまらないのが常で、それは覚悟していたのだが、これはつまらないを越えたひどい代物。見ながら怒りがこみ上げてきた。こんな興味本位みたいな映像見せて何がしたいんだ!しかも、終わりはスライ…

近代政治原理成立序説

やはりこの本は基本中の基本ですね。近代政治原理成立史序説 (1971年)作者: 福田歓一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1971/11/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る福田歓一著作集〈第2巻〉近代政治原理成立史序説作者: 福田歓一出版社/メーカー:…

立川談春独演会

仕事で遅れていったので残念ながら米朝師匠の思い出を聞くことができなかったけど、それをマクラにやったのが「山号寺号」に「巌流島」。で、「井戸の茶碗」。多分、2回目だと思うけど、談春の場合屑屋の組合でというような話は飛ばしてしまうし、もともとは…

エレファント・ソング

新作上映にあたってグザビエ・ドラン作品の回顧上映があり「マイ・マザー」をはじめいくつかの作品を見直す機会があり、一方いくつかを見逃したのだけれど、見直して、あら、「マイ・マザー」ってグザビエ・ドランの作品だったのと今さら気づかされる一方、…

あん

ちとストーリーべただし、希林さんの演技はこれもちとオーヴァー・アクションではないかと思うのだが、最近ではいちばん河瀬直美ワールドを堪能させていただいた気がします。 ハンセン病と戦後民主主義―なぜ隔離は強化されたのか作者: 藤野豊出版社/メーカー…

南原繁

第一回「占領地域に関する全米教育会議」(1949)に「全面講和」と日本の「永世中立」をとなえて、吉田茂から「曲学阿世」の徒と非難された南原繁のことが、時節柄、思い出されるのでこの伝記を読んでみた。南原は貴族院での「憲法草案要綱」の審議にあたっ…

オーネット・コールマン

年齢からすればなにも不思議はないというか、大往生と言うべきなのだろうけど、とてもショックだ。オーネットがジャズに何をもたらしたのかについて豊かに語れる人はいくらもいるだろう。そもそも、オーネットを聞いてもこれのどこがフリー・ジャズなのだと…

憲法

の教科書の二冊目。樋口本を読了。樋口先生は、「実定法秩序を前提として、憲法擁護と標榜して、それ自体としては合法として成立している実定法上の義務を拒否する抵抗行為について、抵抗権を想定することは可能である」(94頁)と、ある種の抵抗権を認めて…

サンドラの週末

タルデンヌ兄弟の新作はある意味では下手なストーリー。一人の同僚を解雇するのと1000ユーロのボーナスをもらうのはどっちがよいか。解雇されると死活問題になる女性は旦那の支えを受けつつ、同僚にボーナスを諦めてくれと説得してまわる。これが、どん…

平和憲法の深層

まず、明治憲法と日本憲法は外形的にはよく似ているとということ。極東委員会を意識してGHQは憲法草案要綱の成立を急いだが、これは天皇を東京裁判から守るためであり、この憲法改正にあたっては勅語もでている。「戦争の放棄」条項に「交際平和を誠実に…

資本論入門

マルクス自身が加筆訂正したという『資本論第一巻』の解説本。たしかに読みやすい。でも、これを読んでいると、初期マルクスと『資本論』のマルクスの断絶とかよくわからなくなってしまう。どうやったら、マルクスは労働価値説にたっていないことになるのだ…

民主主義思想の源流

翻訳しか読んでいない私にはそんな記憶がない。ホッブスは『リヴァイアサン』では「自然状態」に代わって「自然条件」の語を用いている。「「自然状態」は社会状態の外に仮託されるのにたいし、「自然条件」は「社会状態の中から発見される」とな(37頁)。 …