第17章
「以上の議論を閉じるに当たって、この領域の問題へのアプローチといいまたその取り扱いといい、デュルケームとウェーバーとの間には驚くべき密接な対応関係があるという点を指摘するのは興味深いことである。もちろん両者の間には違いがある。ウェーバーは社会動態の問題にその学問的関心を傾注していたし、デュルケームはそうした問題に全く関心を示さなかった。こうした基本的な概念枠組の相違にも関わらず、両者が達した結論はほとんど同一のものであった。それは少なくとも二つの戦略的観点において認められる。その一つは、規範との関連で行為の動機を道徳的と非道徳的の二つに分けている点、もう一つは規範それ自体の性質(ウェーバーの正当性、デュルケームの道徳的権威)と、それを「表現する」(ウェーバーのカリスマ、デュルケームの聖)より広い要素とを区別しているという点である。両者の思想的出発点が、ウェーバーは歴史的理想主義から、またデュルケームは高度に自覚的な実証主義からというように互いに対極に位置していたことを考えればこうした両者の対応関係はまことに驚くべきことである。その上、両者が相互に影響しあったという痕跡はどこにも見られない。それぞれの著作のなかでお互いに参照を求め合っているような箇所はどこにもない。したがってこうした一致は、同じ部類の事実を正しく解釈したことに由来すると説明することができよう」。「最後に、こうした両者の対応関係は社会学主義の定理それ自体のみならず、その言明の方法にまで及んでいる」(p,48-9)。
「総じてウェーバーの立場は明白かつ根本的に行為の主意主義的理論のそれであって、実証主義的でも理想主義的でもないということである。このことがあらゆる本質的な点において事実であるということが明らかにされた。
まず第一に、ウェーバーの資本主義に関する議論、また資本主義とピューリタニズムの関連づけについての議論、さらにもっと一般的には宗教理念の社会的役割に関する議論、これらいずれもがこうした地平に立ってはじめて理解することができる。理念とそれに結びついた究極的価値、この二つのものが果たす役割がウェーバーの思考にとって根本的なものであった。しかし同じように根本的であったのは、こうした要素は決して自足的なものではなく、他の独立した諸要因と複雑な相互関係を形成しているという点である。遺伝や環境要因の独立性を欠落させたり、あるいは究極的価値や理念、異なった種類の規範といったものを相互に絡み合わせないでは、またそれらを遺伝や環境要因といったものに複雑に関連させないでは到底われわれが知っているような姿で、あるいはウェーバーが描いたような仕方で具体的な社会生活や行為を考えることなどできやしない。
第二に、ウェーバーの方法論について議論するなかで、彼の経験的作品をこのように解釈することが適切であるということ、この点が完全に裏書きされた。彼の主要な方法論的関心は、「自然」や意味の無時間的な複合体に関する側面ではなく、人間の行為というものを理解するために有意味となる科学的論理の側面に注がれている。さらに一層立ち入って、ウェーバーは次の点をも立証してみせた。すなわち、客観的な科学的知識という観念はその経験的主題が何であれ、行為の規範的側面と深く結びついているばかりでなく、その規範実現の障害となる現実とも固く結びついているという点である。科学それ自体は、価値関係という形で価値要素との関わりをもたないでは方法論的に根拠づけようのないものである。この関連なくしては、「意識の流れ」とは峻別される有意味なデータの確定的選択、したがってまた客観的知識の確定的選択は不可能になる。科学という観念自体がまさに行為を意味しているのである。さらに、こうした行為と科学との基本的な結びつきがあればこそ、科学的に検証することのできる内在的な目的-手段関係という意味での合理性の規範というがいったい行為のなかでいかなる位置を占めるのか、これを本研究の出発点としえたのでもあった。つまり、科学が存在するためには行為が存在していなければならない。そうしてもし行為の科学が存在すべきものならば、それはこうした意味における内在的な合理性という規範を含み込んだものでなければならない。実際行為の科学は、この点を中心にして旋回するに違いない」(p,68-9)。
「理念系はその主要な特徴として規範的な性格を持っているという点である」。「観察者は、行為者の行為を拘束していると思われる規範を一部手掛かりにしてその行為を理解するのである」(p,70)。
第三に、「少なくとも本研究が関わる範囲において、ウェーバー自身の図式のなかに行為体系の構造に関する完全な説明を見出すことができるという点である」(p,71)。
第4部 結論
第18章 経験的に検証された結論
「このようにしてその輪郭を描き出した行為の一般化した構造的要素は、三つの比較的よく境界づけられた集団に分けることができるように思われる。第一が遺伝と環境である。この要素は主観的には行為の究極的手段および条件として、また無知と「紛れもない」誤謬の源泉として立ち現れる。こうした要素は、主観に準拠することのない範疇を用いて科学的に理解することができる。こういった要素は、科学にとって与件を構成する」(p,121)。
