2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大庭健『はじめての分析哲学』

次はこの本を読まねばなるまいということで読了。クワインのホーリズムって、これまたとても面白いんだけれど、なんだかトカゲの尻尾きりっていうか、都合の悪い時は末端から切っていってなかなか本丸には届かないって話に読めてしまうのは、御時世のせいか…

「とうちゃんはエジソン」

久々にお昼にみたドキュメンタリー・シリーズ。工員だったとうちゃんは、というよりはじいちゃんなのだが、12年前に利き腕だった右手を失い、それでも何とかこれまでにできたようなことがやりたいといろんな自助具を編み出していく。たとえば、洗濯ばさみ。…

森本浩一『デイヴィドソン』

デイヴィドソンのおさらい、それとも再挑戦、のためのとっかかりとして再読。言語能力を共有した主体から始めずにどうやってコミュニケーションの成り立ちを説明するかって問いから話を進めていくのはとても見通しがよくて読みやすい。 この場合のコミュニケ…

男にアラフォーはない(?)

友人(女性)と飲んでいたときの話題に手を加えて再録。最近は、比較的年の近い女性(複数)と飲む機会が結構多いのだが、女性と飲む方が知らないことがいろいろ分かって楽しい。 先週の『週刊現代』の連載で高橋源一郎が書くところによれば、女にアラフォー…

飯田真・中井久夫『天才の精神病理』

出先でちょこちょこ読んでいた本。一章単位で話が完結する本は合間合間に読みやすいので重宝。この本、学生の頃、多分に下心があって読んでいるんだけど、読み返してみてまったく読んだ記憶がない。当時は、ろくに精神医学の知識がなかったし(今でもあると…

立川談春独演会

相変わらず通っている談春独演会。今回は、「へっつい幽霊」に「大工調べ」。「へっつい幽霊」って楽しい噺だよね。人間死んだところでその性根はちっとも変わりゃあしねぇーと。「大工調べ」というとボクはまず志ん朝のそれを思い出してしまうのだが、とく…

「レス・ポールの伝説」

ボクがレス・ポールの名前を初めて聞いたのはおそらく中学生の時で、もちろん(?)レス・ポールその人のことではなく、ジミー・ペイジが使っているギターを介してだった。で、当時は60年代ポップスを特集するFM番組がけっこうあって、FM誌なるものが…

いまごろ「全国学力・学習状況調査」の話

今日の『朝日』の記事を見て気になったので、今ごろになって今年度の全国学力・学習状況調査の結果を見ている。 http://www.nier.go.jp/08chousakekka/index.htm 気になったところをいくつかひろってみると、塾等の学校外の教育機会が充実しているであろう都…

『気のいい女たち』

これもシャブロル。この映画は何よりもアンリ・ドカの撮ったパリが素晴らしい。当時のパリの空気をよく伝えていると思う。それに、かつての日活映画と同時代的なものを感じさせる。そんなパリで素敵な恋を夢みる4人の若い娘の姿が描かれていく。そして、近…

グレン・ティルブルック

たとえ昔のように声がでなくても、そして、たとえアコギ一本でも、あの彼らしいメロディラインで、あの声で歌われたらボクはたまらない。時々ビールを飲みながら、汗をふきふき演ってましたよ。アンコールにはTemptedやAnother nail in my heartとかボクの大…

『太陽はひとりぼっち』/『二つの鍵』

アントニオーニの作品はけっこう見てきたつもりだったけれど、『太陽はひとりぼっち』(1960)は見そびれていた。原題はL'eclipse(日蝕)。主演は、モニカ・ヴィッティ。彼女が出てると、とてもアントニオーニな感じがする。でも、フェリーニの『甘い生活』…

前田泰樹『心の文法』

献本していただいたこの本の合評会へ行ってきた。ボクよりも専門が近い方々から有益なコメントが出てきてお勉強になるんじゃないかと期待していたのだが、この本のベースになった博論のときに徹底的に議論をやってしまったそうで(どんな話になったんだか詳…

会社は誰のもの?

民主党の枝野さんが、派遣切りをしながら企業の内部留保が増えていることを国会で問題にしたらしい。鋭いところを突いていると思った。ボクが、見た番組では、当然ながら(?)、内部留保を減らすと株価が下がり、ひいては会社の評価が下がる云々というコメ…

『H・ミンツバーグ経営論』

マネジメントの本をときどき読むのは、気分転換や発想の転換になってボクは結構好きだ。それに、大学の仕事って意外とマネジメントにかかわる部分が多いんだよね(この本ではマネジャーの例として指揮者を取り上げている部分がある)。たとえ教育研究業務に…

いろんなものが足りない

ニュースを見ていると、反貧困ネットワーク、政財界とでてくるわけだが、ここには何か欠けてるよね。それは何かと言えば、既存の組合、要するに連合はどうしたのかな?と思っていたら。財界の方から、ワーキング・シェアなんて声が出始めている。で、その財…

The WHO:アメイジング・ジャーニー

相変わらず最近はフーばかり聞いているのだが、来日記念にやってるドキュメンタリー映画を見てきた。この手の映画は、インタビュー主体だとついついもっとがんがんにライブ映像を見せてくれと思ってしまうのだが、それはこの辺りを見ればよいと割りきってし…

セザンヌ主義

仕事に復帰する前に横浜美術館のセザンヌ主義に行く。まだ松の内だが、セザンヌ展ではなくセザンヌ主義だから、それほど混んではいないだろうという読みもあった。実際、そこそこの入りという感じ。でも、これがなかなか面白かった。 実のところ、セザンヌの…