2014-01-01から1年間の記事一覧

人権という幻

ご本人の来歴もすごいし、中身も読み応えがある、識字というきわめて身近な問題から、「外国人」という「国民」の「外側」に出る問題まで、「同心円」状に広がる様々な具体的な問題を「人権」という得てして抽象的な話に流れがちな話と結びつけながら、憲法…

狭山事件の真実

冤罪説から話を組み立てているのでちょっと議論がゆるいなと思うところもあるが、現在、狭山事件の概要を知るためにもっとも入手しやすい本はこれかな。警察の取り調べのずさんさがよく分かる。また、事件に非協力的だった地区住民が、被差別部落から「犯人…

ハンブル・パイ

ハンブル・パイというとピーター・フランプトンとスティーヴ・マリオットのバンドと思いつつ、音楽的にはブルース、ソウル色の強いスティーヴ・マリオットのヴォーカルとヘヴィーなサウンドのバンドというイメージが強い。で、なんとはなしに買ってしまった…

「立川談春 30周年 もとのその一」

今回かけたのは、「夢金」と予告されていた「文七元結」。両方とも以前聞いたことがある噺だが、とりわけ「文七元結」はかなり変わっていたというか、この人のある種の部分のらしさが以前にもまして強く出るようになっていると思う。 談志が亡くなってこの2…

狭山裁判と科学

武谷三男はこの裁判にもかかわっていたのですね。もっぱら、冤罪事件にかかわる問題が中心ですが他にも野間宏が本を出していたりするし、この手の事件に知識人がかかわり発言していく、当然、それなりの影響力をもつ時代というのがあったのですね。 狭山裁判…

人権の歴史

「バブーフの協議の概要」に出てくる労働の義務。労働が義務であるなら、仕事を保障される権利があるだけでなく、こういう風に考えることもできるのかな。それから、労働の義務は労働の権利として社会権的に裏付けることができますね。 ある者が労働に精根を…

オーティス・クレイ

買ってしまいました。いや懐かしい。そして、もちろんサイコーです。ライブアーティスト: オーティス・クレイ出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 1987/09/01メディア: CDこの商品を含むブログを見る

チェルフィッチュ「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」

説明するとすごく当たり前な感じになってしまうのだが、コンビニを舞台にして、店長、バイト、客、本部の社員がそれぞれ戯画化して描かれていくのだが、実際、コンビニを舞台にして日々おきている出来事自体がとても戯画的である。それをつきつめていくとき…

メビウス

キム・ギドク監督最新作。男にとってはとてもつらい映画で、暴力満載というか血がどばどばでるんだけど、一方で、どこか笑いを誘っていまうところがある。あらためて、暴力の描写っていろいろあるなと。そして、家族の愛憎を描こうとするならば、ふつうの家…

1968 Democratic National Convention

昔こんなことがありました。 有権者は主権者なのですから、ただ投票先を選ぶだけでなく要求をつきつけていってよいのですよ。有権者による投票の呼びかけにはうんざりだ。それより、わたしたちはいったい何を望んでいるのだろう?

Rage Against The Machine - Democratic Convention 2000

Rage Against the Machineアーティスト: Rage Against the Machine出版社/メーカー: Sony発売日: 1992/11/12メディア: CD購入: 1人 クリック: 43回この商品を含むブログ (97件) を見るEvil Empireアーティスト: Rage Against the Machine出版社/メーカー: So…

Best Always

買わずに死ねるか。 素朴な話、「君は天然色」のシングル・ヴァージンをやっとCDで聞くことができる。ボクが聞いた『ア・ロング・ヴァケーション』はここから始まるのである。Best Always(初回生産限定盤)アーティスト: 大滝詠一出版社/メーカー: SMR発売日: …

Fury

映画の日に映画を見にいくなんてなんて久々なんだろう。こういうときは、ふだん行きそうもない作品を見にいくことにしております。というわけで、ブラッド・ピットがこの時期にどんな戦争映画を撮ったのだろうと思って行ってみたのがこれ。もちろん、基本的に…

もういちど憲法を読む

樋口『憲法』の副読本に使えますね。樋口先生は、社会的権力からの自由という文脈で法人に個人と同じように人権を認めてよいのかという議論をなさっています。しかし、JR西日本や今回の東電の例を考えれば、問題は会社トップの予見可能性という話になってお…

