読書

花森安治の仕事

花森安治の仕事 作者: 酒井寛,装画:安野光雅,題字:大橋鎭子 出版社/メーカー: 暮しの手帖社 発売日: 2011/09/23 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 47回 この商品を含むブログ (5件) を見る

奄美文化の近現代史

御恵投ありがとうございました。 奄美文化の近現代史―生成・発展の地域メディア学― 作者: 加藤晴明,寺岡伸悟 出版社/メーカー: 南方新社 発売日: 2017/03/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る いずれも面白そうな本です。が、ま…

ワークプレイス・スタディーズ

御恵投ありがとうございました。 ワークプレイス・スタディーズ:はたらくことのエスノメソドロジー 作者: 水川喜文,秋谷直矩,五十嵐素子 出版社/メーカー: ハーベスト社 発売日: 2017/03/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を…

鏡と仮面

最初に読んだときはありきたりのことしか書いてないなと感じたし、今の研究水準から言えばそうなのかもしれない。しかし、必要があって読み返してみたら、この本、シンボリック相互作用論の文脈では、相互作用にアイデンティティの問題を組み込んだ学史上は…

He-said-She-Said

やっと読み返せた。物語り論を社会学でやりたければ、この本のセクション4は必読だと思われるのだが、どれぐらい参考にされているのだろうか。この本にかぎらず、グッディン&グッディンの仕事は重要。 He-Said-She-Said: Talk as Social Organization amon…

The Self We Live by

まあ、一応、読むべき何だろうなと思って随分前に買ったんだけど、ぺらぺらめくって読むかぎり、あまり面白そうじゃなかったので、そのまま放ったらかしておいた。一ページに何人もの研究者の名前が出てきて議論が進むような本って好きじゃないんだよね。参…

自己への物語論的接近

この本、昔読んで分かったようで分からなかったのだが、 1,自己は自分自身について語ることを通して生み出される 2,自己物語はいつでも「語り得ないもの」を前提にし、かつそれを隠蔽している。いま読み返すともうこの時点でターミノロジーが気になるな…

アウトサイダーズ

新版が出てるんですね。ただ、これも原書必須。訳は読みやすいけど訳語は吟味する必要がある。 集団の合意に基づく規則に則って生きることが期待できない人物:アウトサイダー。 逆の判断も可能、オマエこそ。規則の多様性、法からインフォーマルまで。執行…

G・H・ミードの社会学

プラグマティズム。相互作用は創発する。 有機体は個体ごとに環境を創発させる:有機体の衝動が刺激を選択し反応を引き出す。反応することで行為する対象を、つまりは環境を作り出す。この選択能力が知能と呼ばれる。人間の知能は反省的で有り、刺激の選択を…

社会心理学の源流と展開

議論のまとめ方に粗密の差はあっても面白い本。コントは心理学を実証段階に達している生物学と社会学のセットで考えるんだね。他方、スペンサーは個人の進化から社会の進化へと時系列的に移行する。こういう発想があったから一時期、ああるいは今でも、人類…

ポピュリズム

現状に見合ったものかと言えば、足りない点も多いが一読に値する本。ネオリベラリズムとポピュリズムの結びつき。組合、行政といった既得権層を打ち、労働者の支持を取り付ける。ねじれ(ブレグジット)。結局、なされるのは既得権の再配分にしかすぎないの…

プラトン

コイレのプラトンってずいぶん昔読んだことがあったな。まず、メノン、プロタゴラスでは、徳性を教えることができるか、テアイトスで知識とは何かが問われ、トラシュマコスの「正義論」が紹介され、プラトンの理想国家論が展開される。プラトンにとって善き…

「若者」とは誰か

と、そこは「」いれがなされているとはいえ、また、近年、若者について語られる話法がきちんと整理されているとはいわ、若者とは誰かについては書かれていないんだな。そうはいっても、便利な本。 「若者」とは誰か【増補新版】: アイデンティティの30年 (河…

社会問題の構築

今読み返すと分かったようなわからないような本だな。課題は「社会問題」をどう定義するか。社会解体を問題にする機能的原因論アプローチ。どうすれば事象がシステム要件に抵触することが説明できるか。社会解体論は実際なにをやっていたのか?規範的アプロ…

アウトサイダーズ

逸脱は社会によって生み出される。「逸脱者」であることと「逸脱行為」をすることは必要十分な関係にない。逸脱してもそう扱われないこともあれば、逸脱行為なしに逸脱者あつかいされることもある。そもそも「容疑者」というのはそのような概念である。人々…

