2011-01-01から1年間の記事一覧

マデリン・ペルー

ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法(初回プレス盤)アーティスト: マデリン・ペルー出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2006/10/25メディア: CD クリック: 4回この商品を含むブログ (13件) を見るしかし、この邦題なん…

「上流諸階層における相互行為」

まだ、うまく消化できないので『社会構造とゼマンティーク1』の続き。ルーマンは、この過程におそらくはギアツを意識してinvolutionという語を当てているようですが---。 宗教、政治、専門科学、経済、家族生活が除外されることによって、相互行為という社…

The Art of Conversation

The Art of Conversation作者: Peter Burke出版社/メーカー: Cornell Univ Pr発売日: 1993/12/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る ルネッサンスのイタリアにはじまり、17世紀フランス、18世紀イギリスで展開していくArt of Conversat…

社会構造とゼマンティーク1

で、次にこれを読むとこうしたて内閉化していく過程が分かる。「とくに宮廷や上流社会での生活にかんする同時代の文献からは、上流階層における行動がますますコミュニケーションとしてのみ考察され、分析され、洗練されるさまが、明らかに読み取れる」(89頁…

宮廷社会

17-18世紀の宮廷社会の社交的コミュニケーションの特質を考えるうえでは、まずエリアスかな。もともと戦場に赴く貴族がいわば国王のおかざりとして宮廷貴族化していき内部的に閉じた社会関係をつくり出すようになると。 これらすべての行為のなかに含ま…

人生、成り行き

をはじめ、談志の追悼番組をまとめてみる。やらねばならないことは山積みだが、1日くらいこんな日があってもよいだろう。この本、やっぱり、小さんを語るところが泣けるね。それから、無様な死に方をして本人も本望だったんじゃないかと思いますって、こと…

へーい、ベイビー。愛し合ってるかい?

汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革裘 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつ…

現代世界を読む

同シリーズ第4弾。「イメージ」や「スタイル」を現代社会と結びつけて取り上げるというのも面白いと思うのだが、そもそも「イメージ」って何よという話もあるわけだけど、マフェゾリの文章って以下同文。 「全体の意図は、われわれの目の前に描かれる「心象…

ジョージのドキュメンタリー

わりと近い映画館で朝一回だけやることになったのでラッキーと見に行った。前半は面白かったけど、後半に行けば行くほどジョージの精神性みたいなところに話が収斂していってちょっと。とくに最後の方のかみさんの語りとか。まあ、クラプトンとのエピソード…

永遠の僕たち

世間ではクリスマス・イヴに。ガス・ヴァン・サントってやっぱり好きな映画監督なんだなと思った。素敵な小品って感じかな。息子が出ていることもあるのか、デニス・ホッパーに捧げられている。

繭の中のユートピア

これも再訪。やはりついて行けない部分があるのだが、こっちの方が好き。「現代化とともに、商品化の貫徹、虚構化の浸透、疎隔化の徹底という過程が、恋愛を解体する力として働く」(76頁)。 第一に、商品関係が愛の関係の内部に浸透し、その条件と限界を形成…

小集団の時代

放り出してあった本をもう一度拾い出して拾い読みしてみるコーナー。主題は面白いし、関心を惹くトピックもあるのだが、マフェゾリの書くものって悪い意味で衒学的でおフランス的で読んでいて嫌になる。問題になっているのは、「ますます成長する群衆化と、…

ZAZEN BOYS

ふとしたことがきっかけで向井秀徳という人物に興味を持ち、そのユニットのライヴがあるというので行ってみたら、これが当たり。いやー、これスッゲー。これは、パンクなのか、テクノなのか、プログレなのか(イエスかザッパみたい)。演奏力も高いし、音楽…

エチケット

ゴッフマンを読む人はいても、ゴッフマンが資料に使ったエミリー・ポスト女史の『エチケット』を読む人はいないだろうな。ま、私も院生時代に古本屋で500円で拾うことがなければ、手にとってみることもなかっただろう。だが、ときどきひろい読みしてみると、…

値上げ

菅政権の置き土産、原子力損害賠償支援機構法が成立した時点で分かっていたことではあるが。 以下、「値上げ」の歌詞を掲載しておりましたが、JASRACからの指摘により削除いたしました。 ごあいさつアーティスト: 高田渡出版社/メーカー: キングレコード発売…

自閉主義のために

この本、どうしてもこの二つの分け方に違和感を覚えてしまうところがあるのだけれど、近代的な自己の構成の変容を考察したこの本の出版が1990年であるということを考えれば、やはり先見の明があったのだと言ってよい思う。ちなみにギデンズのアイデンティテ…

