談春 大阪二夜 立川談春 三十周年記念落語会「もとのその一」inフェスティバルホール

 自分が、この時期、どれほど忙しいことになるかなどつゆも考えもせず、地元でも同様の興業があるということも分からないまま、「芝浜」の例もあるし、これは大阪フェスじゃないとやらない興行だと思って二日分とも購入。先週末も出張でつぶれてるし、今週、これ、行ったら自分はどうなるんだろうという懸念を酒で吹き飛ばしていざ大阪へ出陣。
 初日は「除夜の雪」と「らくだ」。「除夜の雪」は談春米朝に噺をもらいにいったというエピソードが『赤めだか』にでてきて、是非とも聞いて見たいと思っていた噺。しかし、聞いてみたら、本人も、その後のトークで言ってたけどすくいのない噺だな。しかも、これ新作なんだという。でも、この噺、私も好きだな。米朝でも聞いて見なければなるまい。
 で、間のコーナーをはさんで「らくだ」。談志も志ん朝も先代松鶴の噺を聞いて震撼したと伝えられている根多である。以前と違うと思ったら、本人が意識的に削ってきた談志のフレーズが自然に出てきたと語っていた。志らく以外にも談志が降りることがあるんだなって、冗談をいうだけじゃなくこの「らくだ」はよかったよ。で、三時間を超える長演に。
 翌日は、「棒鱈」と「たちきり」。なぜ「棒鱈」と思ったが、これは芸者が出て来る「たちきり」への伏線だったのですな。とても、よい対比になるが「たちきり」も場所を江戸におきかえているんだよな。親戚を関東のあちこちのおくというのなんか不自然に思えたけど噺としては聞かされてしまった。
 間のトークで語っていたけれど、自分が「たちきり」をやるのは、もう「船場の恋」なんて大阪でも分かる人なんてほとんどいないと。だったら、そこを抜いて噺を受け継いでいくことはできるだろうと。となれば、その「船場の恋」を知りたいと思うのが人情でげす。
 こうなると、あえて大阪フェスで上方ネタを三本かけた理由もわかろうというものですな。上方の噺を、あえて上方にこだわらずに聞ける噺として作り替えて大阪に殴り込みをかけるってことでしょ。いやー、こういうのを意気に買いたいね。
 

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