2011-01-01から1年間の記事一覧

だんしがしんだ

談志ほど当たり外れの大きな噺家もいないだろう。この数年、当たりを期待しながら独演会に足を運んだが、残念ならが以前見たあの談志にお目もじする機会は得られないまま談志はあの世へ言ってしまった。最後に聞いたのが「金玉医者」になるとは。「ざまあ、…

マスメディアのリアリティ

原書と英訳も確認したいのだが、とりあえず、 私たちは、私たちが生きる社会、あるいは世界について知っていることを、マスメディアをとおして知っている。---。他方で私たちは、マスメディアについてはあまりにもよく知っているため、その情報の出所をしる…

スマイル

というわけで、ブートか、ボックス・セットで*1一部しか聞けなかったスマイル・セッションの音源がついに発表されてしまう。いったい、どれを買ったものだろうか?やっぱり2枚組にしとくかな。それとも5枚+αのボックス・セット?ボックスなら輸入盤でいいな…

善と悪

これはよい本だと思う。でも、大庭さんは新書を書くときぐらい、分量のことを考えても、N君のことにはあまりこだわらない方がよいと思うな。それよりは、後半の記述をもっと充実させて欲しかった。そして、それ以上に、ここでの話を全面展開した一書をものし…

11人もいる

広末がかわいいということもあるが、クドカンのドラマということでついついつられて見てしまった。しかし、ここにはあるのは人情あり、お笑いありの、古典的な落語、漫才、コントの世界ではないか。しかも、それでドラマのフォーマットを壊して遊んでいるよ…

コンピューターには何ができないか

とりあえず、第三部だけ。基本的には同じ発想シェーマで議論がなされていると見てよさそうだ*1。続けて読むと、さらに踏み込んだ議論も期待したいところなのだが---。そして、踏み込むとき、多分、俎上にあげられてよいと思われるブルックスたちのロボットも…

純粋人工知能批判

この本、以前読んだときの印象がまったく残ってない。読書日記にも何のメモもしてない。とりあえず、下線を引いたところをを中心に拾い読みしたけどやはり印象薄い。イライザの扱いは軽い(118頁)。インターネット本とかぶるところもあり、あっちで十分な感…

田村隆一「帰途」

言葉なんかおぼえるんじゃなかった 言葉のない世界 意味が意味にならない世界に生きてたら どんなによかったか あなたが美しい言葉に復讐されても そいつは ぼくとは無関係だ きみが静かな意味に血を流したところで そいつも無関係だ あなたのやさしい眼のな…

ルーシーとロッドニー

ルーシーとロッドニーそれぞれ簡単に再訪。『インタラクション』と『プランと状況的行為』を続けて読んだら、前者に出てくる上野発言の少なからずはサッチマンの言ってることまんまだった*1。で、いくつかあらためて気になったこと(原書がいま手元にないの…

ウィンターズ・ボーン

揃いも揃って役者の顔がいい。すっげー迫力。絵もキレイ。なんで「ウィンターズ・ボーン」って思ったら、これも---。ブルーグラス、カントリーで決めた音楽もよい。サントラ買おうかしら。映画館にはおいてなかったんだよね。Winter's Boneアーティスト: Dic…

グリコ・森永事件

お昼に、春先、某国営放送でやったグリ森(1984-85)の再現ドラマ+ドキュメンタリーを見る。まず、なによりも見ながら出てくる登場人物たちに「男」を感じた(なにせ、まだまだ仕事は男の世界という時代だったわけですので)。しかし、その一方で、この事件…

知覚の宙吊り

やっぱりそうだったのか!この本、面白い。しかし、いま全部読むのはしんどいな。 私が関心を持っているのは、一九世紀以来の西欧において、いかに個々人は、「注意を払う」という能力の観点から、自己を決定し、形成することが要求されたかということである…

テイラーのコミュニタリアニズム

今月の課題図書の読了が難しそうになってきたので、中野さんの本を読んでみる。なお、私はコミュニタリアンとしてのテイラーには興味がないというか、あまりそこにこだわる必要がないと考えるようになったからテイラーを面白がって読んでいるのだと断ってお…

デイヴィッド・リンチ

デイヴィッド・リンチの新作が出ていたことを知る。Crazy Clown Time [解説付・ボーナストラック1曲収録・初回限定国内盤] (BRC304X)アーティスト: David Lynch,デビッド・リンチ出版社/メーカー: BEAT RECORDS / SUNDAY BEST発売日: 2011/11/02メディア: CD…

インタラクション

久々に読み返してみて、以下のところがちょっと気になったのだがどうなのだろう?やっぱり、ルーシーも引っ張り出してみなくちゃだめかな。ついでに、やり玉にあげられているブルックスも。しかし、軽くすませるつもりだったのに、こんなことやってると収拾…

