不況は人災です

犯罪、女の仕事、男の自殺率、離婚率。不況下ではろくなことないよ。ほんとに、インフレ回避は金持ち優遇措置になる。利子以上に実質賃金が下がる。円高の機能は消費税に似ている。つまり、雇用の振り替えに寄与する。景気回復期は一時バブル気味になる。
小泉「構造改革」が目指したのは長期的な経済成長、潜在的な経済成長率を上げることだった。供給サイドの問題。しかし、いくら構造改革で労働者一人当たりの労働生産性があがっても、不況下では雇用増に貢献しないばかりか、マイナスに作用する。必要なのは、潜在的な成長率に近いところまで、現状の経済成長率をあげること。需要サイドの問題。経済成長がきらいな人でもここは同意できるはず。生産性をあげることは現状では重要な問題ではない。
じゃあ、小泉政権前後の経済成長は?公共事業の削減は景気の足を引っ張る。日銀の金融緩和で設備投資が増え始めた。さらに、為替市場への介入。しかし、個人消費ののびにつながるまでにはいたらなかった。むしろ、非正規雇用が増大。しかも、そんなところで日銀は金融緩和を打ち止め。もっぱら輸出頼みの経済成長。で、リーマンショックが来るが、日銀は方針を変えず、麻生政権は財政支出は増やしたが、円高対策は行わなかった。
新しいケインジアンは、新古典派のミクロ的な手法も取り入れていく。賃金の下方硬直性は自明なものではない。むしろ、賃金の下落はさらなる景気悪化をもたらす。貨幣バブル。流動性選好。流動性の罠インフレ目標。設備投資関係の企業だけ生産・雇用が増えても、消費財産業が伸びないと将来的なインフレの可能性が生じかねない。他方、賃金は遅れてあがる。これを是正のために利用する。最低賃金の段階的引き上げて雇用不安をなくす。正規と非正規の待遇格差の改善の第一歩にもなる。ついでに、消費税もどうせあげるなら段階的な方がいいわけだ。それでも、福祉関係には十分お金が回らないので、ここは日銀の出番。
 

不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門(双書Zero)

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