2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アンドロイド演劇『さようなら』

最初にロボットで演劇をやるというとき、自分のなかにどこかしら小馬鹿にしているところがあって見に行かなかった。そもそも平田オリザの舞台をほとんどみたことがなかったというのもあるが。しかし、この素朴な偏見は私の考え方に反していた。そして、相田…

心身症と心身医学

解離を補助線に引くのなら、心身症を補助線に引くのもありだと思って読み始めたけれど、やはり成田先生らしくフィールドワーク的な色彩が強い。心身症と人格障害、とりわけ境界例はかぶりやすい。それはきっとそうなのだろうなと思う。で、アモンとマスター…

立川志らく独演会

前座さんが「権助魚」やって、中入り前は「佃祭り」。珍しくサゲまでやったのだが、正直言って、出来はイマイチな感じがした。で、中入り後はどうなるんだろうと思ったら、簡単に「ぞろぞろ」で神様の話をやって、夏の噺って花火の話をはじめた。あら、「た…

解離する生命

この方、既にいくつか本を出されていたのですな。もう少し読んでみよう。 「このように解離という病理現象を考察していくうちに、解離と同じメカニズムの存在を仮定することで、現代に見られる多くの青年期の精神疾患が理解しやすくなるように思われた。広汎…

イリ・キリアン『East Shadow』

舞台が始めるとまず流れるのはある室内の二人を映した映像で、その映像に映った二人がやがて舞台上にあつらえられた「同じ」部屋に現れることになる。だから、二つのステージを見ているような格好になる。最初は映像のみなのだが、この映像にあらわれる二人…

プーシキン美術館展

思ったよりも点数少ないな。それなのにスゴい人。で、こう見ていくと、やはりミレーやコローのあたり、もう一つはセザンヌのあたりから転機を見出したくなるな。さて、この転機というのは連続的なものなのか、それとも断絶を含んだものなのか。

世界同時不況

先日、某日経で怪しげなコラムを読んだのでおさらい代わりに。リーマン・ショックのときの説明に加えて、世界恐慌、昭和恐慌、失われて10年それぞれの経緯やなぜ起きたのかが説明されている。石橋湛山はきちんと評価されるべきだな。世界恐慌を抜け出した…

けもの

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知の歴史学

「何が真であるかということ以前に、何が真あるいは偽となりうるのかが問題になっている場面である。それを理解可能なものにするためには、新しい推論の習得が必要とされる。つまり、いかに推論するかを学ぶという種類の理解の仕方があるのである」(339頁)…

日本の悲劇

ここではカメラは絶対に動かない。長回しで家族の姿を捉える。一方、「家族」以外も映らない。しかし、家族は動いていく。ちょっとしたことをきっけかに歯車がどんどんずれていく。やはり仲代達矢はうまい。 http://intro.ne.jp/contents/2013/09/12_1925.ht…

シュルツ全小説

「春」も「ドド」も「第二の秋」も収録されております。 われわれの地方の第二の秋とは、各地の美術館に閉じ込められて死にかけている美が、とてつもなく大きな映写機を空に向けて映し出す病める蜃気楼なのだ。こうした秋は、詩によって人をたぶらかす旅回り…

方法としての構築主義

ちょうどハッキング日和ということで、まずはこの論文から。相変わらず、切れ味よくハッキングの議論の紹介とその実践的実例になっております。ご恵投ありがとうございます。方法としての構築主義作者: 中河伸俊,赤川学出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 201…

デリバリー談春

前座の小春ちゃんは「権助魚」。前より調子がよくなったんじゃないかな。で、談春師は「真田小僧」に「らくだ」である。「らくだ」はたんのうさせていただきました。

ガーコン落語一代

なんだかんだ言っても圓生にまつわる話が面白い。大変失礼ながら、私は舞台で歌を歌う人というイメージが強かった。勉強不足でげすな。寄席爆笑王 ガーコン落語一代 (河出文庫)作者: 川柳川柳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/11/05メディア: 文庫…

何が社会的に構成されるのか

ループ効果ないしは相互作用種 「人間の種類の重要な特徴は、人間の種類がそこに分割された人に影響を及ぼすとともに、そこに分類された人が今度は逆に水から行動を起こし分類に影響を及ぼすことができるという点なのである」。「構成主義が人文社会科学に適…

フランシス・ベーコン展

二度目。私が来た頃はそれほど人もいなかったのに最後は随分人がいるな。ベーコン論はドゥルーズとかいろいろあるから、私は断片的な感想を。ゴッホが好きだというのは何となく分かる気がする。まず、ベーコンの絵においてその肉体は肉体以外の何ものも示さ…