2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

買うかもしれない本

以前、大瀧詠一がらみでふれた大森昭男さんを取り上げた本がでてますね*1。 みんなCM音楽を歌っていた―大森昭男ともうひとつのJ‐POP作者: 田家秀樹出版社/メーカー: スタジオジブリ発売日: 2007/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含む…

だが、「正しい」というだけでは、ダメなのだ。

来年のゼミのテキストに、反応もあわせて赤木のこの評論を使ってみようかと思っていたのだが、赤木智弘「『丸山眞男』をひっぱたきたい」(『論座』07年1月号)によせた高橋源一郎の一文の一節(『SIGHT』07年33号)から*1。 本人は食うものにも事欠いていた…

「談春のセイシュン」(最終回)

ここだけ読んでも何のことだか分からないでしょうが、いいねェ。『en-taxi』(07年秋号)から。 後年、真打昇進をかけ家元の前で演った根多は、談春も志らくも、包丁、だった。 間をおいて再開希望。

エルメート・パスコアール

最近、ちらほらとジョアンとジョビンあたりのCDを買い続けているいささかのラテン・ブームなのだが、そんななかエルメート・パスコアールのことが気になりだしていた。それでなんとなくいちばん心惹かれたこれを買ってみたら、すっスゴイ。ラテンだと思っ…

「こうせなあかんってこと、ないから」

久々に二本続けて、やっと見に行った河瀬直美監督作品『殯の森』。彼女の映画を見ていると、とても女性的なものを感じる。そこで描かれる濃密な生に圧倒される一方で、どこか言葉を失ってしまうところがあるのだ。今回も---。 たしか前作『沙羅双樹』の冒頭…

『ミリキタニの猫』

ニューヨークで暮らす映画監督のリンダは、近所でミリキタニという名の日系人ホームレスと知りあう。このじいさん、自称絵描きで、絵と交換でなければ金を恵まれても受け取らないし、合州国の保護なんか受けないと言い張る頑固者。時制や前置詞が落ちる「壊…

タージ・マハル旅行団(2)

最近入手した高橋悠治『ことばをもって音をたちきれ』をぺらぺらめくっていたら、タージ・マハル旅行団について書いた一文があった。そこからメモ。 たとえばだれかが電気ヴァイオリンの弦をこする。振動はコンタクト・マイクをとおして電気的エネルギーとし…

君たちはどう生きるか?

ちょっと確認のためにこの本を読んでみた。著者は『世界』初代の編集長であり、戦後民主主義の立場から論陣をはり、丸山眞男「超国家主義の論理と心理」ほかを世に送り出したことで知られている。この本は、哲学科出身の著者が山本有三の依頼で書き上げ、新…

Kenny Rankin

ライノから出ているCDを見かけるとつい手に取ってしまうのだが、それで買った1枚。この年になっても、名前は聞き知っていながら音楽の印象の方は薄いというミュージシャンは結構いて、ケニー・ランキンもその一人。で、たまに手を出してみるのだが、これ…

EM本家(?)の逆襲

献本していただいた本をやっと読む(ありがとうございました)。分かりやすいし、辞書的にも使える便利な本。まだ日本語で読める文献が少ないのだから、事項索引には原語も付すとえがったのでは。 エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ (ワードマップ)作…

山口定『市民社会論』

お仕事用。どんな論点があるのかを知るには便利な本。だけど、苦手なタイプ。どうしても読んでるうちに筋が追えなくなってしまうのだ。 市民社会論―歴史的遺産と新展開 (立命館大学叢書・政策科学)作者: 山口定出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2004/04メディ…

上杉隆『官邸崩壊』

どこかで聞いた話のかなりはこれに出てきますネ。 官邸崩壊 安倍政権迷走の一年作者: 上杉隆出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/08/23メディア: ハードカバー購入: 9人 クリック: 202回この商品を含むブログ (105件) を見る

非正規雇用の割合は

朝日のこの記事が気になった。全トヨタ労連が非正規雇用の割合を3割以内に抑えるよう促す目標を掲げたというもの*1。 http://www.asahi.com/business/update/0921/NGY200709210010.html 業種や職種によって事情も変わるだろうから、この3割という数字が高…

「女の島」済州島

本屋でたまたま見かけて、気になって手に取りなんとなくそのまま買ってしまった。ボクも詳細は知らないのだが、済州(チェジュ)島は韓国でも特殊な事情を持つ地域で、在日韓国朝鮮人にも済州島出身者が多いそうだ。太平洋戦争末期には、沖縄同様、本土決戦…

仕事に生き甲斐なんて求めず、ちょぼちょぼに生きる

会議のあいまにはずんずん軽めの本を読むのがよいというわけで、お仕事上必要にせまられたこともあって、まず、『若者はなぜ3年で辞めるのか?』を読了。この本、タイトルがあれなのでずっと読んでなかったのだが、思ったよりもまともな印象を受けた。それ…

