2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『普遍論争』

今年度の積み残しと来年度の手始めにと思って読んでみたら、そういう意味でははずれの本だった。なにしろ、入門書と言いつつ 15世紀以降の哲学史の整理、つまり中世の末期、いや近世の初頭における中世哲学の図式化は、中世哲学における普遍論争を覆い隠し…

中世に生きる人々

出先で読んでた本、やたらと時間がかかって読了。シャルルマーニュって生きているときから半ば伝説上の人物だったらしい。 中世に生きる人々 (UP選書 34)作者: アイリーン・パウア,三好洋子出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 1969/06メディア: 単行本…

メーヌ・オセアン

ここに出てくるのは小娘じゃないけど、その感覚はやっぱり小娘だな。で、一人はダンサーでもう一人は弁護士という「小娘」二人が、列車内で意気投合して、車内でトラブった検察係二人をまきこみ、まともに弁護もできなかった被告の漁師もまきこみ、あれこれ…

オルエットの方へ

今日もロジエ。3人娘がヴァカンスでなんか季節外れっぽい南仏へ行ってはしゃいでる。その毎日が日記のように描かれていって、一見するとホーム・ムーヴィーみたいなんだけど、箸が転んでも笑うとか言うけど、年頃の娘のいかにもという感じが伝わってきてその…

ピートのソロのベスト

他方、今週は仕事の合間にこれを聞いている。ソロのピートもいい。ANTHOLOGY~ベスト・オブ・ピート・タウンゼントアーティスト: ピート・タウンゼント出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント発売日: 2005/10/05メディア: CD クリック: 2回この商品を含…

アデュー・フィリピーヌ

今週はひたすら訳文のチェックをやっては映画を見に行っての繰り返し。一本目、ジャック・ロジエの処女作。とにかく見ていて気持ちがよくなる映画。久々に映画をみてすっごい開放感に浸された。ストーリーはあるようなないような、とにかく、二人の女の子が…

ボブ・ディラン

名古屋に来て1年目に仕事のせいでふいにしたディランのチケットを取り戻すときがようやくやってきた。しかも、この間にルーツ志向の高めたディランはさらにパワフルになってるみたいだ。それもZEPP名古屋でオール・スタンディング(2階席は座れるようですが…

Contesting Psychiatry

Contesting Psychiatryという本について耳学問してきました。私はこの本でつまずいたままなもので*1きちんとフォーローしてなくって、現象学的人間学の話とか出てくるのかと思っていたら、全然そんなことはなくて、最近出たこっちの本の延長にあるようなお話…

フェアポートの「スーザン」

しばらく前に「クワイアー・ボーイズ」の続編を見ていたら、レナード・コーエンの「スーザン」を取り上げていて、この曲、もちろん原曲もだが、フェアポート・コンヴェンションのカヴァーもよかったよなと思って、CDをひっぱりだしてみたけどオリジナル・ア…

組織の退行

やっとカーンバーグを読了。前者は論文集であり先行研究が半ば自明のものとして言及されるので、対象関係論に疎いボクなんかは、そのあたりを敷衍した書き下ろしたものとも読める後者と併読した方が、わかりやすい。意外というか、興味深く思えたのは、カー…

バッド・ルーテナント

さて、いったいどこまでが幻覚なのでしょう?

カーンバーグ『内的世界と外的現実』

カーンバーグの境界パーソナリティの説明を簡単におさらい。とってもクリアな説明だと思うし、対象関係論と自我心理学を統合してみせるあたりも鮮やかな手際だと思うのだが、世間的に知名度が低いような気がするのはなぜなんでしょう? 神経症の患者の場合、…

海賊とは誰のことなのか?

阿部浩己「海賊と、国際法の未来」(神奈川大学評論64 2009) 上記論文を読みながら思う。海賊退治に、海上保安庁の船を派遣するのか、それとも自衛隊の船を派遣するのかということが、 国会での議論の俎上にあげられていたわけだが、よく考えてみると、この…