地点「忘れる日本人」

 ここのところ遠征できずにご無沙汰だったが久々の地点。『忘れられた日本人』なら宮本常一でしょうが、これは「忘れる日本人」。もちろん宮本常一を意識しているでしょう。舞台の真ん中には大きな木像の船があります。回りは糸で囲ってあり、内と外は別の空間です。問題はここから、地点の作品って、物語が素直に展開するようにセリフが配置してないから、説明しようにも記憶に残りにくく、しかも説明も難しい。しかし、毎度のことながらその迫力に圧倒されるし、明らかに現代の我々に通じる主題がが語られているように感じられるから面白いんだよね。あの独特の台詞回し、今回はあのカニのような歩き方も見ていた、おまけに最後に御神輿かつぐことになるとはね。ほんとは何度か繰り返して見たいんだけど、なかなか時間が許してくれませぬ。でも、次も期待。
 

おもしろければOKか?―現代演劇考 (五柳叢書)

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