2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

生物と無生物のあいだ

これまた話題の本を移動中に。もとが『本』の連載だから、科学者の逸話なんかもでてきて面白く読めるが、いささかかったるくもある。でも、本題から少し外れるなと思った最初の野口英世のエピソードが最後のオチに重なってくるあたり書き方がうまい。高校で…

私、風邪ひとつひかない人はリブなんかやらないで欲しいと思ったわ

田中美津 上野千鶴子『美津と千鶴子のこんとんとんからり』(木犀社2003) 西村本が面白かったので、積ん読状態だったこの本を引っ張り出して、出先でちょぼちょぼ読む。上記は168頁の上野の発言。こんな感じで面白い発言てんこもり。原著は1987年、20年前…

コンナオトナノオンナノコ

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=8404 30前のオンナノコが自分のしあわせをみつけるまでのストーリー、と書くとすごくありきたりな感じがするんだけど、その過程で仕事に生きる独身女と子育てに埋没する母がそれぞれのポジショ…

疎開先を物色中

来春の花粉の飛散量は、東海では最高で平年の3倍、とにかく平年を上回り、関東は平年並み、ということ(『朝日』朝刊)。春先は関東に疎開しようかな。

「政治の季節」はどこで継続したのか?

原武史『滝山コミューン』 話題の本、某所での待ち時間を利用して一気に読了。複雑な気分で読み終えた。単純に60年代で「政治の季節」は終わったわけではないというのはなるほど。たとえば、それはこんなところでこんな風に継続していたわけですね。 ボク…

森達也『いのちの食べかた』

映画の延長として、来年度の予習として、手始めに手にとった一冊。読んでみたら、「牛や豚がと場で殺される理由は、僕らが食べるからだ。ところが僕らは彼らの哀しみを知らない。見て見ないふりをしてきたのだから」(68頁)というところから、話は意外な方向…

西村光子『女たちの共同体』

通常業務も今日で一応終わり、というわけで、これまで気になりながらも読めずにいた本に手をつけながら、やはり手つかずにきたお仕事に手を染めねばというわけで、とりあえずこれを手に取る。ちょっととっちらかった印象もあるが、こういうことを取り上げて…

むかし、ここには何があったっけ

大熊ワタルのシカラムータを聴きながら、飯田泰之『ダメな議論』(ちくま新書)を読んでいたのだが、一息入れようとぐぐったら、こんなものを発見。市ヶ谷の法政大学は随分と変わってしまったが、このインタビュー面白いよ。 http://blog.goo.ne.jp/red-rat-…

戦後日本の闇

ついつい『ETV特集 熊井啓 ・戦後日本の闇に挑む』を見てしまった。帝銀事件にせよ、『海と毒薬』にせよ、松本サリン事件にせよ、忠実に事件を再現しようとする熊井の執拗さが一種の思考実験となってリアルをとらえる。そんな姿が原一男や木村威夫、渡辺謙、…

『写真0年 沖縄』−名古屋展シンポ

けっきょくへたって上京しなかったので、近所でやってる『写真0年 沖縄』-名古屋展のシンポへ行ってみた。遅れていったので『島クトゥバで語る戦世』から見たのだけれど、このドキュメンタリーを見て感じたのは何よりも、うちなわぐちってこんなにも分から…

レッド・ツェッペリンはポストフォーディズムである

毛利嘉孝『ポピュラー音楽と資本主義』 前著が面白かったのでこれも読んでみる。教科書として書かれたということだが、なるほどと思わせるところも結構あり。特にJポップを取り上げたこのあたりの記述なんかは面白かった。Jポップの受容は親密圏の問題とし…

ギュウとチュウ

赤瀬川原平の『全面自供!』を読んでたら、この二人の名前も出てきて、どんなことやってんだろうと思ったら、近々豊田市美術館でやるというではないか?でも、気づけば終了目前。今日を逃すと行く日がないということで、早めに仕事を切り上げてでかけてみた…

ムンク展、サイレント・ダイアローグ

上京二日目の午前はムンク展に行ってみることにした。東京で美術館へ行くと、とても見た気になれないほど人がわんさかいるのがしばしばなわけだが、日曜のわりには思ったほど混んではいなかった。まあ、たしかに『叫び』は来ないし、展示されている少なから…

