2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ジラールとデリダ

この説明はよく分かる。 共同体は自身で犠牲者を聖なるものにすることで生みだした起源を仮定しているのである。処女発生によってではなく、遡及的発生によって、自身が生みだした起源を自身のものとすることによって、共同体は自身を生みだしたのである。 …

シルビアのいる街で

あるかないかのストーリーで一本見せてしまうのだから、これは相当なものでしょう。ネタバレ注意と言っているばやいではない。

『スティグマ』

で、その『スティグマ』。この議論のネタ元はおそらくはジンメルのよそ者論に由来する。ただ、ゴッフマンの場合は、個人に帰属される社会的アイデンティティの食い違いからスティグマを説明するということで、ジンメルでは認識論的だった問題設定が相互行為…

『ユダヤ人』

サルトルとゴッフマンには似たところがあり、だからまた『スティグマ』とこの本にもよく似たような指摘が出てくるのだが、あまりそういう言及は見たことがない。 ユダヤ人 (岩波新書)作者: J‐P.サルトル,Jean‐Paul Sartre,安堂信也出版社/メーカー: 岩波書店…

メンミ『人種差別』

頁をめくってみると以前読んでいるはずなのだが、まるで記憶に残っていない。それはともかく、ある種の古典に位置づけられるような本ですね。メンミは人種差別をいかのように定義している。 人種差別とは、現実の、あるいは架空の差異に、一般的、決定的な価…

「そのときにSIGHTがはじめて、政局に縛られない、新しい思想と知恵を語る雑誌になるんじゃないでしょうか。政局がおもしろいっていうのは、国民にとって不幸なことですよ」

と、発言している藤原帰一氏に激しく同感。本号も前号に続いて特集が面白くない。有り体にいって、いつまでも政局がらみの話ばかりしてるからだと思う。以前「小沢一郎を卒業します」って特集を組んだのに、総裁選後の政界再編を占うこの特集は、結局のとこ…

『社会集団の再発見』

これがいちばん内容が理解できたし、とくに群衆のところなんかは、面白く読めた。やはり教科書は理屈が分かりにくい。考えようによっては、ジンメルの議論のひとつの展開としても読めるのかもしれない。しかし、文脈でカテゴリーが決まるとか、集団カテゴリ…

社会的アイデンティティ理論

もってたのでこれも読んでみた。すごくつまずいた。これもノー・コメントでいきたいところだが、少しだけ。個人がどのような集団カテゴリーを採用するかが重要なら、同様に個人がどのようなカテゴリーを採用して社会現象を理解するかも同じように重要だと思…

『オルレアンのうわさ』

いまごろになってこの著名な本を読む。うわさが広がっていく背景はこんな感じで説明されることになる。モランの本って、随分と訳が出続けているけれど、あんまり言及されているものを見たことがない。どれくらい読まれているのでしょうね。この本の考察とか…

集団間関係の社会心理学

こんな本が出てると教えてもらって読んでみてけれど、内容についてはノー・コメントだな。教科書的には便利。ついでに読んでみるかと、関係しそうな本を調べてみたら絶版のものが多く、アマゾンあたりではかなりよい値がついてるではないか。いくつか持って…

ひとつ上までいっても

一つ上までいってもその上にやはり「問題がない」という報告を受けた人がいるわけですよね。この人は、その話を鵜呑みにして何もしなかった責任は問われないのでしょうか?そもそも渦中の人になっているのは一つ上の人までで、もう一つ上の人までいかないの…