「悪党諸君」というのは先代の鈴々舎馬風が刑務所の慰問へ行って語ったと言われる言葉である。さすがの永さんもそこまでは言えなかったらしい。「僕らの世代には、沖縄になんあ借りがあるっていう考え方があるんですね」(117頁)。こちらは海渡さんの発言。「社会のほうも気づかなければならないのは、暴力団に入っていった人たちはなぜそこに救いを見いだしていったのか、社会に受け入れてもらえなかったり差別の問題なんかが結構背景にある場合が多いようですけどれども、そういう、暴力団が生まれてくる深刻な背景みたいなことを理解しないで、あいつらはもう暴力団なんだからって一方的にかたづけてしまうのはいけないと思いますね」(237頁)。
- 作者: 永六輔
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2002/10
- メディア: 文庫
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