現代議会主義の精神史的地位
懐かしき社会思想社版。この本、別の訳本で持っているような気もするのだが、目次を見ていたらとてもよみたくなって、値段も馬鹿高いわけでもなかったので購入し、とりあえず頭の方をめくる。
そうだよね。カール・シュミットは議会主義と民主主義が相容れないということをとっくの昔に指摘していたんだよね。この議論は昨今の政治状況を考えてもあらためて検討されるべきだよな。
討論による政治たる議会主義への信念は、自由主義の思想界に属する者であって、民主主義に属するものではない。両者、つまり自由主義と民主主義は、現代大衆民主主義を形成している異質なものから成る形象を認識するために、相互に分離されなければならないのである(16頁)。
民主主義から帰結する
不平等という対概念なしに考えられた差別なき平等が人間の生活領域に事実上及んだ場合には、この領域事態もまたその実質を喪失し、それから不平等が容赦のない力をふるう他の領域の影に入ってしまうのである(21頁)。
- 作者: カール・シュミット,服部平治,宮本盛太郎
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1987
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