2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

現代議会主義の精神史的地位

懐かしき社会思想社版。この本、別の訳本で持っているような気もするのだが、目次を見ていたらとてもよみたくなって、値段も馬鹿高いわけでもなかったので購入し、とりあえず頭の方をめくる。 そうだよね。カール・シュミットは議会主義と民主主義が相容れな…

いまなぜ精神分析なのか

はいまいちわからないけれど、精神分析がおちぶれていく現状にあらがいたくなる事情とそこまでにいたる精神分析の流れがよく分かる。非常に簡潔だが、フロイト、対象関係論、ラカン派、コフートの位置関係もわかりやすい。でも、アンナ・フロイト、エリクソ…

SIGHT

前回は目次を見て読む気が失せたのだが今回は玉石混交ではないかと。しかし、そろそろ田中秀征に喋らせるのはやめた方がいいんじゃない。一番、読み応えがあったのは、それをどう評価するかも含めて湯浅氏の発言と保坂×小熊対談かな。現場と行政をどうつない…

若松流映画作法

基本的には、近年の作品のメイキングをつないだもの。何よりも印象的だったのは、若松監督の寺嶋しのぶへの評価と、寺嶋しのぶの若松監督を初めとする若松組でやることの快感や監督への評価が見事に符合していること、作品事に井浦新の発言が変わっていき、…

生き抜く

震災関係のドキュメンタリーはなるべく見るようにしているのだが、南三陸町の人々の有り様を一年をおいかけたこの作品はテレビ局制作とは思えないできばえ。いやー、見入ってしまった。

まなざしに管理される職場。

欧米や日本では、職場のメンタルヘルスが社会問題化している。それは、しばしば、グローバル化やIT化にともなう過剰労働やストレスによるものだと説明されてきた。しかし、本書によれば「その隠れた背景に、1980年代後半からはじまった日本的経営の世界…

政権の正統性と政策の正統性

自民党が数のうえでは圧倒的な勝利をおさめたといっても、それは選挙制度上の正統性なのであって(なによりも単純多数で決まる小選挙区制のおそろしさ)、投票率と得票数を見れば、必ずしも自民党が全面的な支持を得たわけではないということは数字を見れば…

和辻哲郎

予想的中というべきか、残念ながら中身が薄いと思う。和辻の倫理学は、あの『倫理学』には退屈な部分も多いけど、いまだに検討に値する内容が含まれているし、だからこそ、批判する意味もある。そういう意味では、熊野さんに期待しすぎてがっくり。やはり、…

和辻哲郎

前半読んでみるに、伝記にからめて和辻倫理学を論じるというスタイルで、どうもエッセイ風な話で終わりそうな予感がするのだが(とくにサブタイトルが不安を煽る)、それが外れることを祈りたい。しかし、原稿が書けないのはオレのせいじゃない。といっても…

ことばの起源

やっと読了。進化論使いまくっていかがわしいところもありつつ、面白い本だったと思う。しかし、再版の予定はないのか。アマゾンは高すぎる。 より大きな可能性として、自己宣伝が重要な要因だろうという説のほうが残る。実際にも人々の会話を分析してみると…

我に撃つ用意あり 寝盗られ宗介

前者、70年安保というか新宿騒乱事件をこんな風に反復するのね。ありがちなストーリーだが役者はそろってる。しかし、変わってないと思ったがみんな若い。後者、いやー富士山からはじめてこういくのね。イマドキ想像もできない旅芸人一座。原田芳雄がかっ…

クリスマス・ソングと言えば

私はもっぱらクリスマスとは無縁な暮らしをおくってきたので(でも、子どもにはクリスマスがあった方がよいと思う)、クリスマスと言えばクリスマス・ソングのことであり、クリスマス・ソングといえばこれだったはず。もちろん、ポールのもあるし。名盤と言…

ZAZEN BOYS

新作ひっさげてやってまいりましたぞ。客も去年より多いぞ。エンターテインメントも増えたし。ところで、世の中には壊れた人というものがおります。迷惑しております。私もそのいっかくをなしているのかもしれませんが、世の中、壊れているというより壊れた…

ことばの起源

この本、面白い。が、なかなか読み進められぬ。本来10月アタマに読了していてよい本だ。ま、この間に起こったことを考えればしばらくはリハビリ期間と感受せねばなるまいか。しかし、早く調子戻さないと原稿が---。 本当の飛躍的な進歩は、完全に発達した…

水のないプール

映画館では初めて。「これは政治である」。おしゃっるとおり。今の私にはちょっと他人事ではないところもあるのだが、なによりも内田裕也のあの不適な面がたまらない。70年代の若松作品見てると、すごく研ぎ澄まされてる感じがする。それは、同時代を捕ら…

