2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展

仕事を早めに切り上げて見に行く。多分(少なくとも意識的に絵を見るようになって)、はじめてのフェルメール。とはいえ、たった1枚。しかし、普段よりも人が多い。フェルメールと騒ぐだけのことがあるのはよく分かったけど、それだけでなく、17世紀オラン…

エコロジカル・コミュニケーション

以前に旧訳本で読んだときよりも、これがエコロジーを扱った本なのだと思えたのはなぜだろう。これに加えてリスクの方まで読めば、ギデンズやベックの議論はあまり参照する必要はなさそうだな。しかし、まあ、ほんとに道徳ってあてにならないよな。 エコロジ…

イントレランス

生まれて初めて伝説的な作品『イントレランス』を見た。しかし、仕事のあと行ったものだから、もうへろへろで最初の方、少しうとうとしてしまった。いまならふつうにみられますね。しかし、あのセットはすごい。

戦国法成立史論

やはり、勝俣本は面白い。こうやって各論文を読んでいくと、戦国期に成立したアジール的な「一揆」=「公」の空間が戦国大名によって簒奪されていく過程が織豊政権で一応の完成を見て、近代日本社会の原型が作られていくのだなというイメージが読み取れる一…

セルジュ・ゲンスブール

で、久々にゲンスブールなんぞを聞いている。ベスト・オヴ・セルジュ・ゲンスブール(2CD)アーティスト: セルジュ・ゲンスブール出版社/メーカー: ライス・レコード発売日: 2011/05/01メディア: CDこの商品を含むブログを見る

日本中世法史論

週末は仕事と関係しない本を読むぞということで手始めに。折り紙の話も興味深い 鎌倉時代の幕府法は、当面する頻発的且具体的訴訟の一元的解決を図るところにその主要な立法契機をもつ半面、未来に対しては極めて限定的な拘束力をもつに過ぎなかった。当時の…

ジェイコブズ対モーゼス

面白い。『アメリカ大都市の死と生』を顕すことになるジェーン・ジェイコブズが同時代にどんな活動をしていたかがよくわかる。市街地を猛スピードで車が走り抜け、ラッシュ時の渋滞はもちろん、週末は路駐の嵐。近所に空きビルができる度に学習塾が入る町に…

ゲンスブールと女たち

くたびれて何もする気もない空き時間に、期待しないで見に行ったら、思いのほか、面白かった。漫画や人形の使い方のうまいし。タイトルとは違って、ゲンスブールがロシア系のユダヤ人であるという屈折した感情が軸になってるんだな。少年時代のゲンスブール…

声の大きい者の意見がとおるとき

カーンバーグは、ビオンを引きながら、「強力な退行が、構造化されていない小集団において発生し、そべてその構成員の相互的活発化によって、自我発達の早期の段階の全体的情動状態ときわめて類似した状態が引き起こされるかもしれない」と述べているのだが、…

「家庭教育」の隘路

うちの学生が集中していると思われる出身階層を考慮すると、ゼミでテキストに取り上げたら、きっとこういうことが確認されてしまうだろうと思ってしまいながら、ゼミでこの本を読んでいくと、本当にその通りの話がでてきてしまう現実をどう受け止めればよい…

それぞれのファン研究

お仕事読書。以前読んだ本のからみで気になるところ、興味深い点をピックアップ*1。まず、腐女子をめぐって、 活動者たち自身の考え方と一般メディアによる表象との間には、葛藤がある一方で、メディアによるステレオタイプ化されたイメージへのおびえやそう…

リスク

これ読んで、そういえばリスクの話ならM・ダグラスもしていたんだということを思い出した。日本を例にあげながら「罹災者に責任を負わせ賠償を要求するための法廷装置として、危険が利用されている」ことが確認される(214頁)。 この儀式的処方箋に関する考…