最初に原発事故の経緯が確認され、話が足尾銅山鉱毒事件に移る。正直なところ、足尾銅山の件、ここまで詳細に知らなかった。そして、あまりに水俣で同じ構図が繰り返されていることに驚く。「永久示談」なんて熊本地裁第一次訴訟判決において「公序良俗に反する」とまで言われた「見舞金契約」そのまんまではないか?こういうの読んでると知らないこと自体が罪だなと思えわずにはいられない。
そして、ここで確認され、現在まで続いているといってよい「アジェンダのすり替え」という話から戦時動員体制に流れ、「経済安定本部」が戦後「経済企画庁」につながり、戦後の国による経済統制という話に。水俣はまさにここに当てはまる。これが「見殺しの制度化」、「国家教」というかたちでくくり出され、そのシステムの成り立ちがえぐり出されるのだがーーー。
しかし、これ以上、民を見捨ててこの国はどうなるのだろう?
民を殺す国・日本: 足尾鉱毒事件からフクシマへ (筑摩選書)
- 作者: 大庭健
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る