聞き書 宮沢喜一回顧録

過去かつての大物政治家と一緒に仕事をした宮沢が彼らをどうみていたのか、講和・安保とプラザ合意をどうみていたのか等々。面白い。中村隆英先生が加わっているのもよい。先生の歴史本も折をみて読まねば。やっぱりアタマいいな。オヤジのサポートもあったんでしょうが、基本、仕事に関しては自分の腕一本って感じか。
GHQの支持で財産税と戦時補償打ち切りでインフレ対策。ドッジが来て緊縮財政,ニューディール派のヘゲモニーが終わる。不況。為替レート360円。シャウプ税制。国税庁。で、朝鮮特需。
なぜ、日本でGHQによる占領のイメージがよいのかというのは、私にとっても、疑問なのだが、宮沢喜一にとっても疑問だったようで、それは結局のところGHQの施策が日本政府経由で行われたのだからであろうと。つまり、エリートと民衆の間で一種の分断が生じていたのですな。
講和にあたってはソ連が外れるだろうから、米国軍人サイドの不安は大きい。だから、吉田は池田蔵相を使って講和後の米軍駐留を認めてもよい旨、米国政府に伝えている。宮沢は、全面講和は難しく、安保を飲まずに講和は不可能であったのではないかと考えている。一方での、ダレスに対する軍備についての吉田の抵抗。朝鮮戦争後の米国で余った軍事能力で軍備増強。財界も押す。吉田重光会談。自衛隊。で、追放解除組の復権と池田の野心。鳩山系列からの憲法改正論議。岸は自分は一度も反米であったことはないと言っている。安保は中身が薄かった。沖縄返還時の繊維交渉の次第。
「私は、その後、日本でぎおrんされているいろいろな不良債権の問題を辿っていくと、どうしても、きっとプラザ合意のところに行くのだろうと思います」。ドル安の国際的な容認。急激な円高。輸入産業の堅調による景気回復基調とブラックマンデー、バブル。バブルの崩壊、公的資金の導入について言及するも、同時はそうした発想が現実にはなかった。橋本政権下の住専でも大騒ぎになる。
 

聞き書 宮沢喜一回顧録

聞き書 宮沢喜一回顧録

 
明治大正史 上

明治大正史 上

 
明治大正史 下

明治大正史 下