2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

マスターソン『青年期境界例の治療』

「見捨てられることによって生じる抑うつ」と「自己愛的-口唇期的に固着した自我構造」から境界例を説明するマスターソンのモデルを概観。あとはカーンバーグなんだけどどうしましょう。 青年期境界例の母親は自分自身が境界例症候群にかかっている。 彼女が…

鈴木茂『境界例VS分裂病』

この本の序章を読むと、木村敏教授、中井久夫助教授時代の名市大精神科の様子がよく伝わってきてとても興味深い。あ、もちろん中身も読みましたよ。境界例についてのいくつかの興味深い記述を抜粋。 まず、境界例の基本線を確認しておくと、 DSM-IIIその他で…

クルーグマン『格差はつくられた』

オバマ大統領が実現しようとしている医療保険改革、いわゆるオバマ・ケアの支持がなかなか得られないということが報道されていた。ボクが見たニュースでは反対派の方が少し多かったし、たしか、賛成43%/反対49%(でも、どこのメディアがどのようにサーヴェ…

斎藤環『母は娘の人生を支配する』

しばらく前に、看護士をしている知人から親子で同じような格好をしてる母娘(しばしばママの方がいけてたりする)の家庭は、問題を抱えていることが多いという話を聞いたことがある。それ以降、母娘親子連れのファッションがやたらと気になるようになってし…

レイチェル・シモンズ『女の子どうしって、ややこしい!』

この本、面白いし、よく分かる。問題の中心は、簡単に言えば、女の子は、男の子と比べて、原則として常に「よい子」でいることを強いられていることにある。たしかに、考えてみると「女らしさ」に結びつく徳目は、ほぼストレートに「よい子」であることにつ…