2016-01-01から1年間の記事一覧

社会学入門

やっと今ごろ読んでいる。基本的には『モダンのクールダウン』の路線なのね。わりと前半は納得して読める部分が多かったけど、ドーキンスやスペルベルを使うぐらいなら、素直にルーマンを使えばよいのにと思ってしまいました。 社会学入門 〈多元化する時代…

チャイナ・ゲイト

二本続けてみると、まず、気づくのは女性のきれいなおみ足ですな。あるいは大仏。それはともかく、で、それがナット・キング・コールの足につながる?それから、これもある種のトラウマものである。作戦に参加する外人部隊の兵士はいわば反共連合軍になって…

ショック集団

精神病院で起きた殺人事件の犯人をつきとめるために記者が「狂人」を装って入院して、自分が「狂人」になってしまうという筋立て(しかし、最近は「きょうじん」と売っても「狂人」と変換してくれないのね)。を、明かしてしまったところでちっともこの映画…

大久保怜のナツメロ

そういえば、ナツメロなんて言葉あまり聞きませんねって、私がテレビを見ないせいかもしれませんが、ここに出てくる人物の名前のかなりはさしてなじみもないのになぜか知っており、歌も少しは聴いているはずだ。といっても、親が見てる番組を子どもながらに…

志らくのフルコース

前座の志ら鈴さんの「牛ほめ」で、中入り前にかかったのが、なんと「源平盛衰記」。生で聞くのは、もちろんはじめて、話のなかに何を放り込むかがすべてのような地噺。意外と内輪ネタが多く、それはそれで面白かったけどお、語りの部分はすらすらとはいきま…

OCNだけじゃなくNTT西日本もおなじ?

NTT西日本のなんだかポイント消化するのに応募したら、委託業務先に個人情報を流すことがあるとあった。実際には勧誘業務だろうけどさ、そのうちまた勧誘の迷惑電話が来るんだろうと思ったら、なんと4時間後にその手の業者が電話をかけてきた。こんなのあ…

こちらは京マチ子。一方で、モダンな女性を描くのもうまいというか、この映画はそういう意味でも先進的なんじゃないかな。他の作品でもそう感じさせるものがあるけど、特にこれはそう思う。女性ジャーナリストが自分の企画を利用した犯罪に巻き込まれて、真…

日本橋

映像はもちろんだが、淡島千景が最高。最初の酔ってあるく姿からや着物をちょっと着崩して見せる姿、とにかく立ち振る舞いのすべてが決まっていて見とれてしまう。山本富士子も若尾文子も食ってる。一方、カットもキレイだけど、色使いもいいな。橋の上の背…

アンブロークン

監督がアンジェエリーナ・ジョリーで、日本軍の描写で話題にされなければ、多分、見なかっただろう作品。そんなに日本軍の描写、おかしいですかね。気になるとすれば、捕虜を移動するときの風景が、これ日本じゃないだろとか、収容施設や工場が、まあ、美的…

「ピカソ、天才の秘密」展

もう終わってしまうからというのであわてて行ってきた。金曜の夜だからか、それほど混んでいなかった。ただ、あまり期待はしていなかった。「天才の秘密」展という銘打ち方が曲者である。ということは、若き日の絵や習作とかあまり知られていない絵が大半な…

あの手この手

「戦後、女と靴下が強くなったと言うけれどーーー」。その新婦人をおちょくっているようで、おちょくっていないコメディ。奥さんも働きに出て、どうにも亭主の方が立場が弱い夫婦。姪のアコちゃんがこれに介入してなんとかしようとするわけだが、そのうちこ…

私は二歳

この本、まだ私が学生の時分にはそれなりに知られた育児書でした。こんな作品もとってたんですね。アップ多めで、コメディ、あるいはドキュメンタリー・タッチなところもある。昭和30年代を思わせる映像はちょっと『東京オリンピック』も思わせますな。し…

ロパートキナ

私がクラッシック・バレエにも興味を持つようになったきっかけは、マリインスキー劇場の「白鳥の湖」をたまたまテレビで見たからだった。ロパートキナに圧倒されてしまった。美しく、でも迫力があり、優雅。彼女が「最高のプリマ」と呼ばれることを後に知っ…

野火

実は、塚本版の前に市川崑が作品化していると聞いて、是非とも見たいと思っていた作品。塚本作品はわりと忠実に市川版をなぞっているという話を聞いていたのだが、たしかにそういう面はある。しかし、塚本作品は、かなり主人公の主観に依拠した作りになって…

犬神家の一族

これもなめてました。映画館で見るのははじめて、これだけやたらと客も多かったな。ストーリー的には推理モノで長い話をまとめるには結構無理しないといけないなと感じるところもあったが、映像的には遜色ない。シネマスコープのような横広の画面じゃないの…

