2007-01-01から1年間の記事一覧

あいかわらずダライ・ラマ来日の扱いは小さい

ダライ・ラマが来日しているらしいのだが、相変わらず新聞には小さくしか載らない(テレビはどうだったんだろう?見ないから分からないけど)。おそらく中国政府を意識してのことなんじゃないかな。でも、新聞が気をつかうことはあるまいと思うのだが。もっ…

『童貞を。プロデュース』

http://virginwildsides.blog111.fc2.com/blog-entry-12.html 噂の『童貞。をプロデュース』が名古屋で三日だけ夜一回の上映。というわけで、シネマスコーレへ。初日の今夜は松江監督来訪ということで、混んでそうだからやめようかと思いつつぎりぎりに行っ…

なぜかマッキー

槇原敬之ってときたま耳にする楽曲を聴いていると、きれいなメロディだなとは思うけれど、詞の世界があまり好きになれないなーというのもあって、デビュー当初からのイメージがあまり変わらないまま、ここまで来ていた。でも、たまたま新作をフルに聴き通す…

岐阜県現代陶芸美術館

招待券を手に入れ、何となく気になるので、岐阜県現代陶芸美術館*1の「じゃんけんぽんの考え方 勝ち負けのない共存」へ行ってみることにした。ネーミングはちょっとあれなのだが展示そのものはとても面白かった。そもそも陶芸というとどうしても何百年前の織…

カタカナ書きのワールド・トレード・センター

燐光群*1の新作が『ワールド・トレード・センター』だと聞いたとき、なんでまたワールド・トレード・センターなんだと思った。しかも、この作品の登場人物の大半は日本人、話される言葉もかなりは日本語で、あとは少々の英語。もちろん炎上するワートレなん…

他者の言語

学会後の予定だけを敢行して、秋の静岡へ 『王女A』(作・演出:松田正隆 演劇ユニット水蜜塔) 全編モノローグで展開する。モノローグといっても舞台上の俳優が客席に語りかける一人語りのようなものではない。誰かに語りかけるときのような間がほとんど感…

渋さ知らずオーケストラ

今週は楽しくないこと続きだったので、草臥れて学会行きをやめた勢いでついつい踊りに行ってしまった。もちろん、ダンサー+ふんどし兄チャンつき。メンバー全員ステージにのりきれるのかしらんと思っていたら、脇にもステージを作って踊っていましたよ。以前…

「アンハッピーマンデー」は聞き飽きた

朝日の土曜版が紹介している記事によれば、「ハッピーマンデーを楽しんでいない人」は67%で、楽しんでいる人は33%(ただし、朝日のbeモニターに登録している約4400人のうち2523人が回答した数字)。教育関係に従事している人にとっては、ハッピーマンデー…

井土紀州『ラザロ』三部作

井土紀州の『ラザロ』三部作(『蒼ざめたる馬』『複製の廃墟』『朝日のあたる家』)を見てきた。ちょっと前に『ブラック・スネーク・モーン』と『ブレイブ ワン』を見ていたことがよい伏線として働いてくれた。前者を見ていれば、なぜマユミがラザロなのか分…

「永田洋子は私だ」

学生がゼミで、西村光子『女たちの共同体』(社会評論社)という本を紹介してくれた。この本のなかに田中美津が「永田洋子は私だ」と言っていたというくだりがでてくる(らしい)。ボクはこの話をまったく知らなかった。だが、ちょっと考えてみれば、どうみ…

「村上春樹においては自意識の屈折がジャズとの出会い方なのだ」

小野好恵が中上健次との対比で村上のジャズ観を記した一文(25頁)。中上健次がアルバイト・アイラーをはじめ、フリー・ジャズにこだわりを示すのに対して、村上春樹がむしろフリー・ジャズを拒絶し、ウエスト・コースト・ジャズに向かうところから引き出され…

片山広明with渋さチビーズ

というわけで、渋さ知らずだと、不破大輔はベースを弾かないので、どんな感じのプレイをするのかと行ってみたわけだが、他のメンバーも含めて、よかったよかった。ゲストにヴァイオリンも入って、ハイブロウなプレイが繰り広げられる一方、リラックスして笑…

『ブレイブ ワン』

夜は草臥れて何もする気になれなかったので映画を見に行ってしまった。この映画の特徴をストーリーから捉えようとすると、それこそダーティ・ハリーみたいとかいろいろその手のものを挙げることもできるわけで、どうってことない感じがするのかもしれない。…

『ブラック・スネーク・モーン』

東京から戻って夜の映画館へ直行。@名古屋シネマテーク。評判通りの傑作。サイコーにオススメ。これがブルーズでしょう。 この映画が素晴らしいのは、(もちろん、それだけではないが)凡百の癒し映画とは違って、ある意味では、決して誰も癒されることはな…

盛山和夫『年金問題の正しい考え方』

・将来の国民年金への不安から未納者が増えていると言われているわけだが、じゃあホントのところ、保険料を納めるのは、お得なのか損なのか?未納は本当に問題なのか? ・年金制度を危うくする本当の要因は何なのか?そもそも問題があったのは、実は1973年の…

イマドキノ政治運動

次に待ちかまえているお仕事二つのうちの一つ用。同じ著者の新しい本も出てるけど、とりあえず合間合間に読めそうなこれから。まず、素朴にいろんな運動が紹介されていること自体が面白かった。で、 なぜ文化なのか?以前ここで言及した本にからめて「新しい…

熊沢誠『格差社会ニッポンで働くということ』

シンポが終わってお役後免になったはずなのだが惰性で読了というか、空き時間を見つけて読める本を選んだらこれになった。以下、こんな感じでいくつもの日本社会を縦断している格差が検討に付される。1.大企業と中小企業の格差の再拡大、2.企業内での個人別…

食い物はどこまで大量生産できるのか?

