ってことが気になったので、たまたま手近にあったフィーンバーグの本を拾い読みしてみたが、いかにもフランクフルト・シューレという調子と、大雑把な議論とで正直なところあまり面白くない。いずれも、冒頭は技術の道具説と自立的存在説、技術の決定論と自体説の対比からはじまり、もっぱらテクノロジー支配が関心事というわけで、この時点で技術そのものについての立ち入った考察はないんだろうなと思ってしまう。そのわりに、自分に都合よくハイデガーを使ってるみたい。この人いったいどういう評価を受けてる人なんでしょう?
ふだん技術って何か分かっているつもりでいるけど、考えだすとなんだかよく分からないんだよね。技術ってことでは機械がイメージされがちだけど、そもそも機械を作るのも技術でしょう?それに、機械それ自体はただの鉄のかたまりなりなんななりにすぎないわけで、使われなければそれを技術とは呼びがたいでしょう。また、機械にはたいてい決まった使い方があるけれど、使っている人間の方が新しい利用法を見つけてしまったりすることもあるし、それで改良が加えられたりもする。それだって技術のうちでしょう。
と、考えると、技術って道具の実践的使用とその知識を無視しては考えられないと思うのだが、よく読めばこの本でもそうした問題を丁寧に論じているところがあるのだろうか?それとも、ハイデガーの技術論を読むべきなのだろうか?
- 作者: アンドリュー・フィーンバーグ,直江清隆
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/03/12
- メディア: 単行本
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- 作者: アンドルーフィーンバーグ,Andrew Feenberg,藤本正文
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1995/10
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ハイデガーの方はいつの間にか技術論の新訳が出てるし、加藤大先生編の論文集も出てる。
- 作者: マルティンハイデッガー,Martin Heidegger,関口浩
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/09/01
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- 作者: 加藤尚武
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