立川談春独演会「芝浜」

 年末にフェスティバルホールで「芝浜」というのも悪くないか。志らくは年末に「芝浜」かけないみたいだしと思っていたら、行けなかったけど鎌倉でかけて、名古屋でもかけて二つを比較することになった。談春は、テレビで活躍していることもあってマクラでも自分語りが多い。で、ちょっと変わった「蝦蟇の油」をかけたあと、「赤めだか」コーナーがあり、テレビを見ない私も一応見ておくかという気分になりつつの中入り後、二宮の話をマクラに「芝浜(ほんとに、に〜ののテンポが速くなるシーンで思わず「うまい」と声にだしてしまった。」しかし、あの音楽はひどい)。かなり、話の構成を変えつつも談志の継承した感じの「芝浜」、聞きながら、むしろあっさりした志らくの「芝浜」の方がよかったなと思いつつも、最後は聞かされてしまうのだから、いやはやなんとも。談春という人は、最近、話のなかにちょっとした人生観のような理屈を持ち込んでくることが多い。これは一つの談志の継承の仕方だろうと思う。今回は「正しいこと言うな」ってのが一つのキーワードかな。たしかに、正しさはときに人を傷つける。それで、人情話と展開するというのはやはり談志を踏まえたヴァリエーションなんだろう。これをどう評価したものかと思いつつ、さらに変化していく「芝浜」を見たいとも思う。毎年、大阪フェスの「芝浜」が恒例になるんだろうか。スケジュール的にはかなりつらいんですけど。

赤めだか (扶桑社文庫)

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