赤福そのほかで製造日の偽装その他の事実が明らかになり、そうなると業者のモラルを問う声がどーんと広がっていくわけで、まあ、それはそうなのだが、でも思うに、そもそも食べ物ってどこまで大量生産に向いているのだろう?あわせてそっちの方も考えてみて…

「大竹伸朗 全景」その後

昨年末「大竹伸朗 全景 1955-2006」を見に行ったときに図録の購入予約をした。図録の予約なんてめったにすることはなく、せいぜい次にその美術館に来た機会に面白そうなら買えばいいやって感じなのだが、重さ8キロくらいになるとかいうフレコミだったので、…

ひきこもり文化論

オススメ。これまでこの本を読まずに来たのは失敗だった。 ダイエットは対人関係を良好にするコミュニケーション戦略と考えることができるのだが、そのように考えた場合、ダイエット(あるいは摂食障害)を介したコミュニケーションはネット・コミュニケーシ…

あなたの最低生活費は?

やっと届いた『貧困襲来』。『生きさせろ』のところでもちょっと書いたけれど、どうもわれわれの少なからずは生活保護の意義をよく知らない。さらに、安倍元首相のかかげた「再チャレンジ政策」や母子家庭やホームレスに向けた「自立支援」が、生活保護を受…

「逸脱しないというところから生まれる逸脱」

最近出た「ひきこもり」の本。これもシンポ用。データをとりまぜながら「ひきこもり」を不登校などの隣接概念と比較しながら定義していく導入部の議論は手堅くて便利。 「ひきこもり」の議論の出始めのころはわりと丁寧に議論を追いかけていて、自分なりに得…

黒川紀章の建築

12日、黒川紀章が死んだ。あれ随分痩せたなとは思ってたけれど、選挙に出たりしてまだまだ若いなーと思っていた矢先の死だったのでちょっと驚いた。晩に某国営放送で追悼番組をやっていたのだが、黒川が若い頃会議で訪れたロシアを再訪するという趣旨の番組…

パレスチナ・キャラバン

『アザリアのピノッキオ』。白川公園で芝居を見られるのはいいなと、楽しみに出かけていったのだが、私にはなんだかよく分からなかった。歌あり、笑いあり、ということで個別には楽しめなかったわけでもない。だが、観客のリアクションを見ながら演技できる…

生きさせろ、ホントに

生きさせろ! 難民化する若者たち作者: 雨宮処凛出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2007/03/13メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 104回この商品を含むブログ (141件) を見る 偽装請負の実態なんてよく知らなかったし、非正規雇用でこきつかわれている人た…

きょうから、ぼくは学校を、やめます。みんなとは、きょうからあかの、たにんです。にらむなら、かってににらんで、ください。でも、きょうからぼくは、ふつうの人です。

またもやシンポのお勉強で貴戸理恵『不登校は終わらない』を読了*1。上記は貴戸本からの孫引き*2。 不登校が大きな問題になっていった頃はボクもまだ生徒だった頃で、たしかに周囲にも次第に学校に来なくなる生徒がいた。そして、その頃から現在までボクの不…

『グラストンベリー』

というわけで、『グラストンベリー』。本筋と関係ない(というわけでもないと思う)けど、すぐにティナリウェンがでてくる。これがかっこいい。生で見たいよ(東京にくるみたいですが)。それはともかく、 グラストンベリーというとボクのなかでは80年代頃…

安田雪『人脈作りの科学』

院生のお勉強を手伝うために即席でネットワーク論に手を染める必要が生じて、とりあえずいちばん手軽に読めそうなネットワーク論を扱った本ということでこれを手に取ってみた。読みやすく書かれてはいるが、必ずしも分かりやすい本というわけでもなかったり…

『サッド・ヴァケイション』

アタマが回らず、ついついぼーっとしてしまう金曜日は、午前中に映画を見て、午後はお昼寝する。で、夕方から一仕事。というわけで、青山真治の『サッド・ヴァケイション』(伏見ミリオン座)。 健次は、中国人の密航斡旋に関与しているのだが、渡海途中で父…

『若者の労働と生活世界』

再読して簡単なメモを作る。この手のことを扱った本は毎年3月前後にまとめて読むのだが、今年はとある事情からこの時期も読まなければならない羽目になってしまっている。とはいえ、オススメ。掲載されている論文はいろんな領域に渡るが、問題の中心はやはり…