鏡像段階

予定変更して、おさらい。 主体という構造という観点にたつとき、鏡像段階は発達の基本的時期を画するものである。すなわち自我の最初の輪郭を形づくるということである。実際、幼児は、同じ姿をした人間の像や自分の像のなかにひとつの形態(ゲシュタルト)…

東京電力(株)が送付してきた賠償金ご請求書(「自主的避難等に係る賠償」)について

http://blog.goo.ne.jp/tossnet/e/f2578a8981bebb598b780c07ddaf76de 東京災害支援ネット(とすねっと)のサイトから。 http://www.facebook.com/genpatsuhigai.shutoken.bengodan 福島原発被害首都圏弁護団のフェイスブックから 緊急(拡散希望) 区域外避…

青木野枝展

むりくりして豊田もいったぞ。しかし、二ついった収穫は充分あったな。彼女の彫刻って、ある系列は一種テントみたいな形状をしていて、外から見た印相と内側から見た印象がまったく違う。しかも、彼女の昇ると降りるという感覚と、こちらが昇るとか降りると…

和辻哲郎

やっとこれを入手。なんでわりと新しいはずの新書一冊見つけるのにこんなに何軒も本やまわらなきゃならないんだろう。アマゾンあたりで買った方がずっと早かった。和辻哲郎―文人哲学者の軌跡 (岩波新書)作者: 熊野純彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009…

完全なる飼育 赤い殺意

これは公開時に見ていたな。しかし、今見ると、コレまさに昨日書いた世界が壊れてるって話でしょ。でも、やっぱり先週のうちにもっと見ておきたかったな。でも、無理だったんだよ。

エンドレスワルツ

阿部薫を主人公にした映画、これもそうだけど、若松作品ってなんか学生運動が終わった後のという雰囲気を色濃く感じさせるよね。ところで、デリダがでてきたぞ。今日買ってきたナンバーガールかけてたけど*1、映画の内容反芻したら、なんかぬるい気がしてき…

アウシュヴィッツの残りもの

再訪。この本の記述がより身近なものとして読めるようになっていることを確認するために。 重要なのは、この二つを混同してはならないということ、法律が問題のすべてであろうとしてはならないということである。真実には法律とはかかわりのない内実があり、…

A friend in need is a friend indeed

やはり、こういうときは基本にもどりましょう。信じて裏切られるのと、あたまから人を信じられないのとでは、自分の人生にとってどちらが好ましいだろうか。見方を変えるとはっきりするが、やっぱり、さびしいのは自分を信じてもらえないときだよね。このい…

テロルの季節

昨日今日と若松孝二が亡くなるなんて思わずに、そしてくだらない話にここまで足を取られると思わなかった頃に(くそ食らえって)買ったチケットを消化している。しかし、いずれもそれだけの価値はあったと思う(他に逃したものもあるのだが))。前者、あり…

星の息子(燐光群)

ひとつだけ

年末恒例と願いたい、矢野顕子さとがえるコンサート。今回は清水みち子と共演。え、アッコちゃんとみっちゃんと思ったのが、これが以外にもとても楽しいコンサートなのだった、アッコちゃんがケイト・ブッシュのまねしたり。とはいえ、なによりもアンコール…

青木野枝展

いやー重い体を引きずって名古屋市美術館分は行ったぞ。うまく言えないけど、彼女の彫刻が作りだす世界というのはなんだか楽しいな。豊田市美術館分も行けるだろうか? http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2012/aoki/ http://www.museum.toyota…

「イギリス人は選挙のときだけ自由になる」

と、かつてルソーは言ったわけだが、選挙になると投票しようという選管のキャンペーンが始まり、しばしば「ジャリタレ」*1を起用した「投票しよう」という呼びかけが行われる*2。ネットが普及してから以前よりもそれが増えて目障り。また、それと同調するか…

合衆国最後の日

昔ながして見ていたけれど、改めて真面目に見なければというハリウッドの監督はフォード、ホークスはじめいろいろいるのだが、さらに抜いてみてきたアルドリッチ、久々の一本ではものをいうのは難しいのだが、ちゃちなセットはともかく、俳優の演技はみせる…

賃金の下方硬直性なんて話はとっくに過去のもの

バーナンキが失業率とゼロ金利を連動させた本日*1、朝日朝刊のクルーグマンのコラムによれば、米国は不況下にあえいでいるのに、企業利益は記録的な高さを誇っている*2。それは、国民所得に占める企業所得の割合が増える一方、賃金など労働者への報酬が減っ…