2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

和辻哲郎の視圏

人間の個別性を規定しようとすれば、間柄の全体によらざるをえなかったが、その全体を規定しようとすれば、個別性によらざるをえない。---。間柄の中で、両者を二つの契機として己の内に含んでいるのが、人間の存在なのである(129頁)。 で、「和辻の倫理学…

チェブラーシカ

なんとなく録画しておいてチェブラーシカを見てしまった。あらためて見ると、これ、ソ連への体制批判になっているんだな。そして、主人公のチェブラーシカが誰かわからない、だからまた居場所がない存在者だってことの含意は大きいな。このかわいいキャラク…

Go to the River

Yael NaimのGo To The Riverという曲を教えてもらった。アコギで聞くとちょっとフレンチが入ったジャズという感じ。でも、歌い方はソウルっぽい。それに、イスラエル人らしい。それから、歌詞を聴いているとなんだかこの歌どこかで聞いたような気がする。 ど…

ヒューゴの不思議な冒険

メリエス、いや映画へのオマージュ。最近のスコセッシ作品にはどうしても不満が残ってしまう私なのだが、これは見ていて泣けてきた。様々な映画の面影を感じさせつつも、きっちり成長譚も入れたいまどきのハリウッド映画という感じもあり、だが、なによりも…

是巨人

毎年1回くらいこういうのを聴きに行くのも一興かと。ジャクソン-リミックス Jackson Remixアーティスト: 是巨人,コレキョジン,Korejyojin出版社/メーカー: 磨崖仏リミテッド発売日: 2012/02/15メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログを見る

なぜいま人類史か

渡辺京二氏の講演集。第一章はなんだかなという感じだけど、その後はのちに書物になる議論の前身となる議論が、著者の口からストレートに語られる分だけ面白い。 誰が言っていたのかでしょうか。戦前の右翼が言っていたのです。大アジア主義者がこういうこと…

涙の太陽

ふとしかきっかけにこの歌のことを思い出してしまった。最近はこういう和洋折衷な感じの曲を聴くのがとっても面白い(ヴェンチャーズや寺内タケシを知ってるとさらに楽しくなります)。しかし、私がはじめて聞いたのは、英語版と日本語版のどっちで誰のを聞…

ヴェイユとジャンヌ

最近、ヴェイユ本がいろいろと出ているが、図書新聞の特集で今泉純子氏がインタビューでヴェイユの「無行為の美徳」について論じているのだが、ちょっと否定神学っぽい気もするけど、ここにドライヤーか、すごく納得してしまう。 「無行為とは、自分がしたい…

永遠の吉本隆明

部屋を片付けていたら、以前買ったまま読まずにいたこれが出てきたのでざーっと読んでみたのだが言葉につまる。吉本を知らない人がこの本を読んで、吉本がどんな思想家か分かるのだろうか。それに「品詞というのは、とてもおもしろい現象で、どの言語にも必…

想定外

ネットでボックス・セットをあさっているうちに、初期のディランのモノ・ボックスに出くわして、当時、これは買わないことにしたのを思い出してしまった。しかし、ビートルズのモノ盤で味をしめてしまうと、ディランのモノ盤欲しくなるな。もちろん、輸入盤…

「想定外」

原発事故がらみで「想定外」という言葉を聞き飽きている人は多いと思う。あれ、ますます信用を失うだけなのに。ほかのことをやりながら、ふとこの物言いのおかしさがどこにあるか分かったような気がしたのでちょっと書いてみる。 施設にたいして耐震設計をど…

サム・クックをきっかけにBOXセットにはまりそうな気配(まずい)

極力BOXセットは買わないという方針できたのだが、RCA時代のサム・クックの音源がすべてCD化されるということで、チェックをはじめたらいろいろなブツにひっかかってしまった*1。 Sam Cooke RCA Albums Collectionアーティスト: Sam Cooke出版社/メーカー: R…

企業の刑事責任

誰もが疑問に思いながら表だって口にされることがなく、マスコミも決してとりあげない特集が組まれている(マスコミ自体が一連の報道上の責任を問われてよいと思いますが)。しかし、せっかくこんな特集を組むんだったら、かつて、水俣について津田さんがや…

今日のサンソン

やはりこういうときは被災地からの葉書を紹介するのに徹して余計な能書きは垂れないと。そして、「希望という名の光」のこの日のための新録。黙祷は無音にして欲しかったがラジオでは無理なのだろうな。あの日の記憶は、ジョンが死んだ日のように、自分は一…

果てなき路

映画内映画って感じなのだが、とにかくこれも絵がキレイ。はじめて見たけど(まあ、20年ぶりぐらいの作品らしいから)、モンテ・ヘルマンって凄いシネ・フィル。引用されてるなかに知らない映画があったのがくやしい。もっと、昔のハリウッド映画を見てお…

市川実和子

プリンターのメンテやってたら午前中がつぶれてしまった。しかし、その間にラジオでかかっていたこの曲たちはとってもよい。あらためて小西康陽のセンスと、必ずしもうまくはないのだが市川実和子のちょっとハスキーな声と調子がとってもいい。フルに一枚ア…

実践の中のジェンダー

この本の醍醐味はこういうやり方もあるのかと思わせる後半の議論にあるな。法学者がどんなリアクションを示すのかとても関心がある。ところで、マッキノンはもう一度読みなおしてみた方がよいのかなと思う一方、そうするには、この間、自分が随分遠いところ…