キング・クリムゾン

 仕事にのめりこんで行きそびれるところをぎりぎりすべりこみセーフ。前回は、開演前にロバート・フリップがフリッパートロニクスをやっていたが、今回はそんなこともなく普通に始まる。とはいえ、メンバーは3ドラムにメル・コリンズ。メル・コリンズが入っているということもあって、第一期の中後期の楽曲が中心。アンコール前に「レッド」「スターレス・アンド・バイブル・ブラック」を3ドラムでやられるとこれはそらなりにスゴイ。そのあとのアンコールは1枚目からのあの2曲というわけで、これもこれで大したもの。
 ただ、前回は、エイドリアン・ブリューが入ってフロントマン的な人物がいたけど、今回、メル・コリンズではそれは期待できない。相変わらずフリップ師匠は座ってギターを弾いている。その代わり、最前列にドラムが三つ並んでいるというわけ。でも、基本的には懐メロなんだよね。演奏的な激しさということではメル・コリンズがいるんだし、ドラムが三つも入ってるんだから『アースバウンド』のような激しいアドリブを期待してしまったりもするのだけど、まあそれは無理ですね。そもそも三回目の再結成が私にとってはいまいちで、しかもビル・ブラッフォードがいなくなって、そのうえ第3期をそれなりに意識していた前回にも比べて、今回はたとえ同じ楽曲の繰り返しとはいえ新しいモノを期待したいのだが、このクリムゾンではそらが何か物足りなく、とはいえ、あの曲どもをこの編制でやることを楽しむに徹するのであればよいライヴだったと思う。

ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2015

ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2015

Live at the Orpheum

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