2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

原子力村と文学村

文芸時評での斉藤美奈子の発言。今月の文芸誌に多少は震災をめぐる言葉が載ったが、「多くはモゴモゴとした「文学的」な内省を語るのみ。文学の人は文学だけを追求してりゃいいんだよ、という態度は「文学村」の内部の言葉である点において「原子力村」と同…

近代の帰結

こっちも読み返してみたよ。単純な話だなと思いつつも、当てはまってる部分もあったりもする。しかし、そもそも、この本の構成どうなってるのか、まともに筋のとおった話として書けてるのかどうかとても疑わしい。そして、訳も疑わしい。まあ、ギデンズの英…

減災政策論入門

やっと手元にきたので、とりあえず一読した。知らない論点がいろいろ出てきて勉強になる。 これまで我が国は風水害を中心とした災害被害の劇的な軽減に成功しながら、他方で近年では災害の低頻度・公費外貨および複雑化・多様化という現象に直面している。同…

究極の選択

今回のサンデル教授の議論の道筋は大変苦しいものではあるまいか? http://www.nhk.or.jp/harvard/ http://twitter.com/wago2828 詩ノ黙礼

『親愛なるQに捧ぐ』

今日、このアルバムを引っ張り出して聴いてみるのは悪くなかろうと。七曲目「下宿屋」が高田渡のことを歌ったものではないかと気づいたのは、この曲を始めて聴いてからかなりたっていたかもしれない。誰のことだろうと思って、それをバックのギターの調子と…

G・H・ミードの社会理論

ミードおよびその周辺を丁寧においかけた社会学説史、ないしは社会思想史といった趣き。労使紛争の話など読んでいると、当時のアメリカのビジネス・エシックスの議論とどう重なるのか、あるいは重ならないのか、そんなことをもう少し突っ込んで知りたくなっ…

『ゼミで学ぶスタディスキル』

これもいただきもの(ありがとうございます)。いまや大学のゼミや講義でこんなことまで教えなきゃいけならないんだよなと思いつつ、自分なりに試行錯誤してきたやり方があり、この本を読むと、やっぱりみんな同じところで苦労してるのねという気分になる。…

『脳科学とどうつきあうか』

ときどき顔を出していた南山大学の社倫研から刊行物を送っていただけるようになった。ありがとうございます。この冊子のもとになったイベントは行きたかったけど、スケジュール上行けなかったものなので、こうやって読めるのはとてもありがたい*1。これ、学…

危険社会

この本のサブ政治の話とか読んで、教えてもらったこのサイトとか見ていると、暗澹たる気分になる*1。コメント欄を見るとさらに---。 「政治家はー特に選挙においてー決定権力を有しているかのように装わなければならない。そして、彼らはそれがつくり話であ…

トスカーナの贋作

キアロスタミの新作。講演者がいない講演者席に、講演者が遅れてあらわれオリジナルとコピーというありがちな話を始め、その講演者と一緒に出かける機会をもった女の車には前方の風景が映り込み、前作『10夜』を思わせるようなところもありつつ話が進み、カ…

180°SOUTHないしはトウキョウソナタ

子どものころ世界地図を見ているとチリにパタゴニアってところがあって、この世界の最南端の土地はどんなところなのだろうと思っていたのだが、そこの映像を映したドキュメンタリー*1。自分がたり風の構成はちょっとあれだけれど、パタゴニアの自然は壮観。…

リスク論のルーマン

やはり、おさらいしておくべきかと。ルーマンは、リスク/安全という区別を採用する代わりに、リスク/危険という区別を採用して、リスクを決定にかかわる帰属先の問題として扱う。やはり、これは、現状を鑑みるときリアルだな。 リスク/安全という区別が用い…

拒食の喜び、媚態の憂うつ

再訪(なぜかはわかるでしょう?)。この本どれだけ読まれ、どんな評価を受けているのかまったく知らないが、そしてタイトルからしてそんな本だと思われないかもしれないが、近代における自己の「かたち」の変遷を考えるうえではけっこう面白い本なんだよね…

SIGHT5月号

正常だから鬱になる編 うつ病の本っていくつか読んでみたけれど、どうしても病態と治すという話が中心になってしまっていて社会に戻すという発想が希薄*1。でも、発病者は多くの場合、一定の社会環境、それも多くは職場で経験してきたことをきっかけに発病し…

カンディンスキーと青騎士

いまのうちに行っておこうということで金曜の夜。あら、がらがら。こっちもカンディンスキーの絵がそんなにあるわけじゃなくて、そういう意味ではものたりないのだが、他の仲間の絵がよかったりする。そもそもカンディンスキーの絵をまとまってみる機会なん…