私が中国近代思想をかじってみたのははるか昔のことで戴震という名前も聞いたことがあるようなないような。序章の問題提起も、失礼ながら、これだとその筋の人にしかこの問題提起は理解できないであろうという高度なものである。ただ、戴震という人は言ってみればその文献学から中国近代思想の祖になった人と言えそうなので、拾い読みしながら伊藤仁斎の古学のことを思い出した。実際、戴震と仁斎はよく比較されるということでこの直観は的外れではなかったが、著者はその手のオーソドックスな思想史的展開とは違った読み方を試みているということなので、これはなんとか暇をみてきちんと読了したいところである。
- 作者: 石井剛
- 出版社/メーカー: 知泉書館
- 発売日: 2014/01/15
- メディア: 単行本
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