2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

バック・コーラスのディーバたち

このドキュメンタリーのことを聞いて、まず最初に思い浮かべたのは先日のボズ・スキャッグスの公演のことだった。一曲だけソロをとったけどバック・シンガーが迫力があってうまいのだ。で、それを聞きながら、バンドについてくるたいてい黒人で女性のバック…

幕末政治家

著者とタイトルに引かれて購入。阿部伊勢守から幕末にいたる幕閣の人物を描いたもの。五七調の文体は講談か浪曲を聞いてるような調子で読めてしまう。『龍馬がゆく』以来、坂本龍馬が過大評価されるようになったのはご存じのとおりだし、いまだに「維新」と…

絀川思想小史

源了圓氏の著作はコンパクトだが中身も濃いな。これも絀川時代の思想史を概観するにはとても便利な本であり、和辻や丸山を意識して書かれていることもあきらかだ。ここでは出発点となる朱子学の評価を確認。いちいち辿ることはしていないが、このフレームワ…

如庵

http://www7a.biglobe.ne.jp/~ikka/joan.htm http://www7a.biglobe.ne.jp/~ikka/joan.htm

和辻哲郎

坂部恵のこの本を再訪。和辻の本を読めば読むほどこの本の含意は深まるな。さらにあらためて読むとこの本は、言ってみれば和辻の「歌のわかれ」と「転向」を論じているという言い方ができる。そういう意味でも『古寺巡礼』と『風土』は大きな意味をもつ。し…

世間体の構造

こんな本出てたんですな。で、なぜか知らないけど持っていて、オギュスタン・ベルクも引いていたので読んでみた。前半は、これけっこう、ベルクも使ってそうだなと思ったが、読了してみるとそれほど統一感のある本ではなかったな。しかし、こういうことをや…

ハンナ・アーレント

映画的にはいまいちなんじゃないかと思うんだが、なにしろ最大の見せ場が最後のアーレントの講義(演説)である、でも、アーレントの思索に触れるにはよいのではないかと思った。「凡庸な悪」って世の中に溢れていると思うから。アタマの方で、米国での亡命…

ユージン・マクダニエルズ

レス・マッキャンのCompared to Whatを書いてる人なのね。感じとしてはギル・スコット・ヘロン、そしてキーボードはダニー・ハザウェイを思い出させますな。一枚目はロン・カーターが参加している。アウトローアーティスト: ユージン・マクダニエルズ出版社/…

ニッポン

ついでに手元にあったブルーノ・タウトも読んでみる。あまりの日本礼賛にちょっとついていけないところがあるよ。タウトのオリエンタリズムみたいな議論はあるのかな。でも、「日本の風景は、あらゆる展望性にもかかわらず、個々の切断面では非常に多様で変…

古寺巡礼

こういう本は学生時代に読んでおくべきなんでしょうな。必要があって今頃読んでる。しかし、いま読むと奈良時代と平安時代の連続ないしは不連続というか、和辻の藤原時代嫌いがはっきり出ていますな。一方で、日本と朝鮮の差もはっきりつけたがっている。引…

二代目広沢虎造

決定盤 清水次郎長伝アーティスト: 広沢虎造,広沢虎造(二代目),佐々木伊代子出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2008/06/18メディア: CD クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る二代目 広沢虎造 全集アーティスト: 広沢虎造(二代目),萩原稲子,…

孔子

ついでだから、近所で見つけたこれも読んでみた。そしたら、この本は基本的に原典批判なんだよね。しかも、その批判的な吟味をつうじて『論語』の面白みというか、孔子の言行が浮かび上がってくる。もっとも「初期の孔子学派は家族道徳を特に重んじたという…

倫理学

結局、これも読み返してる。この部分、けっこう退屈なんですが。ここでも『日本倫理思想史』同様、国民道徳論者を批判してる。この評価は『風土』のそれより厳しいが基本線は同じである。最初の草稿とどれくらい違うんでしょうね。なお、和辻はブルジョア精…

天国の門

天国の門 [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2008/09/26メディア: DVD クリック: 31回この商品を含むブログ (10件) を見るマイケル・チミノ読本作者: 遠山純生出版社/メーカー: boid発売日: 2018/11/09…

間柄の倫理と風土理論

間柄の倫理と風土理論はどうつながるのか?『風土』での二つのつながりと、『倫理学』でのつながりはどう変わり、その結果、どのような進展が見られたのか?結局のところ、どこまでもうまくいっていないんじゃないかという気がしてならないのだが。あと中巻…

サン・フランシスコ

今宵もこれで。ボビー・ハッチャーソン、1970年、タイトルと違ってロサンジェルスでの録音。サックスにハロルド・ランドをフィアチャーして、ジョー・サンプルも参加。エレクトリック・マイルスと同時代、いかにも70年という音。これが聞いていてなかなか…

風土の日本

ベルクのいささか特異な概念が導入されていて前著以上に分かりやすいとはいいがたいのだがやはりこれも面白い。ただ、この議論がどれだけ射程を持っているかは、日本以外を論じたものをみてみないとよくわからないな。ちなみに、「通態」と訳されるtrajet、…

空間の日本文化

ベルクは地理学者なんだけど、この本はどう形容、どう概要を説明すればよいだろう。本人が最後にまとめているけれど、これは通読しなければ理解不能だよな。しかし、面白い。とりあえず、この辺から簡単にメモ。 1、まず、日本において主体は事物、他の人格…