エチケット

 ゴッフマンを読む人はいても、ゴッフマンが資料に使ったエミリー・ポスト女史の『エチケット』を読む人はいないだろうな。ま、私も院生時代に古本屋で500円で拾うことがなければ、手にとってみることもなかっただろう。だが、ときどきひろい読みしてみると、たしかにこれは資料として面白い。彼女の説明を整理しなおしてみると、「会話のアート」とは、自分が人受けするうまい話をすることにはなく、相手が話の環に加わりたくなるようなトピックを提供することにあるとわかる。つまり、「会話のアート」とは相手に語らせるための技法であり、話し手の役目とは相手に話をさせることなのである。
 ところで、この本いまでも出続けているのですな。私の手元にあるのは55年の第9版なのですが。

Emily Post's Etiquette, 18th Edition (Emily's Post's Etiquette (Thumb Indexed))

Emily Post's Etiquette, 18th Edition (Emily's Post's Etiquette (Thumb Indexed))