石田徹也

先週の『AERA』で紹介されていた故石田徹也の作品ってちょっと面白そうですよ。 石田徹也遺作集作者: 石田徹也出版社/メーカー: 求龍堂発売日: 2006/05/01メディア: 大型本購入: 6人 クリック: 134回この商品を含むブログ (100件) を見る

タージ・マハル旅行団1972年7月15日

その筋では有名なタージ・マハル旅行団。行きつけの中古盤屋で見かけて即購入。聴きながら、ジャーマン・ロックみたい、あるいは、ジョン・ハッセルにこんなのあったなとか思いつつ。いずれにせよ、この時期にこんなことやってたんですね。この周辺の音源っ…

内部告発

別のことを調べていたら、こうした先達がいたことを知りました。 http://www.nuclear.jp/~madarame/lec1/tonami.html

大嶽秀夫『新左翼の遺産』

これもやっと読了。『日本型ポピュリズム』みたいな本を書いている著者が、こんな本を出すというのは正直のところ意外だったのだが、考えてみればそういう世代だし、論点としてもつながりますね。 内容はといえば、「新左翼は、一面では、一九世紀から二〇世…

岡本裕一朗『ポストモダンの思想的根拠』

今頃になって気になって読了。議論が分かりやすく整理されているので便利。ポイントはここか。 「しかし、問うべきは、「革命的なはずのマルチチュードが、なぜ〈帝国〉を支えるようになるのか」(p179)。 ただし、その点では物足りないところもあって、やは…

スペルベル&ウィルソンここまで

ということで、とりあえずたらたらと読了。前読んだときよりもよく分かったし、面白かった。やっぱりよく考えられてるな、としか書けないのが情けなくもあるが。 すべての発話は最も基本的なレベルにおいて、話し手が伝達しようとする思考に対する、多かれ少…

スタントマン・マイク

今日も夜な夜な映画を見てきた。いまのうちに本も読まねばならないが、映画もみておかなければ。というわけで、『デス・プルーフ』。見てない人にはこれじゃ分からないでしょうが、他に書きようもないので。 前半と後半でがらっと雰囲気が変わる。前半は、あ…

今日もスペルバー&ウィルソン

惰性で今日も引用しておきますと 我々が言わんとしていることは、自然言語の意味論は弱すぎて考え得る思考のすべてをコード化できないかもしれないという主張が、言語伝達における言語の役割について知られているところとかなり整合性をもっているということ…

1968年

『革命的な、あまりに革命的な』の焼き直しだと思ってこれまで読んでなかったのだけれど、必要が生じて読んでみたらずいぶんと違っていた。ベ平連の背景にソ連の影を読み込み、さらに全共闘とベ平連の親和性をその非-市民的性格から説明。華青闘告発がもたら…

そういえばパーソンズは

『シッコ』を承けて。http://d.hatena.ne.jp/Talpidae/20070911/p2 かつてタルコット・パーソンズは、合州国の医師を、普遍主義、機能的限定性、感情的中立性、集合体志向というパターン変数の組み合わせからなる専門職役割として説明していたわけですが、こ…

体制にとって教育と健康に自信を持つ国民は扱いにくい

夜は映画の時間というわけで、マイケル・ムーアの話題の新作、『シッコ』を見てきた。アメリカ合衆国がいわゆる先進国で国民皆保険を実現していない唯一の国であるということは、しばしば指摘されているが、この映画で取り上げられるのは、お金がなくて保険…

今日のスペルバー&ウィルソン

今日はここをメモ 人は処理を受ける想定が関連性があると期待し(もしそうでなければ、わざわざそれを処理しようなどとは絶対に思わないであろう。)、そして、その期待を正当化するような文脈、即ち、関連性を最大にする文脈を選ぼうとするのである(172頁…

スペルベル&ウィルソン

こっちはとりあえずここをメモ。 ひとつの意図明示行為を理解するということは、伝達者の伝達意図に関する仮説の構築と確認を伴う。もう一方では、先ほどみたように、意図明示の最も関連性のある効果とは、聞き手が以前に持っていた想定を確認することなのか…

サイード自身が語るサイード

朝の景気づけに。こういう本を読むと元気が出てきてよいですな。 『テヘランでロリータを読む』を思い出しながら、 真の問題は、抑圧された人びとがもはや抑圧されなくなったあとに生ずるのだ、と。なぜなら現実に、社会変革の問題、ナショナリズムの問題、…

ちょっと気になる 梶山季之

すぐに手を出す余裕はなさそうだけれど、備忘録代わりに。9月7日付『週刊読書人』を読んで、梶山季之がちょっと気になっている。恥ずかしながら「季之」を「としゆき」と読ませることをはじめて知った。 梶山季之と月刊「噂」作者: 梶山季之資料室出版社/…