舞台
ここのところ遠征できずにご無沙汰だったが久々の地点。『忘れられた日本人』なら宮本常一でしょうが、これは「忘れる日本人」。もちろん宮本常一を意識しているでしょう。舞台の真ん中には大きな木像の船があります。回りは糸で囲ってあり、内と外は別の空…
前座で柳家小かじ「出来心」、三三「加賀の千代」、一之輔 「鰻の幇間」で仲入り。一之輔「堀の内」、三三 「唐茄子屋政談」。個人的にいちばん面白かったのは、一之輔「堀の内」。このシンプルな話、どう演じるかというのは見物で、短い中に埋め込んだ一之…
前に見たのが見世物小屋シリーズの作品で今度は劇的舞踏シリーズというわけですね。で、バレエの世界でいろんな演出で取りあげられてるようだけど見たことがない『ラ・バヤデール』を、しかも大ホールで上演する。というわけで、しばらくご無沙汰だったからN…
マクミランの振付、で是非いちど見たいと思っていた英国ロイヤルバレエ団である。でも、『ロミオとジュリエット』かと一瞬おもってしまい、プティパの『ジゼル』も気になるけど、『ジゼル』は『ロミオとジュリエット』の応用編みたいなものだしと、やはり基…
三遊亭圓朝作 「塩原多助一代記〜青の別れ」 一年ぶりに見た歌丸さんは以前よりもやせており、滑舌も前のようにはすんなりいかないようでしたが、やっぱりこの語りの調子はお見事という他はない。ご自分でもおっしゃっていましたが、名…
年末にフェスティバルホールで「芝浜」というのも悪くないか。志らくは年末に「芝浜」かけないみたいだしと思っていたら、行けなかったけど鎌倉でかけて、名古屋でもかけて二つを比較することになった。談春は、テレビで活躍していることもあってマクラでも…
東京公演の保険に買った名古屋公演。ここでは、毎度の地方公演にありがちな、東京バレエ団の二つの作品と挟むかたちで、ギエムの「two」と「ボレロ」が用意されており、プログラム的には「ライフ・イン・プログレス」とは格段の差。とはいえ、東京バレエ団の…
志らくのこの会に来るのは、3度目で、最初の3年間は「芝浜」を演るという約束で始めたけれど、去年はその縛りがとけたからリクエストを募って演ることにしたら、また「芝浜」になったという翌5年目である。「芝浜」をやらないせいか当日券も出ていた。私の悪…
春の祭典、この舞台を見ながらまずなによりも感じたのは気持ち悪さだ。舞台を見て気持ち悪いと思ったのは、ベジャールの「ボレロ」ぐらいだろうか。はじめから女性のダンサーの胸はゆれ、尻をつきだすポーズをする。でも、ちっともそそられない。ここに現れ…
砂の敷かれた舞台の上に照明で前後に境界が引かれているらしく、その奥の明るい部分が室内ということのようだ。この室内に人が集ってきて、幼児を床に寝かせるもっとも、それは人間というよりは人形あるいは死体のようだ。最初3人だった室内に後から二人が…
私にとって、コルネイユと言えば、名前は知っていてもモリエール以上に具体的な作品は何も知らない、フランスの劇作家である。これはモリエール同様、わたしの無教養を証しだてるようにたたずんでいる古典フランス演劇の世界の一角である。で、その現代版で…
はじめに春風亭一蔵「のめる」。これは久々に聞いた。それから、三三さんが出てきて、「釜泥」に「居残り佐平次」。「釜泥」って設定が不自然であんまり面白い話じゃないと思うけど楽しめました。「居残り佐平次」を中入り前にやるとは思わなかった。わりあ…
前半は、「大忠臣蔵」というわけで、「仮名手本忠臣蔵」の紹介。斧定九郎の一人のためにここまでしなくてもと思うというか、それぐらい聞き手が分かってろと思ってしまうのだが(あ、志の輔さんは言わなかったけど、この「斧」は「大野」からきてますからね…
前座を立てずにいきなり「バールのようなもの」、「お菊の皿」。中入り後に「ねずみ」。「バールのようなもの」は以前こんなに「やかん」みたいな感じだったかなと思わせる、新しいヴァージョン。「お菊の皿」は久々に聞いた。こういうのって落語らしくて好…
久々に行ってみた昇太独演会。開口一番は「転失気」、この人のしゃべりぐせちょっと耳障り。でも、後から思うと師匠と似てるところもあるな。で、その昇太師匠の方は、「二十四孝」と「品川心中」、中入り後に「不動坊」。なんとすべて古典だった。中入り後…
