人格

 われわれは自分の状態とそうでないものの状態とを区別する。それはいかにして可能か?ここではデカルトが引き合いにされる。
 人物の概念はpirimitiveなものである。「そもそも意識諸状態が帰属せしめられるための一つの必要条件は、それらがある一定の身体的諸特徴、ある一定の物的状況等が帰属せしめらるものとまさに同じものに帰属せしめられるということである」(123頁)
 さらに、「手短に言うと、ひとは意識諸状態を他人に帰属せしめうるときにのみ自分に帰属させることができる。ひとは他の体験主体を同定できるときにのみ意識状態を他人に帰属させることができる。また、ひとは他人を体験主体、意識諸状態の所有者としてのみ同定できるとすれば、他人を同定することはできない」(121-122頁)。
 「人物の概念は個別意識のそれに論理的に先立つ。---。人物は身体ある自我ではないが、自我は人物であったということから個性の論理的利点を保持した、身体なき人物であるかもしれないのである」(125頁)。

個体と主語

個体と主語