炎上

こちらは三島の『金閣寺』の映画化ですね。れいの宮川一夫による聚閣の炎上シーンが見られます。音楽は黛敏郎。これも陰影とワイドスコープを使った見事なモノクロ作品。主人公は市川雷蔵。仲代達矢が市川雷蔵とこんな感じで絡む作品があったのですね。しか…

雪之丞変化

今さらながら、私が市川崑を過小評価していたというか、そもそもろくに見ていなかったということを思い知らされる。ワイドスコープの画面をうまく使った背景がとてもきれい。陰影の使い方もうまくって、あとから思い起こしたとき、最初はモノクロ映画だった…

関​内​寄​席​ ​桂​歌​丸​落​語​会

三​遊​亭​圓​朝​作​ ​「​塩​原​多​助​一​代​記​​〜​青​の​別​れ​」 一年ぶりに見た歌丸さんは以前よりもやせており、滑舌も前のようにはすんなりいかないようでしたが、やっぱりこの語りの調子はお見事という他はない。ご自分でもおっしゃっていましたが、名…

学力低下論争

いまごろ学力低下論争のおさらいをするとは思わなかったけど、当時、この本は読んでなかった。全体を概観するには便利な本ですね。学力低下論争 (ちくま新書)作者: 市川伸一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2002/08/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 2…

青髭八人目の妻

ビリー・ワイルダーのこてこての脚本が笑える、けど、終わりがどうなってるか分かってるのにこれだけ飛ばすと最後は難しいですね。ゲイリー・クーパーはシンデレラマンだっけ、同じように同じ場所に入れられますね(あれはキャプラだったかな)。あの海水浴…

思ひ出

2時間弱あるサイレントで、音無し。それなのに目が離せない。ずっと集中して見せられてしまう。絵も決まってるしつなぎもうまい。すごい完成度。トーキーよりサイレント時代の方が面白いよ。前作にもそういうとこあったけど、ここではもっとたくさんの人とい…

日本戦後史論

『永続敗戦論』はけっこう面白かったけれど、これだと与太話のオンパレードという感じではないかな。「サヨク」ならもう少しがんばってね。「日本会議」の「に」の字も出てこないよ。戦後日本史や憲法の勉強もきちんとやっておかなければなりませんね。って…

百万弗貰ったら

こちらはオムニバスですが、いかのも戦前のアメリカらしいコメディ。オチもよいですね。ルビッチが撮ったのはあのオフィスのシーンだそうな。見てると思うけど、その後のアメリカ映画で反復される映像ってこのあたりから出てるよね。

牡蠣の王女

ルビッチ、サイコー。1919年、ドイツ時代の無声映画でこの完成度はどういことだ!いちばんきれいだったのは王子が酔っ払った友人と歩きながら一人ずつベンチに座っていくシーンだな。ドイツ表現主義って感じですね。他のシーンも絵が決まってるし、楽しい。I…

メタファーの記号論

気になるのでこちらも探し出してみたら、すでにスペルベル&ウィルソンが参照されているではないか。SWのグライス批判と代替の説明をまず『人類学とは何か』から引っ張り出している。その後も、同じラインの議論が参照されてますね。ブラックの相互作用説…

言語における意味

あら、こんな本、いつのまに出ていたの?というわけで、とりあえず入手して、最近、お勉強しなおした部分に相当するところを読んでみる。これはお手軽に辞書代わりに使える教科書として便利ですね。言語における意味作者: アラン・クルーズ,片岡宏仁出版社/…

表象は感染する

というわけで、『関連性理論』の前後の邦訳のあるダン・スペルベルの単著を読んでみた。この人首尾一貫して同じ問題意識で考えており、それがだんだん洗練されて行っているのがよく分かる。しかし、この領域横断的な発想法には正直、舌をまく。私は、立場上…

象徴表現とはなにか

この本、通読した印象がないというか、ほとんど内容がアタマのなかに残ってないんだけど、最後まで線が引いてあったから読了していたらしい。だったら、なぜ気づかなかったんだろう。関連性理論の原型はほとんどここに出ているではないか。しかし、象徴の「…

人類学とは何か

訳者は菅野盾樹さんだし(ってか、彼がずっと注目していたんですね)、序文はこれ人類学なんかいなという調子だし、理論人類学というけど、メタ人類学というか人類学批判みたいな感じ。なによりも、文化人類学と心理学は相互補完的なんですね。そして、付録…

一般言語学の諸問題

いまから思えば、スペルベル&ウィルソンの発話行為論の分割は、基本的にはバンベニストの議論を踏襲したものなんだな。で、上記議論に違和感を覚えるのは、実は、バンベニストの線引きと一致しなくなるからである。また、バンベニストは人間の言葉の特徴を…