「第二に、内在的な目的−手段連鎖の中間部門に包摂されるグループがある」。「この思想全体に共通する行為の合理性に関する一般概念によって定式化されているのが、技術的要素である。利害の調和という公準に依拠しts功利主義理論がその社会的平面において定式化したもの、それが経済的要素であった」。「最後に、強制力という要素はホッブズとともに功利主義理論の地平において古典的な定式化を施され、それ以降、利害の自然調和の公準が破綻するたびに多様な形態をとりながらその形姿を表した」(p,122)。
「三番目には、功利主義におけるランダムな目的といったものに還元できない限りにおいて、またしれが統合されたものである限りにおいてではあるが、究極的価値体系の周囲に集まっている要素群がある。それは既に示したように実証主義の伝統のなかから出現したものであり、その創発的な過程は実証主義の伝統が崩壊し、それが主意主義的な行為理論へと移行していく過程をも意味していた」(p,122)。
最後に、「それが「努力」と呼ばれる要素であって」(p,123)。
「第一の命題。ここで取り上げた四人の偉大な著作家たちの仕事を分析するなかで次第にその輪郭が浮かび上がってきたのは、すべてその本質的な点において同一の社会理論の体系、すなわち行為の主意主義的理論と呼ばれるものの構造的側面であったという命題」(p,123)。
「第二の命題。ここで取り上げた著作家たちに共通しているこの理論的範疇の一般化された体系を一つの全体として見た場合それは彼らが依拠してきた伝統からの離反を意味するにとどまらず、新たな理論展開を意味するものであったという命題」(p,124)。
「第三の命題。この理論体系の発展は、いずれの事例においてもそれぞれの著作家によって定式化された主要な経験的一般化と最も密接に関連しているという命題」(p,125)。
「第四の命題。行為の主意主義的理論が生み出されるための一つの主要な要因は、社会生活の経験的事実に関する正確な観察、とりわけこうした著作家たちがその論敵とみなした諸理論の提唱者によってなされた観察を是正あるいは補足することのうちにあるという命題」(p,126)。
「第五の命題。以上四つの命題に関する結論を一緒にしてみると、それが(特殊な事例に関するものではあるが)、序章で述べておいた科学的理論の発展に関する理論の経験的検証になっているという命題」(p,131)。
第19章 暫定的な方法論的含意
「本研究全体を通じて示唆しておいた認識論的立場は分析的リアリズムという立場である」(p,138)。
「その主要な特徴を備えた行為図式が用いられる水準には記述的と分析的という二つのレベルがある。理論が適用される具体的現象はすべて、その具体的意味において行為の体系として記述することができる。そしてこうした体系はいつでも諸部分あるいはより小さな下位単位に分解することができる。もしこの平面で十分な分解ないしは分析作業が行われるならば、最終的には単位行為と呼ばれるものに到達するだろう。これが、具体的行為体系の一部として意味を持つ限りでの行為体系の「最小」単位である。
この単位行為は行為の下位体系として考えられる究極的な単位ではあるが、行為理論の観点からすれば分解不可能な実体ではなく、依然として複合的なものである。それは、行為の「具体的」諸要素から成り立っていると考えることができる。具体的な目的、具体的な条件、具体的な手段、そして目的に対する手段の選択を制御している一つあるいはそれ以上の規範ーこういった完全な単位行為を作り上げるには、こうしたいくつもの具体的諸要素が必要になる」(p,139)。
「この準拠枠の主要な特徴がいかなるものかについて、その輪郭を述べておくことにしよう」。「まず第一に、構造的要素には、目的、手段、条件、そして規範という最小の区別がある。これら四つのすべてを特定化することのできないような行為の記述は意味がない」(p,140)。「第二に、これら諸要素間の関係づけのなかに行為の規範的志向。つまり目的論的性格が含意されている。行為はいつでも規範的と条件的という二つの次元を異にする要素の緊張関係のなかに置かれている」(p,141)「第三に、本来この準拠枠には時間的要素が含まれている。行為は時間を含んだ過程である。行為の目的論的性格に対応して、規範的要素と非規範的要素との間には時間軸が関わっている。目的の概念には将来への言及、つまり予期されてはいるが行為者の介在なしには存在しえないだろう事態が含まれている」(p,141)。「それは行為現象を記述し考察するために必須不可欠な論理的枠組みである」(p,142)。
「具体的現象をその単位や部分に分解するという場合、その科学的に有効な限界は準拠枠との関わりにおいて与えられる。行為理論においては、行為あるいは行為の具体的要素としてそれを考えることができるかどうか、ここにその限界が設けられている。この可能性を判断する主要な規準の一つは、主観的観点を援用することができるかどうかという点にある」(p,150)。
「具体的現象をこうした意味での単位や部分に分解することは抽象化の過程であるかどうか、と問うことができよう。当の現象が有機的なものであるかぎりはそう言ってよい」(p,150)。「抽象化というのは、部分への分解が進むに従ってより複雑な体系の創発的属性が次々と排除されていくということである」(p,151)。