シンボリック相互作用論の世界

19章もある。どれも簡単すぎてアタマに入らない。とりわけ批判的な議論は論点を詰め切る余裕がないんじゃないかな。 シンボリック相互作用論の世界 作者: 船津衛,宝月誠 出版社/メーカー: 恒星社厚生閣 発売日: 1995/09 メディア: 単行本 クリック: 2回 この…

実験室としての都市

というわけで、なんか気になるのでパークも読んでみた。一部、下線が引いてあり、購入時に読んでいるらしいのだが、ってか院試の時もシカゴ学派のお勉強はしているはずなのにまったくアタマに入っていないことを思い知らされている。しかし、いまやよい値が…

産業化論再考

未発表草稿を書籍化したもの。内容的には途中で結論が見えてしまったものをたらたら読んでいくので退屈してしまうのだが、執筆当時発表されていれば、ここで展開している議論の含意も、これだけ丁寧に書かなければならないわけも理解できる。読みながら思い…

鏡と仮面

まあ、ブルーマーの議論の発展系として読める。よく整理された本だとは思うんだが、この楽しくなさは何なのだろう?名は体を表す。何らかの類として同定されることで位置づけを受け、一定の期待が伴う。この名付けや同定は持続的な過程である。このときの言…

シンボリック相互作用論

これでいくとすべての社会変容は、自己あるいはそれを伴う解釈に還元されるというすごい話になってしまう。理屈としてはよく考えられるけど、具体的な相互作用が創発的なものでありえ、マクロな社会変容につながるというのがイメージできない。ここ自己を媒…

笑点

円楽司会時代が黄金期なんですね。だったら、どうでもいいや。こっちは、ご年配の方から談志の頃がいかに面白かったかをうかがう度にどんなものだったかと思いをはせるのだが、そんな片鱗もない。暇をみて適当に読みます。ほんとに当時の映像って残ってない…

志ん朝と上方

上方芸人に志ん朝の思い出を聞くというのはとてもよい企画だと思ったけれど中身が薄いな。実際、本も厚さのわりには中身がない。しかも、聞き取りは4人からだけだし、そのなかに米朝はいない。メインが志ん朝の思い出を語るということになると話題が限定され…

この落語家に訊け!

この人の名前どこかで見たことあるなと思ったらバーンの編集長だったのね。多少は好みに違いがあるみたいだけど、私も追いかけてる噺家のインタビューが読めるというのは魅力的だ。相当、通っているようでどこそこでのいついつの話といったところまで出て来…

シカゴ学派の社会学

シカゴ学派の全体像を把握するにはとても便利な本。こうやってみるとシカゴ学派の研究って基本的に逸脱研究なんだな。一方で、気になったのはシカゴ学派という括りは同時代的にはどうだったのかしら。この名称自体、後からできたものだし、関係者はキリスト…

生活保障

教科書的に概論として読むには便利な本だけど、こういう羅列的な書き方をされると話がアタマに入って来にくい。 相対的貧困率の高さ。雇用と社会保障から排除される非正規雇用、若年者、女性、中層企業等。家庭やコミュニティの求心力の喪失。生活保障・雇用…

不況は人災です

犯罪、女の仕事、男の自殺率、離婚率。不況下ではろくなことないよ。ほんとに、インフレ回避は金持ち優遇措置になる。利子以上に実質賃金が下がる。円高の機能は消費税に似ている。つまり、雇用の振り替えに寄与する。景気回復期は一時バブル気味になる。小…

ベーシックインカムは究極の社会保障か

玉石混淆。BI批判は、あんまりBIに関係のないというか、現行の社会保障の不備をもっぱら問題としている。その中で目立つのは後藤道夫がニーズに基づく現物給付とニーズに依存しない現金給付(たとえば介護保険)の区別。しかし、BIを導入することは必ずしも…

聞き書 宮沢喜一回顧録

過去かつての大物政治家と一緒に仕事をした宮沢が彼らをどうみていたのか、講和・安保とプラザ合意をどうみていたのか等々。面白い。中村隆英先生が加わっているのもよい。先生の歴史本も折をみて読まねば。やっぱりアタマいいな。オヤジのサポートもあった…

この経済政策が民主主義を救う

欧米では金融緩和、保守が緊縮派。新古典派の考えとは違って、日本では賃金が下がっても不景気から回復しなかった。流動性選好(ケインズ)。安倍政権は選挙の日程を選んで、10%の増税を延期するために、8%増税後の景気対策を十分にしてこなかった。消費…

「健康格差社会」を生き抜く

社会階層に応じて健康格差があるというのは、直観的には分かる気がするけど(たとえば、日本人の体系の変化を考えてみる)、何がどれほどどう相関するかというのはなかなか想像がつききにく、いささか安易な説明に走っていると感じるところもあるけど、かな…