今さらながら、私が市川崑を過小評価していたというか、そもそもろくに見ていなかったということを思い知らされる。ワイドスコープの画面をうまく使った背景がとてもきれい。陰影の使い方もうまくって、あとから思い起こしたとき、最初はモノクロ映画だったような気がした。
脚本は衣笠貞之助、伊藤大輔だから何度目かのリメイクなのでしょう。音楽は芥川也寸志、ところどころジャズも入る。で、女形の雪之丞とそれを影で支える義賊闇太郎を長谷川一夫が一人二役。鴈治郎がいて、加藤嘉がいて、あれが船越英二か。若尾文子はきれいだな。山本富士子はこんな感じだったんですね。ちょいやくで市川雷蔵と勝新太郎がボケている。