イタリアのトラック・スト

イタリアのトラック・ストはすごいことになっていたらしい。スーパーから生鮮食料品が消えたとか。 http://www.cnn.co.jp/business/CNN200712130006.html http://www.afpbb.com/article/economy/2324204/2445975 http://www.asahi.com/international/update/…

会議は

今月の会議中に読んだ本は、これとこれ。 色川大吉『水俣ーその差別風土と歴史』(反公害会議編) http://www.bk1.jp/product/00919909 こちらは、ティモシー・S・ジョージの『ミナマタ』に引かれていたのが気になり(これ誰か訳せばいいのに)、たまたまネ…

政党ビラ配布有罪によせて

また、こんな判決が出たのですな。問題点はいろんなところで書かれるだろうからただ思ったことを。 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007121290070900.html 「立ち入り禁止」と貼り紙さえしておけば警察に通報して逮捕していただけるというのなら、みん…

名古屋でも「写真0年 沖縄」

やっと沖縄に美術館ができて、その関連イヴェントとして「写真0年 沖縄」というのが開催されたらしいのだが、名古屋でも「写真0年 沖縄」−名古屋展がある。22日には関連イヴェントも。行きたいなーと思うのだが、またもやこの日名古屋にいるかどうか問題…

『未完のレーニン』

前述の『神奈川大学評論』の対談で大澤真幸が誉めていたので、私もこの本を読んでみることにした。ちなみに、大澤は『朝日新聞』(12月6日朝刊)の「私の3点」でもこの本を挙げている。『情況』でもこの本がらみの特集がくまれたり、かなりの評判を呼ん…

同棲時代

朝日の日曜版から。国勢調査の結果によれば、結婚せず同棲する男女が、2000年の24万3600人から2005年の33万6700人へと、5年間で4割も増えているのだという。とりわけ、20代、30代の増加が目立ち、「未婚で同棲する人の高齢化」が進んでいるとか。 記事…

あら、こんなシンポもある

こんなシンポジウムもありますね。これも面白そう。でも、きっとこの日は、こっちにはいないんだよな。http://www.nagoya-u.ac.jp/info/event/071215_sis.jpg

フレデリック・ワイズマン『少年裁判所』(1973)

やると分かっているのに忙しいからと一本も見ないのは口惜しいので、仕事のあとに見に行ってみた。@愛知芸術文化センター。とはいえ、1本が2〜3時間はあるワイズマン作品を見るには体力がいりますよ。もらったパンフには北小路隆志が寄稿していて、「ワ…

『「水俣」の言説と表象』

もう手遅れになりそうな仕事の一貫としてやっと読了。当時の新聞記事やテレビ番組をなぞって描き出される事柄は、知らない知見も多く、興味深く読めた。とくに、これだけ漁民暴動に注目したものはこれまで読んだことがない。でも、なんだか違和感も残る。「…

よくわからないタスポ

ボクはタバコは吸わないからどうでもいいといえばいいのだが、未成年者の喫煙防止と称して、タスポという登録制で写真入りの成人識別カードを発行して、このカードがなければ自販機でタバコを買えなくするのだという。東海地区では6月から実施とのこと(1…

あら、こんな講演会がある。

こんな講演がありますね。1週間早く分かっていたら、ゼミをこちらに振り替えたのに。http://www.nanzan-u.ac.jp/Menu/news/2007/pdf/071126_Hiroshima.pdf

『いのちの食べ方』

大量生産されているわれわれの食い物が機械化された工程に組み込まれていることは、なんとなく分かっているわけだが、それが実際にどのようなものかはよく知らなかったりする。これはそれをとらえたドキュメンタリー*1。時節柄からいってもタイムリー。映像…

人文科学の死後あるいは余生

今頃になって7月刊の『神奈川大学評論』特集「「大きな物語」再論と知識人の役割」を読んでいる。冒頭の小林康夫と大澤真幸の対談「物語の不在と知識人の役割」が期待に反して面白かった。かつてフーコーは人間の死を暗示し、その後それはある意味であたっ…