アウトサイダーズ

 逸脱は社会によって生み出される。「逸脱者」であることと「逸脱行為」をすることは必要十分な関係にない。逸脱してもそう扱われないこともあれば、逸脱行為なしに逸脱者あつかいされることもある。そもそも「容疑者」というのはそのような概念である。人々の反応は状況に応じて変化する。それが誰かにも依存する。逸脱行動は他者の反応もふくんだ過程である。規則規範行動/逸脱。誰が逸脱者かは準拠集団によって異なる。このような規則は普遍性をえていない。
 逸脱行動の継時的なモデルを構成するのに有効なのは経歴という概念である。経歴の状況依存性。社会構造と個人のパースペクティヴ、動機づけ、欲求の変化の包括。①非同調的行為、無知の場合も含む。因習を振り切るための中和化の技術。②逸脱的な動機と関心の発達。下位文化に参与することの学習。主要的地位特性と副次的地位特性。自動的に他の望ましからぬ特性の所有も措定される。主要的地位と従属的地位。一般的逸脱者へ。自己成就的予言。③逸脱集団への加入。
 こうしてみると、ベッカーのラベリング理論もシンボリック相互作用論の延長にあることがわかる。前の本も全訳だけどこれとどう違うんだろう?

完訳 アウトサイダーズ:ラベリング理論再考

完訳 アウトサイダーズ:ラベリング理論再考

  • 作者: ハワード S.ベッカー,村上直之
  • 出版社/メーカー: 現代人文社
  • 発売日: 2011/10/31
  • メディア: 単行本
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