2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ベイトソン考

ベイトソンの有名な議論に対称的/非対称的という区別がある。そして、ベイトソンがアルコール依存症のようなケースを論じるときに言及するのが対称的な関係である。つまり、アルコール依存症患者が出て来るような家庭では、たとえば、酒を我慢できない夫をな…

ジーン・クラーク

ジーン・クラークのアンソロジーがなかなかよいといってもどれくらい話が通じるのかしら。とりあえず、バーズのオリジナル・メンバーだった人です。Flying Highアーティスト: Gene Clark出版社/メーカー: Ume Imports発売日: 1999/04/27メディア: CDこの商品…

自己の修復

このあたりはいわゆるアイデンティティに関わる問題だと言ってよいと思うが、 さらに、自己が連続しているという感覚、つまり生涯を通してわれわれは同一の人間であるという感覚はーわれわれの身体と精神の変化、人格構造における変化、われわれが生活してい…

自己の修復

人間の攻撃性は欲動の一部をなすと考えられているが、「心理的現象としての人間の破壊性は本質において二次的である、と私は信じている。つまり、破壊性は元来、自己ー対象の環境が、適量の共感反応を求める子供の要求に応じることができなかったために生じ…

志の輔落語

志の輔の、とりわけ新作を聞くとき、きっとこの人ってとても繊細な人なんだろうなと思う。まず、どうしてそんなとこにこだわるかというとても細かいい、しかし、指摘されるとあっと思わせるようなところに目をつけて、そこからさらに細かく掘り下げられてい…

岡林信康

最新号のレココレには岡林信康インタビューが載っている。メインの特集はポールなのだが、最近、主流になってきたここまでマニア向けのセットにはつきあいきれない。しかし、このライブ盤自体は欲しい*1。レコード・コレクターズ 2013年 6月号出版社/メーカ…

孤独な天使たち

予定が狂ってベルトリッチの新作へ。小品だがベルトリッチという感じ。引きこもり気味の少年が、1週間ひとりで地下室でこもった暮らそうというところに、闖入者、ヤク中の異母姉がやってきて展開する密室劇、で結末はといえばなんとなく予想がつきそうなもの…

柳家喬太郎独演会

たまたまチケットをいただいたので初喬太郎。前座でさん弥さんはなにやったけ。マクラは思い出せるのに。あ、「雛鍔」だった。で、喬太郎師匠の方は、中入り前は「転宅」、中入り後は新作「稲葉さんの大冒険」というのかな。話す調子はいいけど、この人、純…

自己の修復

コフートは臨床状況でおこってくる二つの不安を区別している。そして、こららは長期間にわたる共感的没入によって区別できるようなものだという。そして、無意識を意識化することによって、自己の崩壊をくいとめようとする。このとき、被分析者の心的負担と…

山口晃展

さて、私が山口晃という名前を知ったのは私も無縁とはいえないとある業界に同姓同名の人がおり、ちょっと混乱したのが最初で、その次は某国営放送の10分番組で「電柱は面白い」とやたらと誉めていたからである。で、私はまったくその感覚に同意できてしまっ…

自己の修復

これはよく分かる考え方。 私がここで示唆しておきたいことは、われわれは、おそらく意外な出発点から、つまり、人間環境は生まれたばかりの赤ん坊に対してすら、あたかも自己が形づくられているかのように反応するということを強調することによって、乳児期…

古今亭文菊独演会

三三の独演会のゲストで「あくび指南」をやって先代の文治さんを思わせるような独特のフラがあって面白かった。これはきっとこの人の十八番(ここはオハコと読んでください)になるのだろうと思った。とすれば、独演会にも行ってみたいのが人情。でも、どう…

自己の修復

この部分とか、前著との関連性をうかがううえで参考になりそうな一節かな。 欲動固着ならびにそれと関連した自我の活動が生じるのは、自己の弱力化の結果である、といえる。反応されることのない自己はその原始的誇大性と、全能的自己-対象への融合という原…

自己の修復

この本では、前著と比べて概念がいささか変更されている。こちらの方が分かりやすい感じがする。とりあえず、自己愛パーソナリティの中心的な病理は。 ①子供時代に獲得された自己の心理構造における欠陥、 ②同じく子供時代の早期につくられる二次性の構造-形…

矢野顕子、忌野清志郎を歌う。

結局、行ってしまった。しかし、遅れてしまった。「多摩蘭坂」からだった。驚いたことに岡林信康がゲストで共演して4曲歌った。やっぱり、あっこちゃんの世界はあっこちゃんの世界で、私は清志郎、矢野顕子を歌うも聞きたいなと思う一方、「26歳の秋」にはじ…

デイヴィッド・ゲイツ

これですな。The Early Years 1962-1967アーティスト: David Gates出版社/メーカー: Rare Rockin Records発売日: 2013/03/26メディア: CDこの商品を含むブログを見る恋のドライヴ・イン~デヴィッド・ゲイツ初期作品集1962-1967アーティスト: デヴィッド・ゲ…

山下達郎@フェス

じぇじぇじぇっ。なんと、くじ運の悪い私が山下達郎の新しい大阪フェスティヴァル・ホールのこけら落とし興行に当たってしまった(これで運を使い果たしていませんように)。というわけで、大阪である。もっとも、大阪駅とホールを往復しただけで、ちっとも…

春がいっぱい

ヴェンチャーズは毎年来日するのに、なぜか日本ではあまり人気のないシャドウズである。デッド本とならんでたまたまベスト盤を見つけたので即購入。シャドウズと言えば、あまりにベタではあるが、「春がいっぱい」である。ある意味、私にとってギター・イン…

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

その昔、アメリカで最大の観客動員数を誇るバンドがグレイトフル・デッドであることを知って驚いた。アメリカのTVドラマに、たしか刑事物にやたらとデッド好きというキャラクターがいたり、ERの最初の方の回でジェリー・ガルシア(本人?)が出てたりして、…

ジェフ・ベック レス・ポール・トリビュート

ジェフ・ベックのロックンロールへの深い愛が感じられるライヴ盤。ライヴ・アット・イリディウム~レスポール・トリビュート・ライヴアーティスト: ジェフ・ベック出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン発売日: 2011/02/02メディア: CD クリック: …

新版 夜と霧

続けて、改訳版のフランクルの『夜の霧』。前の版とはだいぶ内容が違っているらしいということで。ナチの収容所生活をおくったフランクルは被収容者を「無期限の暫定的存在」と呼ぶ。「(暫定的な)ありようがいつ終わるか見通しがつかない人間は、目的をも…

ヨブ記

部屋から『ヨブ記』が出てきたので読んでみた。内容は多分、いろんなところで紹介されているが、旧約聖書のなかでも読みやすいし、もっとも面白く、それだけ考えさせるものを含んでいるものだと思う(ただし、わたしはそれほど聖書に明るくありません)。 ヨ…