グールド 

ゴールドベルグ変奏曲(55年版)を聞きながら。いつも晩年の演奏の方を聞いていたのだが、ドキュメンタリーを見たのを機にこっちへ。これが22歳のときか。やっぱりすごい。バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年録音)(紙ジャケット仕様)アーティスト: グール…

インターネットについて

これもドレイファス。いくらネットとつながってインタラクティヴな関係に入っても、それに対する残余のような感覚が残るだろうと。この発想、メルロ・ポンティを引いているのだが、ゴッフマンの議論にも近い。 われわれはただ単に物事に対処する活動的な身体…

自我の源泉

「善の明確化」ってどういうことだろうという疑問は、第4章で明らかにされる。「明確化を行うことは信念をしっかり守るための必要条件であり、それなしではこれらの善は選択肢ににすらならない」。「ここでの中心的な考え方は、明確化が私たちを道徳の一源…

存在論的メディア論

前半は、若干の違和感を感じつつも興味深く読めたのだが、後半に行けば行くほど議論についていけなくなる。これは私の勉強不足のせいだけなのか、それ以上の問題点があるからなのか。斉藤環の批判はあたってそうだ(前掲書202頁)。たとえば、以下の指摘はよ…

はらがコレなんで

久々の夜な夜な映画シリーズ。石井裕也監督今年二本目。いやー「粋」だねー。笑った笑った。もちろんよく考えて撮ってるに決まっているのだが、遊んで撮ってるんだろと思いたくなるような豪快な作り方が楽しい。ふつうに映画であることを望む方には、ぶっと…

人格

テイラーといえばこれもあったなということで読んでみたら、この論文とても面白い。 「自分の感情の一層の意識化が自分の感じていることを変える、ということがわれわれにしばしば生じる」。確かにそのとおりだ。「それを理解したり気づいたりするというしか…

吾妻光良トリオ

今回はトリオでやってくるというので、名前も聞いたことのないライブハウスに遠出した。トリオだとどんな風にやるのだろうかと。ホーンがないから、あのギターを堪能できるんだろうな。選曲も変わってくるのかなと。で、やっぱりあのギターの音色はきれいだ…

エイミー・ワインハウス

たまたまラジオで聴く。トニー・ベネットの新譜で、ちょっと前に残念ながらやはりという感じで亡くなってしまった、エイミー・ワインハウスが共演していることを知る。彼女、十分、ジャズでもやれるというか、こういうテイストって最近ないよねって感じでと…

メディアは存在しない

タイトルが気になり流して読んでみたけれど、基本的にはメディア決定論を批判する本ということでよいのですな。この点、特に異論がない*1。ハイテク・メディアのもとで起こるのとよく似たような事象が起きるもっと素朴な状況を想像してみるのはそれほど難し…

自我の源泉

たしかに面白いし読み応えがある。テイラーが展開する批判はわたしにはとても分かりやすく、納得できるものだし、どこから始めるかについても異論はないのだが、そこから話がここまで行ってしまうと---。 私たちは善との関係で自分の立ち位置を決定しなくて…

シルヴィ・ギエム

ご本尊の出演時間は1時間程度なのに1万円+αもはたくのかと思いつつ、ギエム見たさに散財してしまう。最初の東京バレエ団の絵に描いたようなストーリーと言うが、白黒のシンメトリックな絵はあってもストーリーはないようなベジャール作品も面白かったし、…

道徳性とは何か

ハイデガーついでにドレイファス&ドレイファスの寄稿した論文を読んでみる。「なぜ道徳的経験を判断と同等とみなすのか。倫理的ふるまいと同等とみなすのではなくて」(370頁)。何も言うことはありません。ギリガンの使い方がうまい。 人は日常的な行為を…

世界内存在

今月の課題図書読了。ゴッフマンを読み込むのにハイデガーを参照するとは思わなんだが、この本、面白くとてもわかりやすい。ハイデガー/ガーフィンケル・ラインというのもよく分かる。たしか、シュッツは、ギュルビッチとの書簡かなんかで自分の議論がハイデ…

戦国誕生

出先読書本。とにかくこの時期の政治史は、おそろしくいろんな人がでてくるし、将軍もころころ代わるので、どっかで整理がつかないかと思って読んだら、さらに知らない名前が出てきてすごいことになる。 しかし、基本的には、将軍にしても守護にしても、家督…

ジム・オルーク

ジムの出るライヴはけっこう見ているけれど、ソロで演るのをみるのははじめて。誰かと共演するときよりも、客の入りが多い。ノイズ/アンビエントという感じでとても気持ちよかった。