PILの一枚目を聞く。しかし、日本語解説(1994年)の「限定された公的イメージ」というバンド名の理解にはアタマを抱えたくなる。Public Image Ltd.とくれば、まず「パブリック・イメージ会社」と受け取るが素直なんじゃないかな。もちろん、「パブリック・イメージがかぎられたものだ(limited)」ってダブル・ミーニングがあるけど、これは矛盾した表現になるわけで、これだけで十分強烈な当てこすりになっている。歌詞を見ればさらにそれが分かる*1。また、パンクそのものがこうしたPublic Imageを利用してのしあがっていった側面があるわけだよね。それで、あの挑発的なヴォーカルでPublic Imageとやられるのだ。そういう意味ではパンクとの決別宣言ともとれるんじゃないだろうか。
- アーティスト: Public Image Ltd.
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なんとこんなボックスが再発されていた。
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*1:http://www.fodderstompf.com/LYRICS/firstlyric.html ところが、訳された歌詞の理解も怪しい。最後の部分は素朴にポジティヴなことを歌っているとは思えない。Public image You got what you wantedが「他人さまへの印象は自分で決めるものさ」ってことはないでしょ。「パブリック・イメージで、自分の望んでいたものが手に入った」って皮肉でしょ。それから、その前にas propertyってPublic Imageにひっかけてるのかな。ふつうならproperlyって言いたいとこじゃないかと思うんだけど。そして、ここは「私有財産propertyとして扱ってもらえないだろう」って歌って、最後の部分ではその逆を行くわけだからやっぱり皮肉が効いている。で、一つ目のgoodbyeと二つ目のgoodbyeで意味が正反対になる。ちがうかな。そもそも、ジョン・ライドンってどこまで行っても斜に構えた人だったわけじゃない。