「こうした比較という方法なしに、分析的要素の値が独立して変化するということを経験的に立証することはできない」(p,156)。
社会関係、パーソナリティ、集団
「行為のいかなる具体的体系であろうと、その変化の過程はー内在的な目的−手段関係によって定式化された行為の要素で説明できるものであるかぎりー体系内の行為者を拘束していると見なされる合理的規範の実現という方向に進んでいくことができる」(p,168)。
「まず第一に、科学的理論が外的実在に適用可能であるということで含意されているのは、こうした意味での経験的実在は事実的秩序に属しているということである。またその秩序は、ある意味で人間の論理的秩序にも属するものでなければならない」(p,171)。
「しかし第二に、科学的理論そのものは経験的な実在ではない。それは、経験的現象あるいはその一定の側面を理念的に表象したものである。したがってそれは、この事実に由来する限界をもっている」(p,171)。
「それは構成された実体であり、準拠枠によって規定された構成物である。したがって具体的実体を記述するという実在主義はこうした記述の選択性という要素によって緩和されざるをえない。第二に、こうした意味での記述は具体的体系の全体に対してではなく、その文脈から切り離された部分あるいは単位に対して適用されるものである以上、体系が有機的で創発的な属性をもつに従ってさらに抽象化の要素が加わることになる」。「最後に、分析的要素という概念のなかに抽象化の要素が含まれている」(p,172)。
「その体系が説明できるのは、ある準拠枠のなかに存在する重要な事実のほんの一部にすぎない。定数化された他の部分を説明しようとすれば、別の分析体系を用いなければならない。しかしその準拠枠によって重要とされた事実は、決して具体的現象に関して知りうる事実のすべてではない。その時々の科学的知識の下でではあるが、しかし可能なかぎり説明するためには、あらゆる既知の準拠枠を適切な仕方で総動員し、すべてのデータをある体系の分析概念の下に包摂し、そうしてそれぞれの仕方で分析した結果を相互に体系的に関連づけることが必要である」。「多様な準拠枠を用いた異なった水準における分析結果は、互いに統合されて一体的な知識を形成し、全体として既に述べたような実在論的な含みを持つようになるということである」(p,173)。
「歴史的科学と分析的科学の区別」。「歴史的科学の目的は、ある部類の歴史的個体あるいはその一部をできるかぎり完全に理解することにある」(p,179)。「他方には、分析的科学が存在する。その目的は、一般的分析理論の論理的に首尾一貫した体系を構築することにある」(p,180)。
「分析的な地平では理論体系は大きく三つの部類に分類することができる。それらは、自然、行為、そして文化の体系ということができる。さらに、その区別は理論体系のそれであって決して具体的な歴史的個体に関する区別ではないことを銘記しておく必要がある。最初の二つのものだけが通常の意味での経験的な科学理論の体系である。三番目のものは特殊な位置を占めている」(p,182)。「文化体系は、非空間的で無時間的という二つの点で他の諸体系から区別される」(p,183)。「一方において、文化体系は行為の過程の産物という形で検討することができる。他方それは、たとえば科学や他の「理念」のように行為を条件づけている要素と考えることもできる」(p,184)。
経済学、政治学
社会学「共通価値による統合という属性によって理解することのできる社会的行為体系に関する分析的理論の展開を目指している科学である」(p,191)、心理学「パーソナリティの遺伝的基盤との関わりで導出することのできる行為体系の可変的な属性を対象とする分析的科学」(p,192)、技術学、歴史学



























![[amazon限定]recolte レコルト 自動調理ポットラージ RSY-3(シリコンスプーントング付) クリームホワイト [amazon限定]recolte レコルト 自動調理ポットラージ RSY-3(シリコンスプーントング付) クリームホワイト](https://m.media-amazon.com/images/I/31rWJQG5euL._SL500_.jpg)
















![[アキレス] マットレス シングル 超硬め (300N) 【波の上で眠りを変える】 3ゾーン加工(美しい寝姿勢が保てる) 3つ折り 高反発 寝返りしやすい 厚さ10cm (Float Wave) スーパーハード グレー/レッド AK-331(SH)S(GY/RE) [アキレス] マットレス シングル 超硬め (300N) 【波の上で眠りを変える】 3ゾーン加工(美しい寝姿勢が保てる) 3つ折り 高反発 寝返りしやすい 厚さ10cm (Float Wave) スーパーハード グレー/レッド AK-331(SH)S(GY/RE)](https://m.media-amazon.com/images/I/41S4e3Q5DSL._SL500_.jpg)