この口演、いったい何回つきあったんだか分からないけど、一体最後はどうなるのか気になったので行ってみた。今回はふつうに前座をたてて、開口一番は春風亭正太郎の「言助魚」。で、前半の二席は「たがや」に「小猿七之助」、いずれもマクラは軽く振るだけ…
前座が「つる」、二つ目がはしょった「錦明竹」。二つ続けると前座と二つ目で語り口のリズムが違うのがはっきりするな。でも、この二つ目の志のぽんさん、声の通りが悪いから、ホールでやるにはもうちょっと工夫が必要かなと。 で、志の輔は「猿後家」と「徂…
仕事で遅れていったので残念ながら米朝師匠の思い出を聞くことができなかったけど、それをマクラにやったのが「山号寺号」に「巌流島」。で、「井戸の茶碗」。多分、2回目だと思うけど、談春の場合屑屋の組合でというような話は飛ばしてしまうし、もともとは…
名古屋では初見。これは七ツ寺共同スタジオがふさわしい作品だと思う。終演後、スタジオを出たら、坂手さんの他に天野さんもいました。なんど見ても、多分、三回目だと思うけれど、この舞台っていわば写像変換のような展開になっているのだと思う。なにしろ…
今日は、スマホをネタにした「スマホチュウ」、新作「高瀬舟」、お馴染み「抜け雀」。志の輔 らくごBOXアーティスト: 立川志の輔,きたろう,室井滋,安藤優子,江川卓,堀内孝雄,内田勘太郎出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2003/04/23メディア: CD クリ…
体制を越えて、いやその都度の体制と寝ることで生き残った俳優クルト。とにかくみごとにいくつもの芝居が組み込まれている。そもそも、冒頭に「ハムレット」を置く時点で、ある意味、クルトに突きつけられた問いは明瞭だが彼は最後までそれに答えることはな…
開口一番に鈴々舎馬るこの「大安売り」で、三三さんの「権助提灯」「締め込み」と久々に聞くネタ。中入り後は『文七元結』。最近、『文七元結』聞いたばかりなのに、なんか全然印象が違う。いや、これが普通なんだな。先回聞いたのは立川談春のだった。ここ…
今回かけたのは、「夢金」と予告されていた「文七元結」。両方とも以前聞いたことがある噺だが、とりわけ「文七元結」はかなり変わっていたというか、この人のある種の部分のらしさが以前にもまして強く出るようになっていると思う。 談志が亡くなってこの2…
説明するとすごく当たり前な感じになってしまうのだが、コンビニを舞台にして、店長、バイト、客、本部の社員がそれぞれ戯画化して描かれていくのだが、実際、コンビニを舞台にして日々おきている出来事自体がとても戯画的である。それをつきつめていくとき…
最初に弟子のらくぼが「権兵衛狸」。まだ、田舎者のしゃべり口調はイマイチだな。しかし、これ「らくだ」の伏線になってる。で、志らくの中入り前は「やかん」、これ談志門下ではほかに誰が演るんだろう。志らくとしては、談志の継承というのはこの辺りにあ…
人間国宝になった(からどうだってんだ!)小三治は、「宿屋の富」と「天災」。もちろん、自分が人間国宝になったことなど一言もふれず、残念ながらマクラは短め。でも、じっくり語ってくれたという感は十分に。そして、あの小三治のとぼけた感じもまだ健在…
柳家三三独演会へ行ってきた。ゲストが三遊亭白鳥だというのも気になった。一度聞いて見たいと思っていたのです。でも、会場がいつもより広いのでどうなるかなと思ったら残念ながらやはり空席が目立った。 前座で春風亭正太郎が「棒鱈」。結構受けてたけど、…
自分が、この時期、どれほど忙しいことになるかなどつゆも考えもせず、地元でも同様の興業があるということも分からないまま、「芝浜」の例もあるし、これは大阪フェスじゃないとやらない興行だと思って二日分とも購入。先週末も出張でつぶれてるし、今週、…
本日は、立川談春独演会である。仕事の疲労プラス寝不足で、アタマがぼーっとしそうになりつつもなんとか遅れず会場へ。おしゃべりのうるさいうしろのお婆ちゃんを注意して、周囲の暗黙の支持を受けたが、しばらくしたらうしろからいびきが聞こえてくるなか…
さて、フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリーを見て、やはり一度は見ておきたいと思ったパリ・オペラ座。しかし、お値段がスゴい。当然、一番安い席を買って、ルドルフ・ヌレエフじゃなくジョン・ノイマイヤー振り付けの『椿姫』を選んだ。 いや面白か…