今夜はドキュメンタリー。想田監督って一作ごとになんか一線を越えていく感じがするな−。今回は、岡山で要介護者の送迎サービス事業をやっている夫と介護ヘルパーをやっている妻の老夫婦を中心にした作品なのだが、まず、出てくるエピソードがそれぞれ素朴に面白い。とにかく映っているものを見るしかないので、具体的な話をするのは避けるが、訪問先はどこも昔からひっそりと残っているような家ばかりで、車は、そうしたいまの社会から置き去りにされたような場所を巡っているようなところがある。そうした場所が残っていることにどうしようもなく愛着の念を覚えてしまうと同時に(「三丁目の夕日」とか言わなくても、そんな場所はいくらも残っているし、当時と変わらない調子で暮らしている人はいるのだ)、そこが社会から取り残された場所なのだと感じずにはいられない。そこに『平和』があるとはどういうことなのか?
もしかすると、この本はこの件に関連しているかもしれない*1。
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*1:と思ったら、こんな手厳しい書評が。http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20110530