SCUM

少年院に起こる暴動。管理する側も管理される側も似たもの同士なんだな。まったく聞いたこともない作品だったけど、絵的にも悪くないし、そのリアルな展開と暴力表現に見ていて引き込まれてしまう。

荒野の千鳥足

タイトルからしていささか意味不明な西部劇かと思いきや、最初に舞台がオーストラリアであることが示され、主人公の部屋にはビートルズの『アビーロード』が飾ってあり、現代の話であるということが暗示される一方、西部劇の雰囲気だけは漂う。絵的にはすご…

人権

後半はシティズンシップについて論じていると聞かされて読んでみたのだが思ったほどではなかった。むしろ、気になったことをメモ。 たとえば、法人の政治献金がここまで問題にされにくい状況を考えるとき。「国家からの自由が公認される日本国憲法のもとで、…

憲法

樋口先生によれば、そもそも内閣には憲法改正の発案権がないと。だとすれば、憲法解釈を閣議決定し、そのうえで議案提出ができないのも当然のことであろう。しかし、樋口先生は現行憲法から抵抗権の余地すら読み出すのだな。 「国会の発議の前提として必要な…

「ゆとり」批判はどうつくられたのか

当事、学校教育週5日制導入の余波がどういうものか実のところ私にはよくわからなかった。なにしろ学生をとりまく状況は他も変化しており、一方であまり断絶は感じられなかったように思うからだ。それに話を聞いていると、勉強につまづいてる子って中2くら…

大いなる幻影

多分、高校生時分見ているけど、なぜ独仏の兵士がこんなに仲がいいんだろうぐらいしか記憶に残っていなかった。そのあとに完全版が発見されていたのですね。さて、今回たまたま見る機会に恵まれたのだが、さて、この映画どこから語ればいいのだろう。あまり…

『〈高卒当然社会〉の戦後史』

これもお勉強になりました。きちんとノートを作らなければと思いつつ、とりあえず教育政策において私学の意義を行政サイドはもっと積極的に評価すべきであろう。〈高卒当然社会〉の戦後史作者: 香川めい,児玉英靖,相澤真一出版社/メーカー: 新曜社発売日: 20…

憲法判例を読む

『憲法』とあわせて読むとよいのでしょうが、いま手に入るのかしら。憲法判例を読む (岩波セミナーブックス)作者: 芦部信喜出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1987/05/03メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 14回この商品を含むブログ (42…

はじき出された子どもたち

手堅く整理された本でお勉強になります。はじき出された子どもたち: 社会的養護児童と「家庭」概念の歴史社会学作者: 土屋敦出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2014/01/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

「舞子はレディ」

字面だけでは気づかなかっけどが、これ、口にしてみると「マイ・フェア・レディ」の音をなぞってるじゃないかと思ったら、実際に「マイ・フェア・レディ」だった。周防監督らしく舞妓さんになるまでの次第を丁寧に取材して、それをミュージカル仕立てにしたので…

社会契約論

いまどき社会契約論の本を、それも重田さんがだすというのがとても意外だったが、読んでいけば重田さんが打ち出して行きたい視点というのがあって、そうするとそれほど意外ではないのかもしれないと思う一方、いまや社会契約論について気軽に読める本はない…

私はリズム&ブルースを創った

とうとう買ってしまいました。しかし、いつ読みましょう。私はリズム&ブルースを創った ―― 〈ソウルのゴッドファーザー〉自伝作者: ジェリー・ウェクスラー,デヴィッド・リッツ,新井崇嗣出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/05/24メディア: 単行本この…

憲法

全体の3分の2くらいが総論と人権の部分にあてられていて、統治機構がその残りになるから、憲法を理解するうえでどれだけどの部分が重要かがこれだけでも理解されようというもの。ところで、 「表決の自由」ということなのだそうです。これ知ってました? ①…

憲法

表現の自由の制限。「明白かつ現在の危険」の基準 「①ある表現行為が近い将来、ある実質的害悪をひき起こす蓋然性が明白であること、②その実質的害悪がきわめて重大であり、その重大な害悪の発生が時間的に切迫していること、③当該規制手段が右害悪を避ける…

伊丹万作全集

格安で出ていたのでつい買ってしまう。伊丹万作全集〈1〉 (1982年)作者: 伊丹万作出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1982/05メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る伊丹万作全集 2作者: 伊丹万作出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1981/06/01メディア…

グランド・ブダペスト・ホテル

また、見てしまった。見れば見るほど面白さが増していく。