2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

クルーグマン教授の経済入門

いつの間にか文庫化していたので再訪。訳者も解説で書いてるけど、世間で騒いできた貿易赤字も保護貿易も日米貿易摩擦もG7もたいしたことないって!ロイズがなぜ倒産したか、イギリスがなぜポンド危機でソロスに負けたかも分かる。もちろん、今のことを考え…

G・H・ミードの動的社会理論

この本の内容、とりわけ前半を強引にまとめてしまうと。『精神・自我・社会』と『行為の哲学』と『現在の哲学』は、それぞれ一つの循環関係をなしており、それが自己から社会的世界の成り立ちまで進むようになっている。 まず、「私(I)」はこうした「私(me…

落語教育委員会

柳家喬太郎「そば清」、柳家喜多八「抜け雀」、三遊亭歌武蔵「流川」。「稲川」は初めて、といっても大半がマクラで噺はちょっとだけ、本来はもっと長い噺じゃないのかな。今回、いちばん聞かせたというところでは喜多八じゃなかろうか。これ、三人三様の噺…

社会的自我

というわけで再訪。このミードの論文、短いが翻訳はとても読みにくい。「記憶のなかで表現される「私(I)」と「私(me)」の違いは、開始された社会的行為についての記憶イメージと、その行為に対する感覚的反応についての記憶イメージの違いなのである。---。…

選挙2

さて、本日は想田和弘監督の『選挙2』の公開日である。しかも、想田監督も来る。というわけで、選挙前に見られるのは今日か明日ということで見てきた。とても、オススメしたい。もしかすると『選挙』よりも面白いかもしれない。前回とはまったく違った山さん…

サリヴァン、アメリカの精神科医

ちょっと寄せ集めっぽい感じの本であるが、サリヴァンの取っ掛かりの本としてはよいのかな。ただ、とりあえず前半読んでもあんまり分かった気がしない。でも、サリヴァン→フロム・ライヒマン→ベイトソンとつなげるのは分かるし、文化人類学の影響を受け、ル…

心を商品化する社会

ちょっと議論が極端すぎる気もするのだが面白い。心理学化する社会というなら、サブカルをネタに語る斉藤環よりも、こちらがそれにふさわしいのではないのかな。 心を商品化する社会―「心のケア」の危うさを問う (新書y)作者: 小沢牧子,中島浩籌出版社/メー…

嘆きのピエタ

自分の息子を自殺においやった男を更正させて復讐する。つまり、自分が受けた仕打ちを分からせてやるんだな。でも、その過程で男の気持ちも分かってしまう。いやー濃い情念だ。でも、それを淡々と描く。 キム・ギドク初期作品集BOX(4枚組) [DVD]出版社/メー…

さまよえる自己

内海健さんが医学書以外の本を出したのでどんな本かと思ったら。最初はリベットの実験か、近代的狂気としてメランコリーとスキゾフレニーをあげるのは分かるが(もっとも、メランコリーは日独に特異的という話もあるようだが)、そこまでもっていく前半の話…

VOGEL 50×50

ハーブ&ドロシーのフォーゲル・コレクション。これ見て米国回るなんてことがやれたら楽しいだろうな。とりあえず、ここで鑑賞 http://vogel5050.org

3人のアンヌ

同じようで異なるような物語が展開する。ついでは小道具がうまく使われてる。長回しでクローズ・アップするカットが多用されるけど、そうしたカットにかぎらず構図決まってるな。台詞も少ないし、イザベル・ユペールが主役だとなんだかフランス映画みたいに…

一揆論

同じく松永伍一。一揆論と銘打っているけれど、本人も述べているように、一揆そのものを論じいるというよりは一揆を経由して人間の反逆の心理を述べた本である。ひとつベ平連に言及した箇所が出てくる。ユートピア思想/アナーキズム、義理人情、ロマン主義が…

インターナショナル・サブマリン・バンド

グラム・パーソンズがバーズに加入する前にやってたバンドというわけで、カントリー・ロックの草分け的存在。しかし、ジョニー・キャッシュの「フォルソン・プリズン・ブルース」がこうなっちゃうのね。エルヴィス聞いて、ビル・モンローがこうなるのねとい…

真夏の原発

なんか変じゃない?そして、やっぱり節電を 連日の猛暑にもかかわらず、不思議なことに今年は少しも電力不足、節電を訴える声が聞こえてこないし、報道もされない。せいぜい火力でコスト高という話。これは不思議なことではあるまいか?むしろ、メディアから…

ふるさと考

松永伍一って完全に忘れられた存在って感じだな(と、思ったら『老いの品格』なんて本が出てた)。しかし、法政から著作集なんて出てたんだな。この本の評価もいまとなっては微妙かな。エッセイ調だし。 ふるさとは1.王権支持につながる表象、2.肉親への恋…

共同存在の現象学

III部はカントを中心として、何人かの哲学者の議論を吟味しながら、II部の議論をさらに進めることになってるのかな。人間が自らを自らによって拘束する自己目的として把握されるのは、そのようにして関わる他者の存在が想定されているからである。 尊敬さる…

日本近代の新しい見方

ライシャワーは封建制度の独立を、人物としては福沢諭吉を重視するんだな。でも、後半の話はいまやどうなんだろう?日本近代の新しい見方 (講談社現代新書 56)作者: エドウィン O.ライシャワー出版社/メーカー: 講談社発売日: 1965/10メディア: 新書この商品…

Chicago Blues Guitar Killers

夏の夜はブルースもまたよし。シカゴ・ブルース・ギター・キラーズ-コブラ/USA・レコーディングス 1950’s-60’sアーティスト: オムニバス,チャールズ・クラーク feat.オーティス・ラッシュ,ハロルド・バラージュ feat.ジョディ・ウィリアムズ,リー・ジャクソ…

中世の風景(下)

一日一冊新書をというのはどこまで続けられるだろう。てか、明日はもう無理かな。 まず、これは面白い。「音と法的な行為というのは、どうも密接に繋がっているような気がするんです」(16頁)。文字がなかった時代ならこれは当然そうなるだろう。そうすると…

共同存在の現象学

レーヴィットの段階でも、この程度のことはすでに確認されているんだよな。また、ゴッフマンにだってみられると言ってもよいだろうに。どうして、---。 一者は、閉ざされた個人としてすべてをなすのではなく、ペルソナとして、すなわち或る「役割」を有した…

イン・トーキョー

夏の夜に。私が行きそびれたときのライヴ盤。ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョーアーティスト: ジョアン・ジルベルト出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック発売日: 2004/02/21メディア: CD クリック: 14回この商品を含むブログ (44件) を見る

中世の風景(上)

いま読むと網野さん暴走気味に思えるな。しかし、改めて読むと対談本って読むの難しと思う。中世の風景 (上) (中公新書 (608))作者: 阿部謹也出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1981/04/23メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る

柳家三三ひとり会 

中入り前に、「木乃伊とり」(久々)。で、中入り後に、「真田小僧」(最後まで、初めて聞いた)で、「錦明竹」。ネタの格からすると真打ちの話を最初にやってしまったような格好だが、まったくそんな感じはさせない噺の並べ方。「錦明竹」は前座ということ…

イノセント・ガーデン

『オールド・ボーイ』が面白かったパヌ・チャヌクのハリウッド作品。あそこまで行かないがそこそこ来てるし、映画としてもそこそこ来てる。一見ではストーリーの構成がよくわからないところもあるのだが、あの小娘って深読みするとあの年頃の女の子の描写と…