今日の朝日のコラム

で、星浩氏が、若年層の方が消費税増税に反対する人が多いことを指摘したうえで、「増税で財政赤字を減らす必要はない。インフレになって持てる者と持たざる者の立場が逆転するなら、その流れに任せればよい---。若者の間にそんな虚無感が生まれているのだろ…

冬のSIGHT

奇しくも、本屋に行ってこれを見つけた。「ロック評論家あがり」の編集者にこんな特集を組まれてしまっても、きっと大手マスコミはなんともないんだよね。ただ、この雑誌の作り方は、最近の安易な新書作りのやり方と同じだと思う。でも、もともと消耗品であ…

「社会のために役に立とうなんて、そんなことはまず考えないことです」

昨日、出先で見かけてしまったので、ついつい買ってしまう。ぱらっとめくったら、こんなことが書いてあった。 人間というものは、何も社会から必要とされるとか、社会のために役立つとか、そのために生きてるんではない。せっかく生んでもらった自分のこの生…

カオスなんか存在しない(ジャクソン・ポロック展)

こんな日はどうしたものかと考えあぐねた結果、いつまでも行けずにいたジャクソン・ポロックを見に行くことにした。これだけ見るのはもちろんはじめて。初期の絵は、面白いと言えば面白いけど、これどこかで見たことがあるよなという感じの絵がもっぱら。で…

怒りをこめて

PILの一枚目を聞く。しかし、日本語解説(1994年)の「限定された公的イメージ」というバンド名の理解にはアタマを抱えたくなる。Public Image Ltd.とくれば、まず「パブリック・イメージ会社」と受け取るが素直なんじゃないかな。もちろん、「パブリック・…

柳家小三治独演会

こういうときは落語落語と思って楽しみにしていったのだが---。「千早振る」に「茶の湯」。爆笑している方もおられましたが、マクラも短めだったし、残念ながら噺の方でも私はほとんど笑えなかった。とりわけ「茶の湯」はつっかえたり、言い間違えたりしてど…

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密

現実逃避のためには格好な作品かなと思ったけれど何にも残らなかった。私は、スピルバーグ最高の駄作は(全作品みてるわけじゃないけれど、これまた退屈してしまう『スター・ウォーズ』を作り続けた)G・ルーカスと組んだ『インディアナ・ジョーンズ』シリー…

技術って何?

ってことが気になったので、たまたま手近にあったフィーンバーグの本を拾い読みしてみたが、いかにもフランクフルト・シューレという調子と、大雑把な議論とで正直なところあまり面白くない。いずれも、冒頭は技術の道具説と自立的存在説、技術の決定論と自…

セラピー文化の社会学

この辺の知識を仕入れる本としては、議論も整理されていて分かりやすいし、面白い本だった。ただ、「強い自己」と「弱い自己」という対比が責任帰属の問題に重ねられているのはなんか違う感じがする。そもそも「自己」というものが弱いものだという考えにた…

歌謡曲とワールド・ミュージック         

今日、再放送の「ワールドミュージック・タイム」の選曲はよかった。昭和30年代の少なからずの歌謡曲って無国籍調でとてもモダンな感じがして面白いのだ。考えようによっては、当時の方が、ずっとわれわれはワールドミュージックと接点があったということ…

監督失格

こんなプライヴェートなことプライヴェートなまま映画にしちゃっていいのと思いつつも*1、このドキュメンタリー、とりわけ後半がスッゲー、それでラストはこんな風に彼女が戻ってくるのか(あるいは去っていくのか)と。それでアッコちゃんに「しあわせなバ…

マス・メディアのリアリティ

というわけで、再訪*1。結局のところ、5章にはじまるプログラム化の話は、冒頭で自己言及と他者言及の相互調整と言われていた話につながっていくということでよいのかな。 まず、「マスマディアは人が前提とすることができるような背景のリアリティを作りだ…

ジョージのドキュメンタリー

が、今週で終わってしまう。基本的に映画は映画館で見る主義なのだが、上映時間が3時間半、映画館の往復に2時間近くかかるとなると、息抜きどころか一日仕事になってしまう。さて、そこまでして行ったものか。やっぱりそんな余裕はないか。しかも、交通費…

電子メディア論

ルーマンの『マスメディアのリアリティ』を読んでもいまいちすっきりしないのでこっちを読み返してみた*1。この本、ルーマン本と同じ年に出てるんだな。いま読むとなんで最後にオタク論が来るのかよくわかる。ここで問題になってるのってホモ・ソーシャルな…