2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

勝俣鎮夫『一揆』

この本が名著であるということは学生時代から聞き知っていたはずなのになぜかこれまで読まずに来ていた。あの頃、網野本は散々読んだのに何でこの本は読まなかったんだろう。ともかく面白いし、いろいろと分かった(つもりになった)ことがある。 この本に冒…

しつこいOCNからの勧誘

ボクは電話での勧誘は絶対に受けない。そんなに重要な話なら書面で送れ(もちろん、住所は教えないよ)。相手が誰かもよくわからないのに、そんな話にのれるかよ。それってオレオレ詐欺と同じレベルの話だろ。断っても断ってもまたかかってくるOCNの振り込め…

深沢克巳『百姓成立』

たしか、バートランド・ラッセルは、いちばんアタマが回るときは数学をやって、そこまでいかないと哲学やって、さらに---といった話をどこかでしていたと記憶するが、それでいくとイマのボクは歴史書を読む段階である。というわけで、去年の今ごろの積み残し…

「アラビアのロレンス」

先週後半からあまり体調がよくないので映画ばかり見ている。こいつは一発芸で行けるのですよ。で、おそらくは20年前後ぶりに、スクリーンでははじめて『アラビアのロレンス』を見る。単に壮大なスケールの映画ぐらいの記憶しかなかったが、いま見るとすご…

ハンブルク・バレエ団『人魚姫』

演出:ジョン・ノイマイヤー 結局、行ってしまった。もちろん、一番安い席が買えたからですが、行って正解。音楽もオリジナル・スコアでオケつきというのはとてもよかった。当初は、「人魚姫」なんて思うところ大であったわけだが、改めて見ると「人魚姫」っ…

ノン子36歳(家事手伝い)

重なるときは重なるというべきか。この作品も成熟を主題にしたものだと考えるとそこそこ面白かった。 ノン子36歳、元売れないアイドル(?)、いま家事手伝い。それに、男24歳フリーター(?)とまったく駄目な元旦那兼元マネージャーとがからむ。彼女は…

『チェ 39歳の手紙』/『チェ 28歳の革命』

一作目を見に行ったときもそうだったけど、二作目もおいおいもう終わっちゃうの、上映回数も少ないし、という感じであわてて見てきた。二作通してみると、二つの違いからいろいろ見えてきて面白い。両作品に共通して言えるのは、エピソードの断片が羅列され…

アンドリュー・ワイエス、あるいは「吊す」ということ

日中、ずっと本を読んでいたらくたびれますよ。そして、金曜日は有り難いことに6時をすぎても美術館がやってますよというわけで。つい最近亡くなってしまったアンドリュー・ワイス。思わず見ほれてしまう感じ。 見ていくと、納屋に馬具が吊しているとか鳥の…

『青年期の本質』

で、この研究領域では必読文献であるということをよ〜く分かっていたはずなのに、今ごろになってこの本の頁をまともにめくってみている。しかし、ちょっと読み出してみただけで、この本から得られる示唆はいろいろありそうだと期待大。 彼らの知見によれば、…

フックウェイのクワイン

本当はこの本をしこしこ読んでいるか、すでに読了しているはずなのに、いろいろあって、仕事の合間に別のことをするに到っている。でも、少しぐらいは読み続けておかないと、次のアタマの切り替えに時間がかかってしまうというわけで---。分析/総合の区別は…

アトムの子

某放送局で手塚治虫の特集をしていて(しばらく続くらしい)、そこでやっている「鉄腕アトム」をついついてみてしまう。久々にアトムを見たら、アトムってとっても哀しい話だなと思ってしまった。だって、なんで人間に奉仕するために作られたロボットが、人…

「ひきこもり」への社会学的アプローチ(3)

(1)http://d.hatena.ne.jp/Talpidae/20090201/p2 (2)http://d.hatena.ne.jp/Talpidae/20090205の続き もっとも、他方でこの構造的同型性は、「ひきこもり」が居場所に居着いてしまったり等、支援団体自体もなかなか「回復」のステップをうまく組みたて…

「ひきこもり」への社会学的アプローチ(2)

(1)http://d.hatena.ne.jp/Talpidae/20090201/p2の続き こうした自己防衛戦略の採用を仕向ける基礎的信頼の脆弱化の源をたどっていけば、当然親子関係が浮上してくる。さきほど述べたように親子関係は基礎的信頼を育む場であるが、それが以前のようにはう…

都市へ仕掛ける建築

親子で建築家のディナー&ディナーの建築の試みを紹介した展示。彼らの建築理念がユニークなのは、周辺の環境になじむような建築を提案するところ。展示を見ていくと、旧工業地域に虫食い状に新しい建築物が建てられ再開発が進められていくとき、そこにどん…

ALL THINGS MUST PASS

何となくジョージの曲ってベスト盤で済ませてしまってきたってところがあって、実はこのアルバム、傑作とされていることは重々承知しながらも、最初から最後まで通して聞いたことがなかった。まあ、この作品にかぎらずジョージの作品ってわりと入手しにくか…

大人の歌

先日、放送していたさだまさしの番組をちらほら見て、すっごく久々に「道化師のソネット」とか昔のさだの曲を聴き、今日は飲み席で大橋純子のカバーが流れていた。で、ふと思うに、彼ら彼女たちは20代でこんな楽曲を歌っていたわけで、いまから思うとずい…

「ひきこもり」への社会学的アプローチ(1)

「ひきこもり」への社会学的アプローチ―メディア・当事者・支援活動作者: 荻野達史,川北稔,工藤宏司,高山龍太郎出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2008/12メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (11件) を見る 「ひきこもり」…