談志ほど当たり外れの大きな噺家もいないだろう。この数年、当たりを期待しながら独演会に足を運んだが、残念ならが以前見たあの談志にお目もじする機会は得られないまま談志はあの世へ言ってしまった。最後に聞いたのが「金玉医者」になるとは。「ざまあ、みやがれ」って感じだろう。のどの手術はしなかったんだね。
談志ほど毀誉褒貶の激しい噺家もいまい。談志は噺の解釈を変えてしまった。たとえば、あの「粗忽長屋」。しかし、あのデフォルメはボクにはとてもリアルなものに思えた。その血が確実に受け継がれていることは、志の輔や談春、志らくの噺を聞けばわかる。この季節なら「鼠穴」や「芝浜」をどう演るか(先日、志らくは独演会でちょうど「鼠穴」を演った)。この先、ボクは彼らに談志の面影を求めながら、一方でそれを裏切って行く姿を期待するだろう。談志とはそういうものなのだから。
ボクが子どもの頃から耳になじんできた噺家は、これで小三治だけになってしまった(しかし、なぜ小さんをつがなかったの。それから、歌丸さんごめんなさい)。そんななか、ふと思って立ち読みした『週刊現代』にはまだ談志の連載が載っていた。
(追記)どっかにのらねぇかなと思っていたら、こんなところに川戸貞吉の追悼文が載っていた。その昔「早起き名人会」でお世話になったのよ*1。でも、某国営放送の番組つぶしちまった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/CK2011112702000083.html
こんなもんを高校生時分に読んでいたのですよ。
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*1:で、これ繰り返し読んだよ。