「村上春樹においては自意識の屈折がジャズとの出会い方なのだ」

 小野好恵が中上健次との対比で村上のジャズ観を記した一文(25頁)。中上健次がアルバイト・アイラーをはじめ、フリー・ジャズにこだわりを示すのに対して、村上春樹がむしろフリー・ジャズを拒絶し、ウエスト・コースト・ジャズに向かうところから引き出される解釈。そうかもしれないと思った。思えば、こんなマニアックな本を訳してるし。以前、この本を読んで、ビル・クロウがバックを務める演奏は手元にないかと探して聞いてみたりしたのだが、知らぬうちにこの本、文庫化されていたのですな。もう一つ出てるのは知らなんだ。

ジャズ最終章

ジャズ最終章

さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想 (新潮文庫)

さよならバードランド―あるジャズ・ミュージシャンの回想 (新潮文庫)

ジャズ・アネクドーツ (新潮文庫)

ジャズ・アネクドーツ (新潮文庫)

こんな編集盤もありますな。

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)

ポートレイト・イン・ジャズ (新潮文庫)