- 作者: 雨宮処凛
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/03/13
- メディア: 単行本
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偽装請負の実態なんてよく知らなかったし、非正規雇用でこきつかわれている人たちの実態を知るとっかかりとしてとてもよい本だと思う。また、「ふつう」に働いている人だって、これほど苛酷じゃないにしても、読みながら自分も思い当たる経験がある人は多いんじゃないだろうか?
それから「やりたいこと志向」の若者にお怒りのみなさま、ときに気持ちがわからないわけでもありませんが、
しかし、なぜ「やりたいことをやる」ことが、ホームレスまで覚悟しなくてはならないほどのことなのだろう。そもそも、そこからしておかしいのだ。やりたいこととその後の人生がひきかえにされるなんてあまりにも残酷ではないか(98頁)。
ってのはそうでしょう?
あと、働いても生活保護を受けている人よりも収入が低いってワーキング・プアが問題にされているわけですが、ここで湯浅誠さんが教えてくれるのは、働きながら生活保護だって受けられるってこと。これまで気づいていなかったけど、そもそも生活保護ってわれわれが独り立ちして生活していけるようにするための支援なのだから、これって当然のことだ。それなのに「働いている人には基本的には保護をかけない」という実情があるってのはどうなのよ!
我々は半福祉、半就労っていってるんですけど、半分働いて、半分は福祉。そういうやり方をもっと広めていく必要がある(111頁)。
とか紹介してると暗そうな話ばかりじゃないかと思う方は、最後の方で紹介されている松本哉さんのところを読みつつはじけてください*1。この人楽しすぎ。
*1:http://hajime.dotera.net/、http://keita.trio4.nobody.jp/。