「立川談春 30周年 もとのその一」

 今回かけたのは、「夢金」と予告されていた「文七元結」。両方とも以前聞いたことがある噺だが、とりわけ「文七元結」はかなり変わっていたというか、この人のある種の部分のらしさが以前にもまして強く出るようになっていると思う。
 談志が亡くなってこの2年ほど、けっこう談春を聞く機会があったけれど、「大工調べ」はあの啖呵をきれいに切らなかったしとか、かなり印象が変わってきた観がある。最初は、本格派という感じだったけど、最近は必ずしもそんな感じでやってない。本人もこんなぐだぐだな感じでとか言ってたりした。でも、今日は師匠が見ていてくれたらとも語っていた。談春は談志の30周年でやった「芝浜」を聞いて、この人に弟子入りしようと思ったらしいけど、ちょっとそんな談志みたいな感じになってきたんじゃないかな。来春、鎌倉でもやるけど、これは無理だな。